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【ヘッドデータは嘘つかない】適度なスピンで球筋が安定。玄人好みのスクエアフェース。プロギア「RS ジャスト」ドライバー

多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏が最新クラブを徹底的に計測・分析する「ヘッドデータは嘘つかない」。今回はプロギアの『RS ジャスト』ドライバーを取り上げる。

“ギリギリ”がさらに進化

今季からJGTOの選手会長を務める谷原秀人が使用するプロギア『RS F ドライバー』の標準モデル『RS ドライバー』を紹介する。

これまではバラバラだった重心点、最大たわみ点、最高反発点をフェースセンターに集約させることで、たわみ率が前モデルに比べ23%上昇。その結果、ボール初速が上がり、いままでのギリギリをさらに超えた飛距離を実現した。

早速クラブとヘッドを計測していく。数値はすべて実測値になる。クラブの長さは45.31インチとやや長く、クラブ重量は310.2gとやや重く、スウィングウェイトもD2.7とやや大きいので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが292万g・㎠とやや大きくなっている。この数値だと、本来はドライバーのヘッドスピードが45~46m/sくらいのゴルファーがタイミング良く振れる設計といえるだろう。

プロギアのプロモデルらしく、全体にすっきりしたきれいなヘッド形状で、体積が443ccと前モデルと比べて一回り小さいやや小ぶり感がある。またフェースアングルが0.5度オープンと前モデルのようなフックフェースではなく、かつ58.0度という標準的なライ角度なので、より構えやすいイメージが出ている。

Point1 クラブ長さが45.31インチとやや長い
Point2 クラブ重量が310.2gとやや重い
Point3 スウィングウェイトがD2.7とやや大きい

前モデルよりも構えやすい

実際に試打したところ、まずアドレスでは前モデルに比べてアップライト感がなくなり、かつスクエアフェースで、より構えやすい。試打クラブは10.5度でメーカー純正の『ディアマナ FOR PRGR SILVER』のフレックスS仕様で、シャフトは前モデルよりも適度なしっかり感があり、インパクトの再現性も良くなっている。ヘッド体積が小さくなっているため、左右方向のヘッド慣性モーメントが4864g・㎠と前モデルよりも小さくなっていて、大きなヘッド慣性モーメントを狙った設計ではなく、その結果、ネック軸周りの慣性モーメントも7597g・㎠と前モデルよりも小さくなり、操作性が良く、球のつかまり感も前モデルよりいい感じだ。

スイートスポット高さが高いのは前モデルから継続で、適度なスピンが入って弾道は安定しやすい。そのため、ドローに打っても必要以上に低スピンになりにくく、球がドロップせず、キャリーを伸ばしやすいと感じた。ヘッドとシャフトのマッチングがいいので、球をつかまえやすく、前モデルよりも素直なストレート系弾道でフェアウェイをとらえやすく、スコアメイクできそうなクラブ。フェースの反発に関しては、以前『RS-F』で不適合になったときの16年モデルよりは劣るが、歴代モデルのなかでは高いといえるだろう。

フェースアングルが前作モデルとは違いオープンフェース設計で、58.0度と標準ながら前作よりもフラットなライ角度により、ターゲットに対してスクエアに構えやすくなった

【クラブ&ヘッドデータ実測値】

プロギア

RS ジャスト ドライバー

松尾好員

まつおよしかず。往年の名手、S・バレステロス、I・ウーズナム、青木功、加瀬秀樹らのクラブ設計を担当。近年のクラブを知る“現代の知匠”。ジャイロスポーツ主宰

週刊ゴルフダイジェスト2022年8月16日号より