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【ヘッドデータは嘘つかない】高弾道のドローで飛ばせる! ブリヂストン「B2」ドライバー

多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏が最新クラブを徹底的に計測・分析する「ヘッドデータは嘘つかない」。今回はブリヂストンゴルフの『B2』ドライバーを取り上げる。

新シリーズのつかまり系ヘッド

19年発売の『ツアーB JGRドライバー』より搭載された“サスペンションコア”を構造、素材、フェースの部分を進化させ、高初速エリアを拡大させたのが、今夏登場した『Bシリーズ』。3モデルがラインナップされているなかで今回紹介する『B2』は、重心アングルと左右方向の慣性モーメントを大きくし、オートマチックなつかまりとブレないヘッドで真っすぐ遠くへ飛ばす「ドローバイアスデザイン」と、トウ側を硬くしつかまりを追求した「パワーリブ」を搭載。スライスに悩むエンジョイゴルファーや、つかまえて飛ばしたいアベレージゴルファー向けの製品だ。

さて、クラブを計測していこう。数値はいつもどおりすべて実測値になる。クラブ重量は296.9gと標準的だが、クラブ長さが45.25インチとやや長いのでクラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが287万g・㎠とやや大きくなり、この数値だとドライバーのヘッドスピードが43㎧くらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計になっている。

Point1 クラブ長が45.25インチとやや長い
Point2 クラブ全体慣性モーメントが287万g・cm2とやや大きい
Point3 フェース角が0.0度と綺麗なスクエアフェース

ヒール寄り重心でドローが打ちやすい

では、ヘッドを見ていこう。兄弟モデル『B1』に比べて一回り大きい丸型だが、時計の文字盤でいう4~5時方向の張り出しが大きく、いわゆる日本のつかまり系モデルらしい形状をしている。アドレスするとフェース角は0.0度と綺麗なスクエアフェースだが、61.5度という超アップライトなライ角と小さなフェースプログレッション、さらにバルジの少ない平らなフェース面で球をつかまえるイメージが出ている。

試打クラブは9.5度でメーカー純正の『ディアマナ BS50 (フレックスS)』仕様。プロモデルにしてはシャフトが軟らかめの設計。素直なしなり感でヘッドスピードが40㎧くらいのゴルファーでも十分に扱えそうだ。そして、ヘッドのライ角度は超アップライトだが、ヘッドのトウ側の高さを低くすることで、アドレスでアップライトに見えすぎないように工夫されている。また、フェース高さが50.5㎜とシャローフェースで球は上がりやすく、打っていてやさしさを感じられる。重心距離が37.2㎜と短く、ヒール寄りの重心位置設計なので、フェースの真ん中で打っても球にドロー回転がかかりやすくなっていて、総じて高めのドロー系弾道が打ちやすいヘッドといえるだろう。

また、ヘッドは高重心なので適度なスピンが入りやすく、ドローを打っても球がドロップしない。そのため飛距離を伸ばしやすい印象を受ける。標準仕様(スリーブN位置)よりもさらに球をつかまえたいゴルファーは、フックフェースにして使うことをオススメする。

つかまりをよくするため、超アップライト設計。しかし、アドレスでアップライトに見えすぎないようにヘッドのトウ側を低くし、構えやすくしている

【クラブ&ヘッドデータ実測値】

ブリヂストンゴルフ

B2 ドライバー

松尾好員

まつおよしかず。往年の名手、S・バレステロス、I・ウーズナム、青木功、加瀬秀樹らのクラブ設計を担当。近年のクラブを知る“現代の知匠”。ジャイロスポーツ主宰

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月2日号より