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発想のヒントはテニスラケット「テーラーメイド・トラス シリーズ」【クラブ・オブ・ザ・イヤー2022/特別賞】

GDアワードの今年度の受賞クラブを紹介するシリーズ最終回は「テーラーメイド トラス シリーズ」。大ヒット作の製作の“裏側”を開発者に聞いた。

PHOTO/Shinji Osawa

日本の女子ツアーのグリーン上を席巻しているといっていいパターが、テーラーメイド「トラス」シリーズ。昨年8月に行われた東京五輪の女子ゴルフでは、稲見萌寧が同パターを使用し銀メダル。同月に行われたニトリレディスでは、優勝した稲見を含め上位6人がトラスを使用しており、話題に。アマチュアゴルファーの間でも人気爆発、品薄が続くほどだ。また、今年に入っても女子ツアーで堀琴音が念願の2勝目、高橋彩華が初優勝。“トラス勢”の快進撃が止まらない。

日本では永峰咲希が2020年にトラスで「日本女子プロ」を制したことから話題となり、稲見ら多数の選手が使用するように。稲見は2020-21シーズン8勝、五輪銀メダルという活躍を見せ「萌寧ちゃんのパターが欲しい」と一般ゴルファーがショップに殺到した

開発者は「スパイダー」シリーズの生みの親としても知られるビル・プライス氏。2008年に「スパイダー」が発売された折、ブレード型が主流だったパターヘッドに大型マレットを導入し、業界に“革命”を起こす。すると、それから12年後の2020年、プライス氏が“新革命”。今度は、ヘッドの形を変えるのではなく、シャフトとヘッドをつなぐネック部分の形状を三角形に変えたのだ。「スリムなヘッドでかつ安定性をアップさせるには…… と考えテストを繰り返し、ネック部分の三角形の形状にたどり着きました」とプライス氏。「トラス」とは橋脚や屋根などによく用いられる三角形の構造のこと。ネック部分が細ければ、重量が少なくてすむぶん、重心が低く作りやすく操作性が向上するというのが常識だったので、それを覆した形。プライス氏も「重量には苦心した」と打ち明ける。三角形のネック部分の軽量化と構えたときに違和感のない大きさを追求。結果、ブレードタイプの操作性、大型マレットのような安定性、ミスヒットへの強さを兼ね備えたトラスの誕生となった。

「テニスラケットも昔は1本の柄で面を支える形でしたが、今は三角形で支えていますよね」。三角で支える、のヒントはテニスラケットにもあったという。こういった斬新なアイデアは「チームとの会話のなかで生まれることが多い」とプライス氏。“チーム力”をテーラーメイドの強みに挙げる。

さらに「トラスがここまで注目を浴びて感謝していますし、となると期待値がますます高まるのは当然のこと。次なる進化に向け準備を進めています」。プライス氏からはスパイダーとトラスのいいところを「コンバイン(統合)する」との気になる発言も飛び出した。「日本のゴルファーはプロはもちろん、アマチュアも探求心がすばらしいと思います。トライ&エラーで終わらず、製品を理解しようとする姿勢……これは誠意というのでしょうか。とてもありがたく感じています。皆さんの情熱に応えていきたいです」。さあ、期待しよう。

構えた時は違和感なし

ヘッドとシャフトを三角形の面で支えている。これにより、芯を外したときのヘッドのブレが抑えられる。ミスヒットに強いと言われるゆえん。構えたときに、ネックがトップブレードと重なるようにデザインされており、違和感が少ない。ヘッド形状はブレードタイプのほか、小型マレット型も

週刊ゴルフダイジェスト2022年5月31日号より