【サンドウェッジ研究】バンカーショットのどこが不得意? 自分の苦手をカバーしてくれる、タイプ別おすすめサンドウェッジ


スコアを大きく崩す原因のひとつがバンカー。「サンドウェッジには、いくつかのタイプがあって、自分の苦手な部分を助けてくれるクラブを選べば、確実にスコアアップにつながります」と香西成都プロ。この春は自分にぴったりのサンドウェッジを見つけよう。

【解説】香西成都プロ
元ナイキスタッフプレーヤー。ゴルフパートナーでのスタッフ経験もあり技術だけでなくクラブへの造詣も深い。

バンカーショットと砂質別にサンドウェッジを大分類
【Aタイプ】
「バンカーがとにかく苦手」な人におすすめのSW
香西プロ ソール幅が広いウェッジは砂にヘッドが潜りすぎないので、ボールの手前さえ打つことができれば、フェースを開かなくても簡単にバンカーから脱出できますよ。
①ミルドグラインド ハイ・トゥ ビッグフット
(テーラーメイド)


超ワイドソールで潜らない
全面スコアラインの「ハイ・トゥ・ウェッジ」のビッグ&ワイドソール版。ソール幅は32㍉。「開かなくてもしっかり上がる。全面フェースだからどこに当たってもスピンがかかってくれそう」
ミルドグラインド ハイ・トゥ ビッグフット
バウンス角:15度
ライ角:14度
長さ:34.75㌅
重量:475g
価格:2万2000円
②ドルフィンウェッジ セミグース
(キャスコ)


ヒールのヒレで
抜けやすさ向上
通常のドルフィンウェッジのリーディングエッジを3.5㍉後方にしてセミグースネックにしたサンドウェッジ。「ヒールを砂に当てるように打つと刺さらないし、潜らない。グースネックで球を包み込むようなイメージが出ます」
ドルフィンウェッジ セミグース
バウンス角:センター8度・ヒール4度・トウ1度
ライ角:63.5度
長さ:35㌅
重量:449㌘
価格:1万8000円~
③グライド3.0 WS
(ピン)


トウ側が幅広。トウダウンする人に
「バンカーが苦手な人はインパクトでトウダウンしているケースが多いんです。グライド3.0WSはトウ側のソール幅が広いサンドウェッジなので、トウが先に設置しても刺さらないし潜りません」
グライド3.0 WS
バウンス角:14度
ライ角:64.6度
長さ:35㌅
重量:465㌘
価格:2万2000円
④ボーケイSM8 Kグラインド
(タイトリスト)


全面バウンスで打ち方を問わない
ボーケイのソールデザインでいちばん幅が広い。「全面バウンスでどのように打っても刺さる感じがまったくしない。僕もバンカー専用にしようかな」
ボーケイSM8 Kグラインド
バウンス角:14度
ライ角:64度
長さ:35㌅
重量:477㌘
価格:2万4000円
⑤スマートソール4
(クリーブランド)


ダフることさえできれば、バンカーから出せる!
リーディングエッジを削ったソール形状とキャビティ構造でやさしいウェッジ。「まさにバンカーお助けクラブ。ダフりさえすれば誰でも出せます!」
スマートソール4
バウンス角:1度
ライ角:64度
長さ:35.25㌅
重量:474㌘
価格:1万3000円
【Bタイプ】
「カチカチのバンカーが苦手な人」におすすめのSW
香西プロ 雨上がりの固く締まった砂や、砂の薄いバンカーでは、無理にバウンスを使おうとするとヘッドが弾かれカツンとホームランになりやすい。バウンス角が”ひと桁”のウェッジのほうが、ラクに脱出できるんです。
①オノフ フォージド
(グローブライド)


ダブルソールが砂の抵抗を低減する
六角形状のレーザーミーリングフェースで天候や打点に左右されないスピン性能を確保。「独特なソール形状で、バンカーではソール真ん中の窪みのおかげで砂の抵抗が少なく感じます。またスクェアでもフェースを開いても、必要なバウンスが有効に使えます」
オノフ フォージド
バウンス角:9度
ライ角:63.5度
長さ:35.25㌅
重量:455㌘
価格:1万9000円~
②ボーケイSM8 Mグラインド
(タイトリスト)


ソールを大きく削り操作性が高い
トウからヒールにかけてバックフェース寄りのソールを大胆に削ったモデル。「削られている箇所が絶妙で、インパクト後の抜けがスムーズ。どちらかというと開いて使いたいモデルです」
ボーケイSM8 Mグラインド
バウンス角:8度
ライ角:64度
長さ:35㌅
重量:477㌘
価格:2万4000円
③グライド3.0 TS
(ピン)


ソール幅が狭く地面との接点が少ない
「TS」はグライド3.0のなかで、いちばんソール幅が狭いモデル。「狭いソール形状で抜けの良さはピカイチ。硬いバンカーや悪いライとの相性がよく、操作性が高いので上級者も好みそうです」
グライド3.0 TS
バウンス角:6度
ライ角:64.6度
長さ:35㌅
重量:451㌘
価格:2万2000円~
RTX4 フォージド
(クリーブランド)


溝が深く、間隔も広い。しっかりスピンが効く
日本専用モデルで「RTX」に比べ上下方向の慣性モーメントが向上。「構えると溝がはっきり見えるので、スピンがかかりそうな安心感がある。開いて使いたいモデル。鍛造だから打感もいい」
RTX フォージド
バウンス角:8度
ライ角:64度
長さ:35㌅
重量:472㌘
価格:1万9000円~
⑤DJ-4
(フォーティーン)


グースネックで球をしっかり拾う
キャビティ構造でオフセンターヒットにも強く、独自のスコアラインフェース製法でスピン性能がさらに向上。「さすがウェッジのフォーティーン。シビアなライにも対応できます」
DJ-4
バウンス角:7度
ライ角:64度
長さ:35㌅
重量:446㌘
価格:2万2000円~
【Cタイプ】
「フカフカな砂が苦手」な人におすすめのSW
香西プロ 砂が柔らかくフカフカなバンカーはリーディングエッジが刺さりやすく、ヘッドが砂にもぐりやすい。ハイバウンスのウェッジならバウンスの効果でヘッドが砂に深く潜りこむのを防いでくれますよ。例えば、サラサラの白砂バンカーがホームコースで、バンカーにいつも悩まされる、という人におすすめです。
①T20
(ミズノ)


(左)バウンス角12度(右)バウンス角16度
フェースのタテ溝でスピン性能アップ
縦方向の細かい溝のおかげで雨や露を排水し、どんなコンディションでも高いスピン量をキープ。「ハンドファーストに打てる人はバウンスの頂点がフェース寄りにある12度をお勧めします」

縦方向にも細かな溝が入っている
TP20
バウンス角:12度・16度
ライ角:63度
長さ:35.25㌅
重量:460㌘
価格:2万2000円
②CFX
(クリーブランド)


重さを感じる部分を砂に当てるだけ
ゴルファーの平均打点がセンターよりトウ寄りという結果から、最適な重心位置で設計。キャビティ構造でやさしさを実現した。「重心を感じやすく、そこに砂を当てる意識で振れば大丈夫です」
CFX
バウンス角:10度
ライ角:64度
長さ:35㌅
重量:459㌘
価格:1万5000円
③ミルドグラインド2
(テーラーメイド)


ソール後方が削られて突っかかりがない
タイガー・ウッズなどトッププロの要望からフェース面のみノンメッキ。それにより溝がより鋭利になりスピン性能がさらにアップ。「アゴが高く球を上げたいときなどはハンドダウンに構えますが、これはソールのヒール寄りが削られているので構えやすい」
ミルドグラインド2
バウンス角:11度
ライ角:64度
長さ:35㌅
重量:479㌘
価格:2万2000円
④ボーケイSM8 Dグラインド
(タイトリスト)


バウンスがあって刺さりにくい
Mグラインド同様、トウからヒールにかけて大きくソールが削られているが、Dのほうがバウンスは大きい。「DとMは同じようなソール形状ですが、Dのほうがバウンスがある分やさしいといえます。Dで自信がついたらMを使う、というのがいいと思います」
ボーケイSM8 Dグラインド
バウンス角:12度
ライ角:64度
長さ:35㌅
重量:477㌘
価格:2万4000円
【Dタイプ】
「どんなバンカーでも出せる」
球を操れる上級者向けSW
香西プロ フェースを開いてもバウンスの接地面が少ないので、バンカーだけでなく、アプローチでもいろんな球を打ち分けることができます。フェースコントロールできる上級者向けですね。
①ジョーズ ツアーグレーS
(キャロウェイ)


溝と溝の間の凸型がスピンの肝
鋭利な溝と溝の間の凸状のミルドでスピンが効く。「ソール幅が狭く抜けがいいです」
ジョーズ ツアー グレーS
バウンス角:10度
ライ角:64度
長さ:35㌅
重量:481㌘
価格:2万3000円
②グライド3.0 EYE2
(ピン)


斜めに使える独特フェース
EYE2の形状を踏襲したウェッジ。「構えに違和感がなければ、どんな場面でも使えます」
グライド3.0 EYE2
バウンス角:8度
ライ角:64.4度
長さ:35㌅
重量:451㌘
価格:2万2000円~
③グライド3.0 SS
(ピン)


開いても良し、閉じても良し
前作より溝が1本増えている。「構えたときに球筋をイメージしやすい顔つき」
グライド3.0 SS
バウンス角:10度
ライ角:64.4度
長さ:35㌅
重量:451㌘
価格:2万2000円~
④ボーケイSM8 Sグラインド
(タイトリスト)


万能なソール形状のボーケイ
浅重心で安定性がアップ。「上げるのはもちろん、足を使うこともできる」
ボーケイSM8 Sグラインド
バウンス角:10度
ライ角:64度
長さ:35㌅
重量:477㌘
価格:2万4000円

「この分類を参考に、運命のサンドウェッジを見つけてください」(香西プロ)
週刊GD2020年3月31日号より