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【プロスペック】クラブ選びは「ボール」ありき。“弾道”を重視する菊地絵理香の14本

プロの14本のクラブセッティングと、それらのクラブを選んだプロのこだわりを紹介する連載「プロスペック」。今回は、11年連続シード権を保持する菊地絵理香のセッティングに注目。

PHOTO/JGMA THANKS/ダイキンオーキッドレディス

菊地絵理香
きくちえりか。1988年7月生まれ。北海道出身。宮城県の東北高校を経て2008年プロ入り。2012年の初シード以来、11年間シード選手として活躍。昨年はアース・モンダミンで優勝、通算4勝

次々と新たな若手選手が台頭するツアーで、11年連続シード権を守る実力者・菊地絵里香。まずは、ドライバーとアイアンについてタイトリストのツアープロ担当・森さんに聞いた。

「ドライバーのTSi4は昨年の開幕前からなので、ちょうど1年経ちました。菊地プロが『もともと小ぶりのヘッドが好みです。ソフトな打感でありながら、初速が出ている感じがとてもいい。イメージに合った中弾道のボールで飛距離も出ているので決めました』と話したのを覚えています。気に入って、その後も調整なども加えていません。

アイアンは昨年末にT200からT300にスイッチしました。この理由について菊地プロは『長いシーズンを戦ううえで、安定した飛距離が出るT300を選びました。左右のバラつきも少なくショットが安定するので、ショット自体に過剰な神経を使わず、ターゲットに集中できるのが大きい』と言います。アイアンはライ角を最適に調整してあります」

46・51・57度のボーケイウェッジも、SM8からSM9へチェンジしている。

「ソールのグラインドやロフトはSM8の時と同じタイプを引き継ぎました。『SM9は弾道の高さとスピンの安定感がさらに向上したのがわかります。おかげで距離のコントロールがとってもしやすい』と菊地プロ。3本とも2月に替えて、開幕戦からの使用です」

ボールについては「プロV1xの高めの弾道が好きで、長年使っていますし、信頼しています。私のクラブ選びは、このボールがベースなんです」(菊地)。たしかにボールが変われば当然弾道やスピンの入り方は変わってくる。基準となるボールを決めて、そのうえでクラブを選ぶというのはトッププレーヤーらしい考え方だ。

「TSi4」は低く浅い重心位置でTSiシリーズのなかでもロースピンの強い弾道が特徴。プロV1xボールとの組み合わせで、菊地好みの中弾道で飛ばせるようにロフトは10度。シャフトは素直な振りやすさが評判のスピーダーNX
FWの「RS5」は一昨年9月の日本女子プロから。「前作『RS2018』を使っていて、同大会練習日に『RS5』をテスト、『キャリーが少し伸びて、打ちやすい』とスイッチ。5Wはライ角を少しフラットに調整してあります」(ツアー担当・中村さん、佐竹さん)
コンパクトなT200からミッドサイズのT300にスイッチ。「安定して飛距離が出て、左右のバラつきも少ない」のがその理由。長いシーズンを見据えてバッグに入れたニューアイアン

46度はバウンス10度のFグラインドソール、51度もFグラインド。57度はMグラインド。Fグラインドはスクエアに使うコントロールショットに適したソール。Mグラインドはフェースを開いたり、閉じたりして使うショットに合う

菊地絵理香の14本

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月29日号より