【新春ワイド特集2025】ミニドライバーは今年も熱い!? 猛暑の夏に“エアコン付き”乗用カート
ここ最近の国内外のゴルフ界には新しい流れが確実に起きているようだ。そしてその流れは、ギアやゴルフ場の乗用カートにも起きていた。
PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa、Takanori Miki、Yasuhiro JJ Tanabe、Blue Sky Photos、Getty Images
●CONTENTS●
1. 米女子ツアー、ジェンダーポリシー再変更
2. 米女子ツアー最終予選に過去最多5人合格
3. 2025年PGAツアーに5人の日本人が参戦
4. PGAとLIVの統合はどうなった?
5. ミニドラブームと軟鉄鍛造アイアン回帰
ミニドラ市場に新規参入が相次ぐ
アイアンは“軟鉄鍛造”回帰
2024年に話題を集めたギアとして「ミニドライバー」は外せないだろう。これまでミニドライバーの市場は2019年から発売されているテーラーメイドの「BRNR」シリーズの独壇場だったが、24年にキャロウェイから「パラダイム Aiスモーク 340ミニドライバー」が発売されたことで市場が一気に活気づいた。
24年の春先には、PXGのミニドライバーと思われるモデルがR&Aの適合リストに登録されたことが話題になるなかで、7月にキャロウェイからミニドライバーが発売された。予約段階で売り切れ状態になり、世のゴルファーのミニドライバーに対しての高い興味がうかがえた。今回キャロウェイから出たミニドライバーの反響や購入した人の傾向を、キャロウェイゴルフの原哲史氏に聞いてみた。
「ミニドライバーの“ミニ”というワードが日頃ドライバーに悩みを抱えているゴルファーの琴線に触れた点が大きいと思います。エースドライバーを持ちつつ、いわゆる“置きにいく”ドライバーとして、ゴルファーのニーズに応えられたのだと思います。また、これは我々も意外でしたが、エースドライバーをバッグから抜いてミニドライバーを投入するゴルファーも多かったです」
噂されていたPXGのミニドライバーも2025年早々に発売の予定。“10K”など大慣性モーメント化するドライバーと並行して、ミニドライバーの市場も2025年は本格化していきそうだ。
アイアンにおいては、近年の機能性アイアンのトレンドから再び「軟鉄鍛造」アイアンへ回帰する“波”もある。小誌「2024アイアン・オブ・ザ・イヤー」に輝いたブリヂストンの軟鉄鍛造アイアン、「241CB」もその一つ。ブリヂストンスポーツ西谷将史氏に軟鉄鍛造アイアンの回帰の波について、話を聞いた。
「今回241CBに関しては、特に中空系のアイアンでは飛び過ぎるなどの不満を感じた方が、距離のまとまりを求めて、軟鉄鍛造アイアンに流れた印象です。あと、軟鉄鍛造特有の打感や顔のフィーリングなどが見直されて戻ってきたゴルファーも、購入された方々には多かったです」
日本の猛暑にはこれしかない!?
“エアコン付き”乗用カートが登場
近年、真夏の猛暑が激化しており、ゴルファーも夏のラウンドを控える傾向が強くなってきている。それに伴い、ゴルフ場の8月の来場者は年々減少傾向にあり、各ゴルフ場にとっては大きな課題になっている。
そこで、猛暑対策の救世主となるべく登場したのがエアコン付きカートだ。三重県の近鉄賢島カンツリークラブが全台エアコン付きカートを導入するなど、いくつかのゴルフ場で導入事例が出てきた。エアコン付きカートを開発した、神奈川県に本社を構える関東化成工業株式会社の広報担当取締役・山田哲也氏に詳しい話を聞くことができた。
「開発は4年前からです。きっかけは役員が真夏のラウンドであまりの暑さに滅入ってしまい、『エアコンが付いたカートはないのか?』と言ったのが始まりです。その後、改良を重ね、24年の夏にゴルフ場の現場に導入することができたという流れです。24年は全体で200台の導入でしたが、25年は少なくとも500台は導入していきたいです」
昨夏から全台導入した近鉄賢島カンツリークラブによると、近隣のゴルフ場の夏の来場者数が前年比7~8割だったのに対して、同コースは前年比ほぼ横ばいの9割超で、真夏の来場者の確保に成功した。何より、実際にエアコン付きカートを利用した来場者の満足度は高かったようで、今後はカートにクーラーボックスを設置するなど、さらなる設備の充実も視野に入れているそうだ。
カート上部に付いているスイッチで風量は6段階で調整することができるので、寒くなり過ぎることもない。まさに夏ゴルフの救世主だ
エアコン付きカート導入が好評で来夏も多くの来場が見込まれる近鉄賢島カンツリークラブ
週刊ゴルフダイジェスト2025年1月7・14日合併号より