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グラインドスタジオ、ジューシー、モダート…女子ツアーで愛用者ぞくぞく「クラフトウェッジ」

スコアメイクの要であるショートゲーム。大手メーカーのウェッジを使用するプロが多いなか、今季の女子ツアーではカスタムブランドのクラフトウェッジの活躍が目立つ。プロがほれ込んだこだわりのウェッジとは?

PHOTO/Takanori Miki、Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa

ジューシー tT

ジューシー
松吉宗之

まつよしむねゆき。フォーティーンで故・竹林隆光氏のもと、クラブ設計に従事。18年に独立し、ジューシー株式会社を設立。女子プロ以外にも、市原弘大、浅地洋佑などが使用

「大手メーカーの質をそのままに、利益重視ではなく、プロが使用する“ワンオフ”モデルのような製品を、アマチュアにも提供したいとの思いで作っています。『tT』ウェッジは個体差をなくすことを第一に考えて選んだ軟鉄素材が、結果としてものすごく軟らかい打感に仕上がった。ベーシックなBソールをまず試してほしいです」(松吉)

「このウェッジに替えてから2勝。使いやすくて最高です!」(堀 琴音)

「スピン性能や距離感はもちろん、個体差がないのでスペアを使ってもまったく同じ感覚で打てる」とお気に入り

安心して打てるやさしさがコンセプト

ラフやバンカーなど、さまざまな状況で的確にソールが機能する『Bソール』。ジューシーのベースとなるソール形状

大手メーカーに勝るクオリティの高さ

3D CADで細部を作り込み、鍛造で成型した後、ひとつずつヘッド全体をCNC制御で削り出す。そして、細部を繊細に研磨し、構えやすさや温もりを作り上げる

BUCH I VS200

フソウドリーム
田淵正敏

たぶちまさとし。「アドレスしやすいだけでなく、すっきりしつつも力強さが必要」という。プロアマ問わず、多くのゴルファーの意見に耳を傾け、造形と研磨に磨きをかける

ヘッドに使われる軟鉄のなかでも群を抜いて軟らかいS15CSを採用。また打点位置の肉厚を極限まで厚くしたことでよりソフトな打感に。丸くて柔らかい印象を持たせる削り方が田淵正敏の真骨頂で、構えたときにやさしく打ちやすいイメージが浮かぶ。流線形に対して強いこだわりを持つ田淵の結晶ともいえるウェッジだ。

「構えたときの“顔”の良さが気に入っています」(植竹希望)

植竹の好みはティアドロップ型。使い始めた当初は12度だったバウンス角は、技術が上がるにつれ8度、6度と変遷

この丸みが名匠田淵の特徴

高い研磨技術を誇る田淵だからこそ可能な全体に丸みを帯びた形状。ほかにはない温かさが感じられる

トップラインの曲線もこだわりのひとつ

情熱を注ぎこみ、卓越した研磨技術によって生み出されたトップラインの曲線は、アドレス時に描かれる光のラインにこだわった田淵ならでは

グラインドスタジオ プロト

トウとヒールを大胆に削った三日月ソールは穴井詩モデル(左)と、フラットなソールとグースネックが特徴の青木瀬令奈モデル(右)

グラインドスタジオ
都丸和寛

とまるまさひろ。故郷群馬にあるフォーティーンで研磨技術を磨き、2003年に独立し、「グラインドスタジオ」を設立。高い研磨技術は多くのツアープロに信頼されている

伝説のウェッジ『MT-28』を削り出した都丸和寛さん。「研修生をしていたころに量販店に並ぶモデルを見ていたら、同じモデルでもそれぞれまったく違って見えた。その経験から自分が欲しいクラブ、ひいてはゴルファーひとりひとりに合ったクラブを作りたいと思ってこの世界に入りました。ウェッジ作りでとくに気をつけているのは、構えたときのシェイプやネック周りがきれいに見えること。毎回まったく同じように研磨するのは難しいけど、愛着がわくハンドメイド。また、構えたときのシェイプは十人十色で好みが違いますが、自分も長年ゴルフをしてきたので、お客さんのプレーを見たり、話したりすると、だいたい欲しいもののイメージがわくんです。長く愛用してくれているゴルファーも多く、ロフト角を調整したりして使い続ける人もいて、それがうれしくて続けています」(都丸)

「ヘッドの抜けがよく、どんな状況でもスピンが入ってくれる」(穴井詩)

使用していた大手メーカーのウェッジが廃盤となり、井上透コーチのつてで紹介を受け、気に入って使用中

トウも削り、抜けがアップ

穴井も語っているように抜けの良さが特徴。トウ側も削ることで接地幅が狭くなり、抜けが良くなる

開いて使いやすい

ヒール側のソールを落とすことで、開いて使用したときもリーディングエッジが浮きにくく、構えやすくなる。使い手の要望に応えた研磨だ

「使いこむほどに手に馴染む感じが好きです」(青木瀬令奈)

同じ群馬出身の青木と都丸さんの付き合いは約15年になる。青木の好みに合わせて、グースネックで製作している

直線的なバックフェース

青木からは「こうしてほしい」という要望は少ないが、ソールはフラットでバックフェースは直線的が決まり

ショットしやすいソール形状

ウェッジでのショットを打ちやすくするため、穴井に比べソール幅を残したフラットな形状になっている

H-956 プロトタイプ

アキラプロダクツ
中村浩二郎

なかむらこうじろう。アキラプロダクツ商品開発課勤務。形状にあった構造を決め、そこから素材を選定するスペシャリスト

ヘッド素材に使用している「8620」はいわゆる「S20C」と呼ばれるウェッジで好まれる軟鉄。『H-956 プロトタイプ』は堀江孝男社長が監修している『Hシリーズ』の9代目になる。抜けの良さにこだわったソール形状で、フェース長は操作性を重視して若干、一般のウェッジよりも小ぶりだが、違和感なく使えるような顔に仕上げている。

「操作しやすいので使っています」(サイ・ペイイン)

このモデルを女子ツアーで最初にテストしたのがサイ・ペイイン。彼女のOKがあったからこそ商品として売り出した、という

スコアラインを削る刃を通常の半分で交換

スコアラインはルールギリギリの溝を彫るために精度にこだわり、少しでも丸みが出ないように、削るドリル刃を通常の約半分の周期で交換する

逆テーパーで高重心を実現

逆テーパーブレードにすると高重心になり、ラフなどで打点位置が上下にズレても距離のバラつきが少なくなる

モダート SD

モダート
須田満

すだみつる。フォーティーンで研磨技術を学び14年にモダート株式会社を設立。CNCフルミルドを日本ではじめて採用するなど新しい技術と熟練の技でクラブを製作する

アイアンやウェッジの個体差をなくすにはフルCNCが必要と考え、会社を立ち上げた須田氏。「山路プロのように飛距離が出るゴルファーは、ウェッジを守りのクラブと考えていましたが、バーディを目指す攻めのクラブにしてほしくて作りました。三日月ソールは山路プロ専用で、トップブレードを少し厚くして、上下のミスに強くしている」という。

「シャープな顔が好き」(山路晶)

愛用ウェッジは3本で、それぞれの用途に合わせたソール形状を須田さんにお願いして作ってもらっている

厚さを感じさせないトップブレード

シャープな顔つきが好みの山路のために、厚めのトップブレードを、薄く見えるように削りを入れている

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月7日号より