【頑固オヤジ】Vol.158「PWの下のロフトはどう選ぶのが正解?」
東京下町でゴルフ工房を営む店主がギアに関する悩みに答える連載「頑固オヤジのクラブ工房」。今回のお悩みは「ウェッジの選び方について」について。
ILLUST/Kochi Hajime
Q. ウェッジの本数とロフト、どう選べばいいの?
ストロングロフト化で、PWの下にウェッジを3本入れるとか、セットのPWを抜いて別のウェッジを入れるといったプロの話を聞きます。今どきのウェッジ、ロフトとかどう選べばいいですか?
まず探すのは100Y用
9月はなんか台風だらけだったな。でも、10月に入った途端寒くなって、これじゃ体調がおかしくなっちまうな。
「読者からの質問です。今どきのストロングロフト化したアイアンセットに対して、どうウェッジを選べばいいのか。本数とか、ロフトの選び方を知りたいそうです」
ウェッジの悩みは季節に関係なく、多いよな。
「ツアーでも、アイアンセットのPWを抜いてウェッジ専用モデルの46度ロフトとか入れているプロもいますよね。こういった選択、アマチュアも考えたほうがいいんでしょうか?」
「そんなに難しく考えなくてもいいんじゃねえの。基本的に、アイアンセットはフルショットで飛距離を打ち分けるもの、と考えればセット内のPWもフルショットで飛ばせる飛距離だけ考えて、入れておけばいい。問題は、それが100ヤード以上飛んじゃうようになっていることかな」
今どきのPWは、昔の9番アイアンぐらいの43~45度ぐらいが多いけど、このぐらいのロフトは軽く打つほうが飛んだりする。たとえばスリークオーターで打つと、弾道が低くなってスピンが減る結果、トータル距離が出すぎることがあるんだ。
つまり、力が強くないシニアが打っても、距離だけは100ヤード以上出るPWが多くなってる感じだ。
「だから、まずはキチンと100ヤードを狙って止められるウェッジを探すことが大事なんだと思う。ヘッドスピードにもよるけど、46~50度のロフトぐらいじゃないかな、大抵のアマチュアは。52度で届く、なんてのは振り回しすぎてると思うんだけどね」
オススメはハーフで40Y
「じゃ、オヤジさんはセットのPWはそのままで、すぐ下に100ヤード用のウェッジを入れる……と。その次がAWですか?」
「100ヤード以内を、どう打ち分けたいか、だね。フルで2つも3つも打ち分けるとか、必要かい?」
「ウーン、それは……」
48度前後のウェッジは、少し加減しても上がって止まるから、PWのように飛びすぎることはほとんどない。90~80ヤードを打つのは難しくないはず。
「そこはSWの考え方にもよるんだが、今どきの単品プロモデルのSWなら、バウンスも適度でアプローチでも使いやすい。で、ロフト選びでオイラのオススメは、ハーフショットで40ヤードピッタリ打てる、てのがいいと思うんだ」
SWはフルショット基準で考えると、振り回しすぎたり、ロフトを立てて打ったりして、飛距離の判断を勘違いしやすい。
「ハーフショットで40ヤードに届く、かつ止められるロフトを探すと、スリークオーターで60ヤード、フルショットで80ヤード届けばいい、て考えられるだろ。そのロフトが56度とか58度になるんだろうが、これがあればアマチュアのウェッジは、必要十分だと思うけどね」
「それだと、48度と56度、8度差あってもPWの下はウェッジ2本でいい、ということですか?」
「そうだよ。要は90~100ヤードをキャリーで狙えるものと、30~80ヤードをピッチショットで狙えるウェッジがあればいい」
プロ並みに練習量が豊富なら、風の日対策で中間的な52度前後を入れるとか、深いラフ用に60度を入れてもいいだろうけど、月イチレベルだとたぶん使い方に迷うだけ、ミスを増やすだけだと思う。アプローチのバリエーションを増やすならジガーとかチッパーを入れたほうがマシかな。
「100ヤード用と40ヤード用、買い替えるより今愛用のものをいじるほうがいい。元の飛距離がわかってるだろうから、ロフト調整とかバウンス削りで合わせるほうが、カンタンだと思うよ」
月刊ゴルフダイジェスト2022年12月号より