【ギア選びのウソホント】Vol.225「2~3gの違いは誰でも感じられる」

「キング・オブ・試打」としてお馴染みの堀越良和プロが、長年の知見から、ギア選びの際に重視すべきポイントや注意点をわかりやすく解説!

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- 「キング・オブ・試打」としてお馴染みの堀越良和プロが、長年の知見から、ギア選びの際に重視すべきポイントや注意点をわかりやすく解説! >>前回のお話はこちら 前回、昔のドライバーの“鉛チューン”の話をしましたが、もちろんアイアンでも行っていました。ハーフキャビティでバックフェースの下部分にウェイトがあるモデルを使っていたとき、打感はい……
かつて中嶋常幸さんが、新しいクラブを手にしたときに「今までより1g軽い」と言ったという有名な逸話があります。1gといえば1円玉1枚の重さ。「超トッププロだから、そういったことを感じるんでしょ」と皆さん、よく言われます。確かに、1gの違いは感じにくいかもしれませんが、2g、3g違えば、実は多くのゴルファーが無意識のうちに、そのフィーリングの違いを感じるものなのです。
たとえばブレード型のパターのトウ側に2gの鉛を貼ったとします。ストロークしてみると「あれ、ちょっとつかまりが悪いな」と感じるはず。鉛の重さによって、重心距離が長くなったのと同様になるため、フェースの返りが遅くなるのです。反対に、ヒール側に鉛を貼れば、重心距離が短くなるのと同様になるためフェースの返りは早くなる。どのクラブでも、フックさせたくない人はトウ側、スライスを防ぎたい人はヒール側に鉛を貼ったり、ウェイトを持ってくるのは、これが理由です。鉛やウェイトによって、クラブを持ったときの重さというよりも、振ったときのクラブの挙動の違いを感じるもの。改めて、人間は非常に繊細な感覚を持っていると思います。だからこそ、重心距離や重心深度といったヘッド性能、ウェイトの調整機能などが、クラブ選びでは大切になってくるのです。

堀越良和
ほりこしよしかず。週刊ゴルフダイジェストで試打レビューを続けて約四半世紀の「キング・オブ・試打」
週刊ゴルフダイジェスト2025年4月1日号より