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【ドライバー研究】ピン、テーラー、キャロウェイ、結局どれがよかったの? 2019~2020年の話題モデルを最評価テスト!

例年と比較しても当たり年だったと言われた2019~2020年のドライバー市場。評価の固まったモデルがある一方、まだ発売から間もないモデルもあり「いったいどれを選べばいいの?」と迷うゴルファーも多いはず。そこで今回は”キング・オブ・試打”こと堀越良和プロが。話題の14本を改めて試打テスト。年始のお買い物の参考にしてください!

【試打・解説】堀越良和プロ
毎年発売される新製品を余さず試打。ギアに対する造詣は誰よりも深い

2019年のドライバーは初速勝負

まず、大まかななところで2019年モデルのドライバーには、どんな特徴があるのだろうか。堀越プロに尋ねると、

堀越 さらなる飛距離アップを追求し、低スピンからさらに低スピン&高打ち出しへと、各メーカーの開発競争によってドライバーは進化してきました。そして2019年モデルでは、いかにボール初速をアップさせるかが大きなテーマになりましたね。

たしかに、どのメーカーのモデルも初速性能の高さをセールスポイントの中心に据えている。

堀越 いまや初速性能が高いのは当たり前で、その範囲をいかに広くできるかを、各メーカーが知恵を絞って競っている状況といえます

ドライバーの進化によって、ここ数年でプロの飛距離は飛躍的にアップしている。PGAツアーの昨季のドライビングディスタンスを見ると、なんと上位50人が平均300ヤード超え。2015年シーズンと比較すると人数が倍に増えている。

PGAツアーで大人気の3モデル

G410プラス(ピン)。慣性モーメントが大きくミスに強いオートマチックモデル。渋野日向子プロが使用し人気が爆発

M5(テーラーメイド)タイガー・ウッズやローリー・マキロイが使用。圧倒的な飛距離性能で打点のズレにも強い

EPIC FLASH SUB ZERO(キャロウェイ)石川遼やフィル・ミケルソンが使用。打点が安定した上級者にとっては鬼に金棒

プロもやさしいドライバーを使う時代

飛躍的な飛距離アップは国内ツアーも同じだ。

2015年は平均300ヤード超えはゼロだったが、今季は13人にまで増加している。

堀越 初速が出る範囲が広くなっただけでなく、重心深度や重心距離、ヘッドの重量配分などの工夫によって、スウィートスポットを外したときの飛距離ダウンが軽減されているモデルが多いのも特徴のひとつです。

堀越 芯を外しても当たり負けしないので、飛距離は落ちにくいし、ショットのバラつきも抑えられる。つまりプロもやさしく飛ばせるドライバーを使って、飛距離を伸ばしているということです。2019年モデルでは、その傾向がより顕著になっています。

海外ブランド話題の5モデル

M6(テーラーメイド)
スポーティでいてやさしい。プロが使いはじめるのも納得

EPIC FLASH STAR(キャロウェイ)
ネックの調整機能をなくし、その重量で上げやすさとつかまりを向上

TS1(タイトリスト)
今回のモデルの中で最軽量。スピードで飛ばせると人気に

キングF9スピードバック(コブラ)
リッキー・ファウラー使用モデル。軽くてスピードが出せて初速も速い。

G410 LST(ピン)
賞金女王・鈴木愛が使用。低スピン&高打ち出しの飛ばせる弾道がやさしく打てる

昔ならプロや上級者が使用するようなドライバーは一般のアマチュアには歯が立たないことが多かったが、いまは違う。プロもアマチュアも、同じようにドライバーの進化の恩恵を受けているのだ。

堀越 海外メーカーに追従するように、国内メーカーもやさしさを重視したドライバーへと大きく舵を切ってきました。上級者が好むような飛距離よりも操作性に優れたモデルがラインアップから消え、プロでもやさしいモデルを選ぶ選手が増えています

また、軽量化も2019年モデルの注目トレンドだという。

堀越 今回、改めて試打したドライバーのスペックを見ても、総重量が300グラムを超えているのは数えるほどで、もっとも重いモデルでも310グラムです。軽く振りやすくなって、スピードも出せる。初速性能とミスに寛容なやさしさ、そして軽量化によるスウィングスピードのアップ。この3つの相乗効果によって飛距離アップを実現する。これが2019年モデルの総評になります。

では、2019年モデルの中から、自分にぴったりの1本を見つけるには、何を基準に選べばいいのだろうか。

国産ブランド話題の6モデル

ミズノプロ モデルE(ミズノ)
アップライドでも座りがいい、日本のゴルファーのために開発されたクラブ

TOUR B JGR(ブリヂストン)
コスパ抜群。芯が広くてミスヒットにも強い

T//WORLD XP-1(ホンマ)
際立つ芯の広さとミスヒットへの強さ。自社開発のシャフトでトータルバランスがいい

RMX120(ヤマハ)
若干の操作性を残しつつ、ミスに寛容なオートマチックタイプ

RMX220(ヤマハ)
極大慣性モーメントで全モデルの中でいちばん曲がらなかった

RS E(プロギア)
HSが速くない人でも、やさしくつかまって飛ばせる。芯を外しても初速が落ちない

ミスが小さくなるのが、自分に合った「運命のドライバー」

ドライバーに限らずクラブを買い替えるときは、試打してから選ぶのが鉄則。

堀越 気になっているクラブだけでなく、幅広くいろいろなモデルを試してほしいですね。試打クラブが充実していて、球筋や弾道を確認できる広めの練習場を選ぶのがベストです。

いま自分がドライバーに求めているのが何なのか。それを明確にすることでおのずと買うべき1本も絞られてくる。

堀越 あえて言うなら、低スピンや高打ち出し、初速性能と同じように、やさしさも飛ばしの要素だということ。ミスに対する怖さがなければ、どんどん振れるようになって、スウィングスピードもアップします。その結果、飛距離と方向性の両方が手に入ると同時に、スウィングの質も高まるんです。

最適なHSやつかまり度合いで分類した上の図を参考に、自分にぴったりの1本を見つけてほしい。

週刊GD2019年12月31日号より