【イザワの法則】Vol.63 クラブを替えるときは「何のため?」をしっかり考えましょう
伊澤利光「イザワの法則」
年末から年明けすぐにかけては、メーカーの新しいモデルが続々と発表される時期。プロはどういう基準でクラブを選んでいるのか。伊澤プロのクラブセッティングの「哲学」とは?
TEXT/Daisei Sugawara ILLUST/Kenji Kitamura PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/福岡レイクサイドCC(PGM)

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- 誰でも、年齢を重ねるごとに少しずつ体は変化していく。その変化がスウィングに与える影響を最小限にするため、プロは何をしているのか。また、我々アマチュアは何をすべきなのだろうか? TEXT/Daisei Sugawara ILLUST/Kenji Kitamura PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/福岡レイクサイドCC(PGM) ……
「新しいモデル」が
「よりよいもの」とは限らない
シーズンオフは、次のシーズンをどういうクラブセッティングで戦うかを考える準備期間でもあります。プロの中でも、新製品が出たらすぐにそちらに切り替える人もいれば、何度もテストして納得しない限り現状のクラブを使い続ける人もいますが、私はどちらかというとあまり「新しい」モデルに惹かれないタイプなので、今シーズン(2025年)に入るときのセットも、ドライバー以外はもう3年くらい替わっていませんでした。
10月の「福岡シニアオープン」(2025年10月25日〜26日)のときにちょっと思い立って、アイアンのシャフトを「X」から「S」に替えようとしたんですが、メーカーの担当者に言ったら、そのときにたまたまヘッドがマッスルしかないとのことで、結局「ま、いっか」みたいなノリでその試合はマッスルを使いました(結果は5位タイ)。モデルが替わると、アドレスしたときの「見た目」の違和感が気になるという人がいますが、そのとき思ったのは、自分はアドレスしたときにヘッド自体はほとんど「見ていない」ということですね。ボールと、その周囲1センチくらい(前後とターゲット側)の地面しか見ていない(笑)。だから、ヘッドの見た目はまあ大事ですが、打つときは見ていないから気にならないということです。
セッティングは
常に14本全体で考えるべきもの
以前にショートウッドブームがありましたが、最近またショートウッドを使うアマチュアが増えていると聞きます。私は球が浮くほうなので、ショートウッドは合わないですが(吹き上がってしまう)、長い番手で球を上げるのに苦労している人であれば、強力な武器になることは間違いありません。それに、7番ウッドや9番ウッドはソールが広いので、ラフからも簡単に打てるというメリットもあります。
ただ、実際にバッグに入れるかどうかは、自分のゴルフのスタイルや、番手の得意不得意、ホームコースのヤーデージなど、いろいろなことを検証した後でないといけません。ショートウッドはロングゲームをやさしくするツールですが、従来のセッティングでとくにロングゲームに困っていなければ、そもそも入れる必要はないわけです。それに、ウッドを充実させる場合は、代わりに何かをバッグから抜く必要が出てきます。それが本当に抜いていいクラブなのかどうかは、じっくり考えるべきでしょう。
私自身はウェッジの「バックスピン問題」を抱えているため、どうしても4本態勢(46、50、54、58度)にする必要があります。レギュラーツアー時代は2本( 52、58度)だったんですが、1本のウェッジでカバーする距離の幅が広いと、距離を出そうとしたときにバックスピンで戻ってしまうんですね(バックスピン問題)。そうなると、もし5番ウッドを入れるならアイアンは4番からしか入れられない。最近は5番ウッドも必要ないような気がしてきて、そこを試合によってハイブリッドに入れ替えたりもしています。

流行りだけで選ぶのは危険!
地面から打つショットで、入射角が鋭角なタイプはロフトが立って当たるため、打ち出し角は低くなるもののスピン量は増える。入射角が鈍角なタイプはロフト通りの高さが出やすい反面、スピン量が少なくなり最高到達点は低くなりやすい傾向がある。

伊澤利光
1968年生まれ。神奈川県出身。学生時代から頭角を現し、プロ入りしてからは、プロも憧れる美しいスウィングの持ち主として活躍。2001年、2003年と2度の賞金王に輝く。また、2001年、マスターズで日本人最高位の4位入賞(当時)。現在はシニアツアーを中心に活躍中
月刊ゴルフダイジェスト2026年2月号より


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