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国内女子は「トラス」が席巻! トーナメント優勝パター13選

プロ仕様のアスリートモデルは扱うのが難しいが、パターだけは、プロと同じものでも使いこなすことができる。そこで今回は、20-21シーズンに日米男女ツアーで勝利したパターを、勝利数とともにご紹介!

PHOTO/Tomoya Nomura

テーラーメイド『トラス』シリーズ●12勝

写真は「TPコレクション ハイドロブラスト ジュノ TB1 ツアートラスヒール」。小さくなったとはいえ、フェース方向から見るネックは特徴的。この面で支える構造により、左右ブレが抑えられ、狙ったラインに乗せやすいパターになっている

試打・解説/後藤悠斗プロ

パッティングでスコアをまとめるゴルフが得意で、パターに一家言あり。広尾ゴルフインパクトでレッスン中

見た目はクラシックなのに寛容性が高い

わずか1mの距離でも打ち出し方向が2度ズレるだけで入らないといわれるパッティング。そのズレを極力抑えるために各メーカーは慣性モーメントの大きいパターの開発を進めているが、ほとんどのメーカーはヘッド後方を大きくする『マレット型』を採用してきた。しかし、昨年、発売されたテーラーメイド『トラス』シリーズは、橋げたなどで用いられる三角形の「トラス構造」を参考にした斬新なネック形状により、慣性モーメントを高めている。

一見異形にも見えるデザインだが、優勝した女子プロがこぞって使用しているブレード型の『TB』は、構えた見た目は通常のブレードタイプそのもの。にもかかわらずミスに強いということで人気になっている。試打した後藤悠斗プロは「構えた感じはクランクネックのブレード型とほとんど変わりませんが、ヒール部分に若干、三角形の厚さを感じます。それのおかげで真っすぐ引いて真っすぐ出せるというイメージが出ています。オートマチックに打ちたいならセンターシャフトっぽい『TB2』、感覚重視の人は『TB1』を選ぶといいでしょう」

新しい「トラス」は三角形が小さくなった

オデッセイ『オー・ワークス』シリーズ●12勝

オデッセイといえば「ホワイト・ホット」い代表されるインサートだが、2017年に発表された「マイクロヒンジ」インサートを搭載しているのが「オー・ワークス」。出球から順回転が生まれるとプロの間でも人気になっている。


インサートの先駆者が辿り着いたひとつの結論
フェース面に爪状のヒンジを浮き出させた「マイクロヒンジインサート」がキーテクノロジー。インパクト直後にボールに順回転を与え、インパクト後のボールの跳ねや滑りを解消。

「出球の転がりがすごく良い」

「打ち出し直後すぐに順回転になる。構えると黒白黒の三本ラインに赤のアライメント線が入っているので横と縦でターゲットに合わせやすい」

オデッセイ『ストロークラボ』シリーズ●11勝

カーボンとスチールの複合シャフトを装着した『ストロークラボ』が2019年に発表されると、「ゲームチェンジャー(市場を急激に変えてしまう製品)」と評した米国メディアがあった。日米ツアーを問わず、このシリーズを使用したプロが11回も勝利を挙げている。

今平周吾、稲森佑貴、古江彩佳らが使用
大慣性モーメントを実現した「TEN」ヘッドは、ミスヒットに寛容。独自のインサートによりややしっかりした打球感で距離感が合う

複合シャフトでクラブ全体MOIが最大化

カーボンとスチールの複合シャフトにより軽量化。余剰重量をヘッドとグリップに配分しパター全体の慣性モーメントが向上。ストロークのテンポが安定し距離感が合わせやすい

テーラーメイド『スパイダー』シリーズ●13勝

ネオマレットの完成形!?
「スパイダー」誕生10周年モデルの「X」は、ミッドサイズながら大慣性モーメントを実現。スポーツドクターと共同開発した新アライメントで構えやすくなった。「小ぶりだけどミスに強い」(後藤・以下同)

オデッセイ『ホワイトホットOG』シリーズ8勝

初代ホワイトホットインサートが復刻
ステンレスをミーリング加工で削り出したヘッドに、初代『ホワイトホット』と同一素材、同一製法のインサートを搭載。写真の『#7』は西村優菜がサロンパスカップ、東海クラシック優勝時に使用。

スコッティキャメロン『ファントムX』シリーズ●7

キャメロンの大慣性モーメントパター
アルミとスチールを精密に削り出し、組み合わせた大慣性モーメントパター。コンパクトで座りの良さが特徴。ソリッドなステンレスフェースはツアープレーヤーに人気。

オデッセイ『トゥーロン』シリーズ7勝

「ひし形」&「一」の深い溝
303ステンレスに、航空機に使用されるアルミニウムを採用したソールプレートの複合パター。フェース面に深く刻まれた溝が、インパクト時に心地よい打球音と打感を実現した。

スコッティキャメロン『ニューポート2』6勝

ブランドの代名詞的形状
市販品とは異なるが、マスターズで優勝した松山英樹が手にしていたのは長年愛用している「ニューポート2」。また21年シーズン年間王者のP・カントレーがZOZOチャンピオンシップを制した際もこの形状だった

「これぞオーソドックス
変わらないのがいい」

「いろいろなパターを試してみて、結局この形状に戻るプロは多い。形状、打感がこのパターの最大の魅力。変化がないのがちょうどいい」

ピンゴルフ『シグマ2』シリーズ●5勝

二重構造のインサートが生む打感と打音で距離感が合う
2つのインサートで、ショートパットはソフトな打感で繊細なタッチが出て、ロングパットはハードな素材からくる打感で距離感を生む。「打感がしっかりしてロングパットは安定する」(後藤)

オデッセイ『ホワイトライズix』シリーズ4勝

独特なアライメントで真っすぐ打てる
ターゲットに対して正確にセットアップしやすい幅の広い「ハイデフ ライナーアライメント」が特徴の『ホワイトライズix』。使用優勝プロは国内賞金ランクトップの星野陸也と上田桃子。

スコッティキャメロン『ニューポート』●4勝

D・カンとK・セヨンがともに2勝
『ニューポート2』に比べ丸みを帯びている形状。米LPGAの20年ドライブオン選手権とマラソンクラシックを2週連続優勝したD・カンや20年全米女子プロを制したキム・セヨンが使用。

ピレッティ『エリート ポテンザ』3勝

笹生優花が日米で3勝を挙げた
20年にデビューすると2戦目のNEC軽井沢と翌週のニトリレディスを連勝、21年に全米女子オープンを制した笹生優花の使用モデル。高1からピレッティのパターを使用している。

ピンゴルフ『スコッツデール ホーハム』3勝

H・イングリッシュが3勝
20年にダブルス試合であるQBEシュートアウト、21年にセントリートーナメント、トラベラーズ選手権を制したH・イングリッシュが使う。

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国産のクラフトパター

いまやゴルファーならだれもが知っているスコッティキャメロン。その始まりは自宅ガレージで作った1本のパター。ここ最近、大量生産はできなくても、強い思いでパター業界に参入し、ツアーで優勝を飾ったパターがある。第2、第3のスコッティキャメロンはこのメーカーかもしれない!?

ワールドクラフトデザイン『ツアーオンリープロトタイプ』●2勝

ミクロン単位の精密さで仕上げる
小祝さくらがこのパターを使い始めた今年のNEC軽井沢では初日から首位を譲らず完全優勝。翌週のCAT Ladiesでも勝ち、2連勝。小祝の使用する「WY700」のセンターシャフトは市販されていないが、ブレード型からマレット型、ツノ型まで7タイプをラインナップ。

小祝仕様には好みの絵柄をミーリング

小祝が使用するプロトモデルは星や羽、ハートなど小祝さくらが好む絵柄が散りばめられた完全オーダー品

グリッドデザイン『プロト』●1勝

インゴットから精密に削り出される
「軟らかい打感と打音が好きで、インパクトで押せる感じがいい」と20年アースモンダミンを制した渡邉彩香。埼玉で機械設計、樹脂金属加工といったモノ作りを続ける飯能精密が手掛けるグリッドデザイン。本業で培われた技術でイチから作製したパターが復活優勝に貢献した。

週刊ゴルフダイジェスト2021年10月12日号より

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