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【マイギアを語ろう】小平智「10年以上大切に使い続ける絶対的エースパター」

自身の道具へのこだわりを、プロ自らが語る連載「マイクラブ マイギアを語ろう」。今回は、今季、「ISPS HANDA 夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント」で日本ツアー通算8勝目を挙げた小平智。21年からクラブ契約フリーになった小平のクラブ観を詳しく聞いた。

TEXT/Hikaru Togawa PHOTO/Shinji Osawa

10年以上愛用のパターは
「エース中のエース」

「構えた時の見た目、それとカッコよさを大事にしています」

小平智はクラブ選びのベースをこう語る。

「自分が思っている好きな顔になっていないといけない、特にアイアンは。パッと上から見た時に真っすぐ見えること。アイアンもパターもとにかくこれに尽きます」

一番こだわり、好きだというクラブはパター。

「10年以上前のものを使っていて、スコッティキャメロンさんもスペアを作ってくれないので、傷つけたくない。自分でも大切に使っているので、傷つけられたら本当に嫌で、基本的にあまり他人に触られたくないですね。エース中のエースです。とにかく真っすぐ見える、そこが一番好きです」

形状は角に丸みのある『ニューポート』より、直線的な部分が多い『ニューポート2』のほうがよりスクエア感があるので好みだという。

サブのマレット型で
エースの良さを再確認

コーライグリーンなど、タッチを変えたい時はマレット型パターを手にすることもある。

「これも基本的に僕の中で真っすぐ見えないとダメです。また、時々こうやって別のパターを手にすることで、改めて“エース”の良さを確認できます」 

以前、打感はカチッとしたものが好みで、そのためにヘッド素材もタイガー・ウッズや松山英樹が好む高価なGSS(ジャーマンステンレススチール)ではなく、あえてSSS(ステンレススチール)を選んだ、と語っていた。 

実は、同タイプのスコッティキャメロンのパターを20本以上所有しているという。

「手に伝わってくる打感もとてもいい。試した中には、タッチが合ったなと思っても合わなかったパターとかあったけど、この“エース”は自分の感覚とタッチが全部いいと思えるほど合っています」 

パター
スコッティキャメロン
「ニューポート2 プロトタイプ」

ヘッドの色はやや赤みがかったクロマティックブロンズ。ステンレスに熱を加えることでこの発色になるという。「カッコよさにこだわって、このカラーを選びました」

アイアンはややグース
打感と抜けは二の次

クラブ契約フリーの現在、アイアンは三浦技研の『TC-102』を調整して使っている。

「好きな顔はグースめなもの。ゴルフを始めた時からグースのタイプだったので、もうグースのじゃないと真っすぐ見えないんです。三浦技研さんに綺麗に調整してもらっています。見た目から入るから、打感とか抜けは二の次になる。見た目が自分の中でハマっていないと真っすぐ飛ばないから、そこから抜けを気にする。正直、打感はどうでもいいですね。自分が打つのに対して良い抜け具合を合わせていく。打ち込んでも上手く抜けてくれる、抜け感が好きです。今のソールはその感覚が合っています」 

シャフトは、高校時代から使っているものを今でも変わらずに使い続けているという。

「ほかのものに替えても、タイミングが合わなかった。このシャフトでスウィングが出来上がったって感じですかね」

アイアン
三浦技研「TC‐102」

小平仕様に細かく調整された顔
市販のオリジナルとは異なり、ホーゼルを曲げてセミグースネックに調整されている。「グースじゃないと真っすぐ見えない、構えられないんです」

フェアウェイウッド
プロギア「iD nabla BLACK」

手放せない一本

「長く使い続けていて、実はもう手放したいんですが、これよりいいものが見つからないんです。と言っても、良いところは本当に見た目だけ。とにかく真っすぐ見えるんです」

シャフト
ツアーAD「クアトロテック」(1W、5W)「CQ」(3W)

学生時代から変わらずツアーADユーザー
「シャフトを替えると、違うスウィングをしなきゃいけなくなるような気がする。シャフトにヘッドを合わせれば、自分のスウィングリズムやタイミングを変えずに打てます」

小さなこだわり!
ヨネックス「EZONE CB702」

楽に球を上げられる4番アイアン

「5Wから5Iの間がないので、4Iを3.5Iみたいにして使っています。大学の先輩がヨネックスにいて、自分の好きな感じに作ってくれました。シャフトはダイナミックゴールドを入れていたんですが、純正カーボンに替えたら球が上がって止まるようになり、かなりやさしくなりました」

小平智の14本セッティング

月刊ゴルフダイジェスト2026年1月号より