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ゼクシオの新作ドライバー「12」「X」ライバルモデルと比べてどうか? ガチンコ試打

2年ぶりにモデルチェンジした12代目ゼクシオが、いよいよ12月11日に発売される。20年間にわたりクラブ界の頂点に立ってきたゼクシオ。その最新モデルの実力はいかに? ライバルモデルと打ち比べてみた!

PHOTO/Tomoya Nomura、Akira Kato THANKS/ETGS千葉校、ガーミンジャパン

クラブ計測&解説/松尾好員
小誌「ヘッドデータは嘘つかない」でお馴染みのクラブ設計家。数多くのクラブを計測・分析中。ジャイロスポーツ主宰

試打&解説/香西成都プロ
y元ナイキスタッフプレーヤー。ゴルフパートナーでのスタッフ経験もあり、技術だけでなくギアへの造詣が深い。ETGS千葉校にてレッスンを行う

【計測方法】
HS41m/sで香西プロが試打。ボールはタイトリスト「プロV1」を使用し、弾道計測器「ガーミン アプローチ10」で計測。5球打った平均値をとった

ゼクシオ 12

重心深度が「11」より浅く、ヘッドも重い

「ヘッド重量が前モデル『ゼクシオ11』よりも重くなっていて、ボール初速を上げようという意図が読み取れます。重心深度も前モデルより浅くなり、スピンを抑えて球を強くしたいのでしょう。その分、フェースプログレッションを小さくして、つかまりをよくしています」とクラブ設計家の松尾氏。

「ただ単に大慣性モーメントだけを狙っているわけではないことがわかりますが、ヘッド左右慣性モーメントは大きくなり、ミスヒットにもさらに強くなっています。『さすがゼクシオ』と言いたいのはフェース面のスイートスポットの位置。フェース中央のややヒール寄りで、より多くの人が芯を食いやすく、球をつかまえやすい設計です」と「ゼクシオ12」のヘッドを分析する。


クラウンに空力をコントロールする突起「アクティブウイング」を搭載。ヘッド挙動が安定し、打点のバラつきが軽減。スイートスポットはややヒール寄り

クラブ重量と長さ、ヘッドデータをもとに、ライバルと位置づけた3本と打ち比べた香西プロは「ヘッドの座りがすごくよく、アドレスで地面にピタッとつくので、構えたときに安心感があります。軽くて振りやすく、45.75インチとやや長いのに、長さを感じさせずに振り切れる。つかまりもよく、右に行きそうな気配がない。弾き感も抜群で初速も出ていて、球の強さは『EPIC MAX』にも負けていない。ゼクシオらしい爽快な弾き音も健在。音だけでなく実際に飛んでいます。強いて言うのなら、純正シャフトは軟らかめなのでワンスペック上のものを選んだほうがいいでしょう」

ターゲットは「以前に比べてヘッドスピードが落ち、飛距離が出なくなってきた人。頑張って重たいドライバーを振っている人が『ゼクシオ12』を使えばヘッドスピードが上がって自然にドロー系の高弾道の球が打てるでしょう。かつての飛距離が戻ってくると思います。クラブとして完成されていて、これ以上、改良できるところはないのでは、と思わせるほどクオリティの高さを感じました」(香西)

ヘッドデータで選んだライバル1Wはこの3本

プロギア
LS

シャフトが走って球がつかまる。軽くて振りやすい
「ライ角60度とアップライトで球がつかまるイメージ。高重心で適度なスピンが入るので、球が上がり弾道も安定する」(香西・以下同)

ヤマハ
インプレス UD+2

しなりを感じてゆっくり振ればいい球が出る
「ややディープフェースで、より球をつかまえるためにグースネックで強いフックフェース。ストレート系の中断道」

キャロウェイ
EPIC MAX

すごく弾いて初速も出る。ボールが強い
「オーソドックスな丸型で投影面積が大きなヘッド。重心はややヒール寄りでボールのつかまりがいい」

【クラブデータ比較】※実測値

【試打結果】

ゼクシオ X(エックス)

アスリートにも試してほしい

新しくなった「ゼクシオX」はどうか。松尾氏によると「ヘッド形状的には『12』がやや縦長、『X』がやや丸型で、『12』同様、ヘッド重量が重く、重心深度が浅くなりました。何よりも弾道調整機能が付いたことがポイントでしょう。フェース角、ライ角、ロフト角を微調整でき、カスタムシャフトも使える。これは大きな変化です」

また香西プロは「言われなければ『ゼクシオ』だとは思いません。『12』と比べて、かなりしっかりした振り心地で、とにかく振りやすい。素振りの段階から気持ちく振り切れました」と高評価。

ゼクシオ初となる調整機能の付いたシャフト脱着システムを採用。「12」同様、クラウンに空力をコントロールする突起「アクティブウイング」搭載

「プロも使用している4本と打ち比べてみましたが、シャフトまで含めると、最大のライバルは『EPIC SPEED』になるでしょう。どちらも振りやすいのですが、球を自分でコントロールしたい人は操作性の高い『EPIC SPEED』。何もせずに真っすぐ打ちたい人は『ゼクシオX』が合うと思います。カスタムシャフトにすれば、より多くの人に合うと思います。『ゼクシオ』だと思わずに打ってみてほしいですね。個人的にも使いたくなりました」(香西)

ヘッドデータで選んだライバル1Wはこの4本

ダンロップ
スリクソンZX5

叩きに行っても左が怖くない。ほどよいやさしさ
「重心距離が非常に長く、ネック軸周りMOIも非常に大きい。弾道は高めで適度なスピンの入ったフェード系」

ブリヂストン
B2

アスリート好みのやや小ぶりなヘッド。打感が軟らかい
「重心アングルを重視してヒール部に約18gの集中加重。しっかりつかまえて、高弾道でやさしく飛ばせる」

キャロウェイ
EPIC SPEED

フェースの弾きがよく低スピンの強い球で前に飛ぶ
「重心を浅くし、ネック軸周りMOIを抑えて操作性をアップ。適度なスピンの入った中弾道が打てる」

テーラーメイド
SIM2 MAX

どこに当たっても曲がりにくくミスに強い
「1.5度のオープンフェースでつかまりすぎない。高重心なので適度なスピンが入りボールコントロールしやすい」

【クラブデータ比較】※実測値

【試打結果】

週刊ゴルフダイジェスト2021年12月14日号より