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【ヘッドデータは嘘つかない】やや小ぶりヘッドでつかまえて飛ばす。プロギア「LS」ドライバー

多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏が最新クラブを徹底的に計測・分析する「ヘッドデータは嘘つかない」。今回はプロギアの『LS』ドライバーを取り上げる。

HS40m/sのゴルファーにとっての
理想の打ち出し角&スピン量を実現

ルール上限ギリギリの反発係数を追い求めるプロギアが、ヘッドスピード40㎧のゴルファーに向けて開発したのが今回紹介する『LS』ドライバーだ。この『LS』は“Launch(打ち出し)”と“Spin(回転)”の頭文字で、この2つを重視した設計になっている。

プロギアによると、HS40㎧のゴルファーが飛ばすためには、打ち出し角18度、スピン量2000回転が必要だという。その実現に向け、低・深重心を可能にした“D・B(DEEP BACK)・ソール”を開発したという。

さて、クラブ計測値を見ていこう。数値はすべて実測値だ。クラブ長さが45.5インチとやや長いが、クラブ重量が282.2gと軽いので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが284万g・㎠に抑えられ、ドライバーのヘッドスピードが41㎧くらいのゴルファーが、タイミング良く振れる設計になっている。ちなみに試打クラブのロフト角は10.5度、シャフトは純正のフレックスSR仕様だったが、軟らかめ設計のため、このスペックならヘッドスピードが37~38㎧くらいのゴルファーでも十分に扱えそうだ。

Point1 ヘッド体積が449ccと小ぶり感がある
Point2 クラブ重量が282.2gと軽い
Point3 左右方向のヘッド慣性モーメントが4436g・㎤とやや小さい

やや小ぶりなヘッドで
球をつかまえるイメージが湧く

次にヘッドだが、全体に丸型形状ながらも文字盤でいうところの2時方向がやや張り出している。またヘッドの横幅は広くないので、やや小ぶり感がある。アップライトなライ角、小さなフェースプログレッションとフックフェース、さらにヘッド上面の「LS」マークが斜体のため、全体として左に球をつかまえたいイメージが出ている。最近では珍しくヘッドにカチャカチャやウェートビスがなく、シンプルな構造も特徴のひとつだ。

さて、実際に試打してみたが、やはりアドレスでの強めのフックフェースと小さなフェースプログレッションで球をつかまえるイメージが鮮明に浮かび上がる。また投影面積が小さめなので、最近の『egg』シリーズや『RS5』シリーズのように、大きなヘッド慣性モーメントを狙った設計ではないことがわかる。リアルロフト角は前モデルの『RS RED』よりも厳しくなっているが、ヘッドが高重心設計なのでヘッドスピードがそれほど速くないゴルファーでも適度なスピンが入り、球が上がりやすく、弾道も安定しやすいように感じる。

実際にヘッドスピードが速くなく、普段のキャリーが180ヤードほどのシニアゴルファーに打ってもらったが、飛距離が伸ばせそうなストレート系の綺麗な弾道で飛んでいき、またインパクト音も高く爽快感があって気持ちいい球筋だった。

強めのフックフェースで、さらにFP値が小さく、ライ角が60度とアップライトなので、つかまるイメージが強い

【クラブ&ヘッドデータ実測値】

プロギア

LS ドライバー

松尾好員

まつおよしかず。往年の名手、S・バレステロス、I・ウーズナム、青木功、加瀬秀樹らのクラブ設計を担当。近年のクラブを知る“現代の知匠”。ジャイロスポーツ主宰

週刊ゴルフダイジェスト2021年7月6日号より