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【ゴルフ初物語】Vol.67「四角いヘッドのドライバー」元祖はナイキでもキャロウェイでもなかった

2006年秋にナイキとキャロウェイの四角いドライバーがツアーに登場。翌年から市販されると、他のメーカーも追随し一大ブームとなったが、実はその10年以上前に日本で四角いウッドが作られていた。

四角いメタルの元祖はマルマン

2006年10月の国内女子ツアー、マスターズGCレディースで実戦投入されたキャロウェイ「FT-i」。同じ週にPGAツアー、フナイクラシックでチェ・キョンジュがナイキ「サスクワッチSUMOスクエア」を使用。四角いドライバーの登場は、その斬新な形で世間をあっと驚かせた。そして、翌年2月に相次いで市販されると、「真っすぐ飛ぶ」と大人気に。「サスクワッチSUMOスクエア」の奏でる独特の甲高い打球音が、当時どこの練習場でも響き渡っていた。

この四角い形は慣性モーメントを最大にするために用いられたヘッド形状で、ミッシェル・ウィ、スチュワート・シンクらも使用した「サスクワッチSUMOスクエア」の慣性モーメントは5300g・㎠ 。普通の形をした初代サスクワッチが4650g・㎠ だったのに対して1割以上もアップしていた。翌年にはミズノ「JPX A25」、テーラーメイド「XR」、そして、あのゼクシオでさえ「REVO」を発売し、異形ヘッドブームとなったが、どれもほどなく姿を消していき、ブームはあっけなく終焉した。

実は、このブームの10年以上前の1994年に、すでに四角いウッドが日本で発売されていた。それがマルマン「ビッグウィンSQ」。「四角い顔がゴルフを変える」という謳い文句で、3月に3、4、5番のステンレス製メタルウッドが発表されると、低重心でボールが上がりやすく、ビックリするほど高弾道になると話題に。そして夏にはチタンドライバーも登場。四角くしたことで慣性モーメントが大きくなり、スイートスポットが拡大。直線的なヘッドは飛球線に対してスクエアに構えやすいという利点もあった。だが、四角いヘッドがクラブの主流になることはなかった。

2006年のマスターズGCレディースで日本ツアーに初参戦した当時18歳のモーガン・プレッセル。四角いドライバー「FT-i」も初登場だった

週刊ゴルフダイジェスト2021年12月21日号より