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タイトリストのニューボール「AVX」ってどんな人に合うの? HS43m/s、スピン量4000回転超のアベレージゴルファーが打ってみたら…

先日発表されたタイトリストのニューボール「AVX」を入手。さっそくコースで試してみた。

この「AVX」というボールは、「プロV1」「プロV1x」と並び、タイトリストの「プレミアムパフォーマンス」というカテゴリーに位置づけられる高性能ボール。どのような違いがあるかを簡単にまとめると、以下のようになる。

AVXプロV1プロV1x
弾道高さ中低弾道中弾道中高弾道
打感非常にソフトソフトしっかりめ
ロングゲームのスピン量少なめ中間やや多め
ショートゲームのスピン量多め多め多め

この表を見ると、「V1x」のほうが「V1」よりスピンが多いってホント? と思うかもしれないが、他メーカーの「X」系ボールとは異なり、近年のタイトリストの「V1x」はロングゲームのスピン量が「V1」と比べると若干多めになっている。そして打感がよりしっかりしているのも特徴だ。プロのようにしっかりとした打感を好み、元々のスピン量が少なめの人が、スピン量をコントロールしながら高い弾道で攻めていくのに適したボールといえる。

とはいえ、「V1x」のスピン量が極めて多いかというとそうではなく、あくまで「V1」と比べての話。ロングゲームにおける「V1」の低スピン性能が進化した関係で、相対的に「V1x」のスピン量が多めに感じられるというわけだ。

そして肝心の「AVX」はというと、ロングゲームのスピン量が「V1」よりもさらに少なめ。とくにアイアンショットにおいて、低スピン性能の恩恵を感じる。ではショートゲームはどうかというと、不思議なことに十分すぎるほどのスピン性能を持つ。感覚としては、100ヤード以内のショットにおいては、「V1」や「V1x」と遜色ない止まり具合。いわゆる「飛び系」のボールのように、アプローチでポコーンと上に飛ぶ感じはまったくなく、低めに出てスピンでブレーキがかかる、スピン系ボール同様のコントロール性能を持つ。

また「V1」といえば打感の柔らかさが特徴だが、「AVX」はさらに柔らかい。とくに冬の時季など、なんとなくボールが硬く感じられるようなときには、この柔らかい感覚はありがたい。ただ、男子プロなどしっかりした打感を好むプレーヤーには、ちょっと柔らかすぎると感じられるようで、プロの使用者は少ない。逆に柔らかい打感が好きな人には願ってもないボールだろう。

“吹け球”に悩む人にはドンピシャ

実際にコースで打ってみると、ロングゲームの低スピン性能を実感できる。筆者はドライバーでのスピン量が4000回転を超える、ザ・吹け球ヒッター。年齢を重ねるにつれ、スピン量は少しずつ減ってきたものの、体が回ってくると頻発する「めくれる弾道」は健在。聞こえはいいが、ヘッドスピード43m/s程度の「めくれる」球は、男子プロのそれとは違ってただ風に弱いだけ。出球はいかにも飛んでいそうなのに、行ってみると「あれ?」ということがしばしば。

あまりいないタイプではあるが、結論からいうと「AVX」はこういうゴルファーにドンピシャ。

まず、ドライバーでは明らかに弾道が低くなり、スピンも少なそうないい球が出る。結果、飛距離も普段より確実に伸びているし、苦手なアゲンストでも距離の落ちが少ない。

とくに恩恵を感じるのが、アイアン。スピン量の多い私にとって、アゲンストのホールでは2番手~3番手上げることも珍しくないが、いつもの調子で長い番手を持つと大オーバーしてしまうほど。7番アイアンで、無風時でも5ヤードほど、アゲンストでは10ヤードは飛んでいる感じがある。「V1」に比べると、「AVX」はアイアンで球が止まりにくいという声も聞くが、もともと高スピンで弾道が高い私のようなタイプには杞憂。むしろちょうどいい高さの弾道で適度に止まってくれるから、距離感さえつかめてくればかなりの武器になりそうだ。

ちなみにトラックマンで7番アイアンの弾道データを取ってみると、「V1x」が8000回転台、「V1」が7000回転台、「AVX」が6000回転台という結果に。このスピン量の差が、そのままアイアンの飛距離差になっている。

  *  *  *

これらはあくまで、稀有なタイプの1ゴルファーの感想。ヘッドスピードのわりにスピン量が多く、弾道が高めで飛距離をロス、風に弱く、とくにアイアンが飛ばない。スピンは減らしたいが、アプローチでのスピンは欲しい……こういうタイプのゴルファーは、一度「AVX」を試してみてもらいたい。

「AVX」はこんなゴルファーにオススメ!
●ドライバー、アイアンのスピン量が多い
●弾道が高く、もう少し低い球を打ちたい
風の影響を受けやすい
アイアンで番手なりの飛距離が出ない
柔らかい打感のボールが好き
●飛び系ボールを使っているが、グリーンで止まらないのがツラい

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