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【プロスペック】ロングアイアンでも狙った高さで止められる! 全米プロ覇者J・トーマスの14本

プロの14本のクラブセッティングと、それらのクラブを選んだプロのこだわりを紹介する連載「プロスペック」。今回は、今年の全米プロを制したジャスティン・トーマスのセッティングに注目。

PHOTO/Blue Sky Photos、KJR

ジャスティン・トーマス。1993年4月生まれ。ケンタッキー州ルイビル出身。アラバマ大を経て2013年プロ転向。全米プロ2勝(2017、2022年)。2017年のPGAツアー最優秀選手。PGAツアー通算15勝

5月の全米プロでメジャー2勝目を挙げたジャスティン・トーマス。ギアの中で最も重視しているのがボールだ。現在はタイトリスト「プロV1x」の21年モデル。1年半前のテストに立ち会ったボール開発のF・ピッツ氏が当時を振り返った。

「ジャスティンが挙げていた改善点は、4番アイアンでもっと高くボールを打ち出し、ツアーの硬く締まったグリーンへのランディングアングル(落下角度)を大きくしたいということでした。

新しいプロV1xを打ち始めると、高く設定したいウィンドウ(狙った空間)を一貫して通過し、風が吹いてもイメージする弾道とキャリーが常に得られていることがわかると、本人から『このV1xでロングアイアンを打つと明らかにローンチアングル(打ち出し角)が高くなる。これならロングアイアンでもイメージ通りにしっかり止められるよ』とニッコリ笑ってくれたのを、今でも覚えています」

課題を克服した4番アイアンは弾道の高さと初速性能に長けた「T100」を選んでいる。5番からはマッスルバックの「621.JTプロト」。これはタイトリストのクラブ開発チームとトーマスが共同開発したもので、ソールデザイン、フェース形状、重心設定など将来のタイトリストのアイアン開発につながるモデルだという。

「(T100とプロトによる)コンビネーションセッティングが大好きなんだ。アドレスした時の見た目、打感、抜けの良さがきちんと揃っているからね」(トーマス)

パターはもともとスコッティキャメロン「ファントムX」のショートスラントネックタイプ(旧フューチュラX)を使っていたが、全米プロ前週のAT&Tバイロン・ネルソンから、ネックが異なる「ファントムX5」のプロトタイプにスイッチ。新パター2週目でメジャー2勝目を手にした。

ロフト10度のヘッドをネック調整で9.25度に立てて使う。ディアマナの第4世代「ZF」との組み合わせは年明けのセントリートーナメント・オブ・チャンピオンズから。現時点の平均飛距離は313.4ヤード

「T100」アイアンはヘッドサイズやシルエットを「620MB」と一致させたモデルなので、「621.JTプロト」とのつながりも申し分ない

「621」のネーミングどおり、原型はおそらく「620㎆」。将来のタイトリストのマッスルバックアイアン開発につなげていくプロトタイプ。シャフトはダイナミックゴールドツアーイシューのX100
3本の「ボーケイSM9」はロフト47.5度、52.5度、57度。いずれもFグラインドで、スクエアな通常ショットに合うソール。「ウェッジワークス」の60度はTグラインド(写真)とKグラインドを試合によって使い分ける。全米プロはKを使用
全米プロ優勝後、全米オープンもこの「ファントムX5 ナックルネック ツアープロト」で挑んだ。ナックルネックとはクランクネックの付け根部分にもシャフトが接合されたモデルのこと。重量やネック長を微調整しやすいようだ。グリップはスーパーストロークの「ピストルGTツアー」

ジャスティン・トーマスの14本セッティング

週刊ゴルフダイジェスト2022年7月12日号より