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男子プロ10人に聞いた「11本で戦うなら、どの番手を抜きますか?」意外な回答も

PHOTO/Hiroyuki Okazawa、KJR

先日のミズノオープンで、J・パグンサンが11本のクラブで優勝を飾り話題に。遊びのラウンドならまだしも、トッププロの集うトーナメントを11本のクラブで戦い、2位に3打差をつけて優勝してしまうとは……。そこでライバルのプロたちに質問。クラブを3本抜くなら、どれを抜きますか?

パグンサンがクラブを減らした理由は、ずばり軽量化。バッグを担いでのセルフプレーで戦うことを選んだ時点で「重量」が足かせになることを避けたかったからだ。1W・3W・3UT・51・71・91・PW・50度・52度・58度・PTの11本

10人の男子プロに聞いて、「試合ではやっぱり抜けない」との答えが3名。まずはその意見から。

手嶋多一「その発想がない」

「考えてみたけど、僕は抜けない。その発想がない。彼みたいに担ぎのセルフで試合をプレーするなんてできないでしょう。でも、頭を使うことになるから集中力が上がってゴルフにいいかもしれません」

宮本勝昌「うーん、想像もつかない」

「(番手)間のクラブを抜くのかな。5W、5番、7番アイアンですかね。うーん、やっぱり抜けるクラブは想像もつかないです」

石川遼「1人も欠けちゃいけない」

「パグンサン選手のようにアイアンの番手間を抜くのは賢明だな、とは思いました。(ミズノオープン会場のJFE瀬戸内海GCの)あの風のなかでは、大きめのクラブで軽く打って距離が合えば最高というコンディションで、番手なりに普通に打つケースはありませんでしたから。ただ、僕は無理ですね。『1人も欠けちゃいけない、14人、みんなで頑張ろう』と思っているので。でも、ハーフセットのトーナメントやったら面白そうですね」

続いて、3本抜くクラブを答えてくれた7人。アイアンの番手飛ばしの意見が多いなか、3Wは「重視派」と「抜く派」に分かれた。

額賀辰徳「ユーティリティは残したい」

「まず3Wを抜きます。使う場面が限られるので。UTの3番を入れていますが、ティーショットで250ヤード。プレースメント重視のホールは、これでカバーできるので、これは残したい。残り2本は6番と8番アイアン。短く握れば対応できるので。最終的にはコースですね。(ツアー選手権の)宍戸ヒルズだったら、長いパー4が続くのでスプーンは残したい。となると、56度と60度を抜いて、58度を入れるかな」

大槻智春「3Wを抜いて直ドラで対応」

「11本にするならパグンサンと似た考えになりますね。アイアンの間を抜きます。偶数を抜くか、奇数を抜くかは一考しますが。もう1本は3Wですね。直ドラで対応します。考えてみれば、抜けば抜くほど技術が試されそう。11本どころか10本選手権やったら盛り上がるかも……」

堀川未来夢「守備範囲の広い番手を優先」

「抜くなら6番、8番、PW。アイアンは前後の番手でカバーできるので。僕は5番からなので5番を残して間の3本。上の番手の1W・3W・5W・7Wでは、5Wが抜けます。4本いけそうです。スコアも変わらないかもしれません。例えば、『5本で回る』となったら、ドライバーを抜くと思います。1本の守備範囲を考えたら、ドライバーはティーショットだけで守備範囲が狭い。3Wはティーアップすれば270ヤード飛ぶし、地面からも使えます。そう考えたら、スプーンは大事。下の番手は58度が大事です。58度で100ヤード以内を網羅できますから。飛ばす打ち方、飛ばさない打ち方、ドローとフェード、ひとつのクラブで操作する技術はとても大事なので、学生時代はハーフセットや『今日は何本』と本数を決めて回ったりしましたよ。抜いたクラブを他のクラブで補うことは、いい練習になります」

塚田陽亮「4I、8I、50度」

「4番アイアンは抜きますね。あとは8番、50度ですね。でも、コースによります。あのコース(ミズノオープン)は風が強くて、たとえば160ヤードでも6番、7番、8番、9番、PWは普通に考えます。『通常ショットで何番の距離』というゴルフではなかったですから。付け加えると、あの週は練習日から最終日まで風向きが同じでした。それは大きかったはず。1日でも風向きが違っていたら、違う展開になったかもしれません」

竹谷佳孝「代用できるかが判断基準」

「抜く基準は『他の番手で代用できるか』。3番アイアンの代わりは5W、6番アイアンは5番アイアンでカバー、53度のウェッジはPWで代用できる。なので、抜くのは3番、6番、53度です。でも実際に試合でやったパグンサンは、アイデアに富むというか、閃きが凄いですね」

今平周吾「軸となる5I、7I、PWは抜けない」

「アイアンのなかでいろいろするのはPW、7番、5番。この3本は僕がアイアンの軸にしている番手です。だから、4番アイアンと8番、9番を抜くかな。ちょっと空いちゃいますけど、7番とPWで対応していけると思います」

石坂友宏「ドライバーとウェッジは抜けない」

「順番に考えると、4番アイアンを抜いて、5Wを抜いて、7番アイアンか9番アイアンを抜きますね。前後の番手で対応できると思います。一番抜けないのはドライバー、そしてウェッジ類。ウェッジはスコアに直結しますので」

この調査で興味深いのは、プロによって「ゴルフの軸」となる番手が多様だった点。我々も「3本抜くなら」を考えてみると、自分のゴルフの「軸」と「弱点」が明白になるはずだ。

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月22日号より

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