飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま～に80台で回るゴルフは十分に可能!　コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。

ILLUST／Shinichi Hoshi

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  【たま～に80台で回りたいッ!】Vol.16「飛ばし」か「刻み」か? シニアの飛距離問題を考察

  飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま～に80台で回るゴルフは十分に可能!　コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。 ILLUST／Shinichi Hoshi >>前回のお話はこちら 先日、年に2～3度会うゴルフ仲間とラウンドし、ドライバーショットで平均30～40ヤード置いていかれまし……

今回はドライバーの替えどきの話ですが、そもそもドライバーに賞味期限はあるのでしょうか?　あまり聞いたことないですよね。実は見栄や気分転換、ファッションで替えることが結構あります。

まずゴルフクラブは14本あるのに、なぜドライバーの話題が多いのか?　それはドライバーが全クラブの旗艦に当たるからです。

だからドライバーのブランドが決まれば、同じメーカーで他のクラブも統一するというのが理想。けれどそんな14本を一気に替えるなんて予算的に無理。だからドライバーだけを替えたがるのです。

ゆえに初対面では同伴者のドライバーを見れば、相手のセンス、財力、腕前がざっくり分かります。逆に言えば、ドライバーさえ立派な物を持っていれば、第一印象ではったりをかませられる、かな。

それではドライバーを替えるタイミングを見てみましょう。

見栄や気分転換

一緒に回った同伴者が最新ドライバーでバカスカ飛ばし、マウントを取られた。頭に来たのでショップに行って、同じやつを衝動買いした。ゴルフは道楽ですから、それも人生、よろしいですよ。

ただ他人が持っていた最新クラブが、自分にとって一番飛ぶとは限りません。とはいえ“プラセボ”効果があり、つまり飛ぶという暗示にかかる場合はあります。

クラブを買うとき、これは当たりそうと思って買うでしょ。好きな面構えや、構えての印象とか、そういうのはアマチュアにとって大事な要素です。

ただ現状、最新ドライバーで飛んでいるのは同伴者であり、あなたが飛ぶ保証はないです。ここはひとまず、冷静になりましょう。

クラブ購入検討モード

同伴者にニュークラブを見せつけられ、自分の頭の中でドライバーを買い替えるスイッチが入ってしまいました。そうなると、もう何かしないと気が済みません。

そんなときは試打クラブがたくさん置いてある練習場に行き、打つのが一番です。試打会があるなら積極的に参加しましょう。私も何度かメーカーの試打会に参加しましたが、正直に飛距離や球筋を申告すると、それに合ったクラブを用意してくれます。

自分のお気に入りのブランドがあって、そのメーカーが新製品を発売する、そういうタイミングなら新たに買い替える検討の余地ありですね。

クラブとワインの当たり年

ワインって農作物を醸造するから天候に影響され、当たり年があります。同様にゴルフクラブにも、人それぞれの当たり年があります。

個人的に思うのは、画期的な新製品はやはり初号器かな。斬新なコンセプトが詰まっているので、名器と言われるものが多いです。何が名器で、当たり年がいつか分からない方は、大手の量販店型中古ショップに行って、他より在庫が多いクラブを見つけること。つまりそれだけクラブが売れたってことです。しかも価格が他のクラブより高めなら、人気があるってことです。だから大きな中古クラブ屋さんに行き、ロットの多い人気クラブを探すテはありです。

個人的には新品よりも、評価の定まっている中古品、出て1～2年目のクラブを吟味して買います。

フィッティングの勧め

もしニュークラブを買って、思ったより当たらないと感じても、嘆くことはありません。

次なる手があります。フィッティングです。シャフトメーカーさんなどが行っている、シャフトのマッチングですが、専門のフィッターがいれば、ドライビングレンジやショップでも構いません。

過去に何度も、いろんな方にフィッティングをしてもらいましたが、まず外れはありませんね。

どれだけ凄いかというと、現在ホームコースの扶桑CCで使っているドライバーはマグレガーのNV301という2016年のヘッド。それにディアマナを装着し、それで今期ハーフ39を達成。フィッティングしたクラブは飛んで曲がらず。長期間良い仕事をしますよ。もちろんシャフトの購入だけで、数万円が飛びますが、吊るしで売っているクラブのシャフトと比べ、モノが違う気がします。

クラブの性能は、個人的な考えだとヘッドが4割、シャフトが6割くらい。好きなシャフトに合わせてヘッドを選ぶこともあります。クラブを買ってダメならセカンドオピニオンで、フィッティングすれば良い。そこはケチらないことです。ゴルフ通はヘッドより、シャフトをよく見ますよ。

教える人／木村和久

「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー

週刊ゴルフダイジェスト2025年7月22日号より