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【ヘッドデータは嘘つかない】強いフェードが打ちやすい! プロギア「エッグ スプーン ブラック」

多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏が最新クラブを徹底的に計測・分析する「ヘッドデータは嘘つかない」。今回はプロギアの『エッグ スプーン ブラックフェアウェイウッドを取り上げる。

人気の初代から13年
2代目はもっと飛ぶ!?

契約プロであった谷原秀人や契約外の片山晋呉らがツアーで使用し、話題になった初代『エッグ スプーン』。その名を冠した2代目が、今回紹介する『エッグ スプーン ブラック』だ。ヘッドにはドライバーと同じ6-4チタンを採用し、プロギアが得意とする「ギリギリフェース」とソールの68.5gのタングステンウェートにより低重心、低スピンで飛ばせるクラブだ。

では、クラブとヘッドを計測していこう。いつもどおり数値は実測値で、今回はロフト角15度を測定した。クラブ長さは43.0インチと標準的で、クラブ重量も323.1gと標準的だが、スウィングウェートがD2.6とやや大きいので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体慣性モーメントが286万g・㎠とやや大きくなり、この数値だとドライバーのヘッドスピード44~45㎧くらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計となっている。

Point1 ヘッド体積は162ccと初代と同じでやや小さい
Point2 クラブ全体慣性モーメントが286万g・㎠とやや大きい
Point3 ライ角は57.0度とフラット

カチャカチャがなくシンプルな構造

ではヘッドを見ていこう。13年前に発売した初代『エッグスプーン』と同様の丸型の輪郭で、クラウン部が凹んだ形状が特徴だ。アドレスではフラットなライ角度とオープンフェースで、球をつかまえすぎないイメージが出ており、スクエアを感じられる。また、弾道調整機能、いわゆるカチャカチャ構造はなく、ウェートビスもないシンプルな構造だ。

実際に試打したところ、まずアドレスではヘッドの輪郭が大きく見える形状で、いかにも打ちやすそうな安心感がある。また、フェースがまったくかぶっていないので、ターゲットに対して構えやすい。試打クラブはロフト角15度でシャフトはディアマナFORプロギア(フレックスS)。シャフトは全体に太いが、軟らかめでスウィングしやすい。そして、13年前の初代と似た外観だが、よりスクエアに構えやすく、上面のカーブの形状など微修正されている。スプーンにしては重心距離が長く、フェースの中央よりも少しトウ寄りにスイートスポットが配置され、フェース中央で球をヒットしてもスライススピンが入りやすく、結果、安定したフェード系弾道が打ちやすい構造だ。また、初代よりもシャローフェースなのでスイートスポット高さも低めになり、厚くインパクトすれば、フェード系で低スピンの強い球を打つことができる。

初代の軽いインパクト音は改善され、むしろ低めのインパクト音で落ち着いた感じが出ている。チタン製のFWなので、ヘッド左右の慣性モーメントが小さくやさしいヘッドではないが、プロや上級者が左への球のつかまりすぎを抑えながら、フェード系弾道で攻められるFWだろう。これが『ブラック』なので、球をつかまえやすい『レッド』が出るかどうか、注視したい。

オープンフェースと57.0度というフラットなライ角で、球をつかまえすぎないイメージを持ってアドレスができ、ターゲットに対してスクエアに構えやすい

【クラブ&ヘッドデータ実測値】

プロギア

エッグ スプーン ブラック

松尾好員

まつおよしかず。往年の名手、S・バレステロス、I・ウーズナム、青木功、加瀬秀樹らのクラブ設計を担当。近年のクラブを知る“現代の知匠”。ジャイロスポーツ主宰

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月23日号より