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【マイギアを語ろう】「やさしいとは“球筋を作れる”クラブのこと!」上田桃子の14本

TEXT/Hikaru Togawa PHOTO/Hiroyuki Okazawa

自身の道具へのこだわりを、プロ自らが語る連載「マイクラブ マイギアを語ろう」。今回は、強風下のパナソニックオープンでプレーオフを制し、16勝目を挙げた上田桃子。新アイアンの投入が功を奏したというが……。

上田桃子
うえだももこ。1986年6月15日生まれ。熊本県出身。日米合わせて16勝を挙げている女子ツアーを代表する選手。年齢を重ねても衰えることのない、確かな技術でツアーをけん引。5月1日からオンラインサロンを開設

フェースにくっつく時間が大事

今年、上田桃子は久しぶりにドライバーを替えた。

「最近のドライバーは、飛ぶんですけど、球のつかまりが弱いと感じる。ドローヒッターの私でも、つかまえにいくと手の動きが入る。だから、自然につかまるものがいい」

だが、新しい『エピック スピード』は最初からつかまって、球が上がったという。「球が“潰せる!”感じでした。つかまるんだけど、左に行かない。矛盾しているようですけど、理想的です」

打感へのこだわりは人一倍強い。好みは、上田の表現をそのまま使うなら“球を支配している時間が長いもの”だという。

「要はくっついている感覚が出るもの。球離れが早いと操作性がイマイチだと思う」

さらに、クラブを替える際に重視するのが“打点”だ。

「いい打点で打てそうに見える形状が好きだし、大事。イメージ通りのスピンが入った弾道が打てる、思い通りの球筋を作れるものが、私にとってやさしいクラブですね」

ドライバー
自然につかまる! 一瞬でいけると思いました

キャロウェイ「エピック スピード」(プロト)
市販品と異なり、ウェートビスが前後2カ所あるプロトタイプ。「球を潰せる、コントロールできるのがいい」。ほぼプロ入りから使い続けている『ツアーAD PT』。一時期、他のシャフトを試しても、結局このモデルに戻るという

フェアウェイウッド
この2本の安心感は他では得られない

キャロウェイ「X HOT プロ」
「すごくシャローなヘッドなので、“いい打点”で打ちやすい。上げにいかなくても上がってくれる安心感が大きいです」

ユーティリティ
高さがほしいときに活躍

タイトリスト「816 H1」
「UT にはラクに球が上がること、ライを選ばず振り抜けることを求めている。今は4番だけ入れています」

ウェッジ
思った通りのスピンが入ってほしい

キャロウェイ「X フォージド」(50度、54度)、「ジョーズフォージド ツアーバージョン」(60度)
「グリーン周りのスピンが適度に、イメージ通りにかかるものを選ぶ。開いて使うのでヒール側の削りも大事」

「この60度は(石川)遼くんから、ボクが替えられたから桃子さんも替えられる、って言われた(笑)。本当にいい」

パター
振り遅れないから真っすぐ転がる

オデッセイ
「ホワイトライズ iX ♯1SH」
「元々、ピン型ヘッドが好き。シャフトを硬めの『ストロークラボ』に替えたら、振った通りに球が出ていくようになった気がします」

「“楽に上がって操れる
私の思いに応えてくれる1本でした」

5月のパナソニックオープンレディース最終日。強風でスコアを崩す選手が多いなか、1ボギーでまとめた上田はプレーオフに進出。

プレーオフは182ヤードの9番パー3の繰り返しだったが、上田は強風対策で投入した『APEX DCB』の5番アイアンで、ことごとくパーをセーブ。2年ぶりのツアー16勝目を飾った。

「ここ3~4年、5番アイアンは打てないなぁ、と感じていたんですけど、この『DCB』は全然違いました。5番アイアンのいいところは球を制御しやすくて、風の強い日にも多用できること。最近、トーナメントは距離が伸びていて、グリーンで止めることが難しくなってきている。だけど、それができるアイアンに進化しています。UTはミスが出にくいという意味では簡単ですが、そういうクラブは球が曲げられない。なので、球を操るという観点で考えると5番アイアンがいい。風の日でも球を操りたい。だから、周りのプロは5番を抜いている人も多いけど、私は抜きません」

5番アイアン
打った感じはやさしすぎない

キャロウェイ
「APEX DCB」
「高く上がってくれるし、スピンも入る。打感もソフト。UTより曲げられる操作性があるのがいいですね」

6番アイアン~PW
2Yを打ち分けられることが条件です

キャロウェイ
「APEX」
「ソールは大事な部分。けっこう好みに削ってもらっている。薄すぎると難しいし、広すぎると邪魔になるので」

「ドライバーを替えたことに驚かれました(笑)」

最新ギアを試しても、愛用モデルを上回る点が見えないと替えないのが上田流。それを知るスタッフや後輩たちは、今回のドライバーチェンジにかなり驚いたという

上田桃子の14本
1W キャロウェイ エピック スピード(プロト)(10.5度)/ツアーAD PT-6・SR/250Y
3W キャロウェイ X ホットプロ(2013 モデル)(15度)/ツアーAD PT-6・SR/220Y
5W キャロウェイ X ホットプロ(2013 モデル)(19度)/ツアーAD PT-6・SR/210Y
4UT タイトリスト 816 H1(23度)/ツアーAD U・SR/180Y
5I キャロウェイ APEX DCB(23度)/DG 95・S200/175Y
6I キャロウェイ APEX(2016年モデル)(27度)/NS プロ 950GH・SR/160Y
7I キャロウェイ APEX(2016年モデル)(31度)/NS プロ 950GH・SR/150Y
8I キャロウェイ APEX(2016年モデル)(35度)/NS プロ 950GH・SR/140Y
9I キャロウェイ APEX(2016年モデル)(40度)/NS プロ 950GH・SR/130Y
PW キャロウェイ APEX(2016年モデル)(45度)/NS プロ 950GH・SR/120Y
GW キャロウェイ X フォージド(50度)/NS プロ 950GH・SR/105Y
AW キャロウェイ X フォージド(54度)/NS プロ 950GH・SR/90Y
SW キャロウェイ ジョーズ フォージド(60度)/DG 95・S200/75Y
PT オデッセイ ホワイトライズiX ♯1SH
BALL キャロウェイ クロムソフトX

※スペックはすべて編集部調べ

月刊ゴルフダイジェスト2021年7月号より