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ウェッジはいつ買い替えるべき?<後編>10年使ったウェッジはどの程度スピン量が落ちる? 実験したら意外な結果に

ウェッジにも消費期限があるのか、新品と中古で打ち比べて検証してみた。実際には、どれくらいの差が出るのだろうか。

TEXT/Toshiaki Muraki PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/CLUB HOUSE

試打・解説/横田英治 ツアー経験に基づく理論的なアドバイスに定評がある。ドライバーからパターまで試打経験も豊富で最新のスウィング理論にも精通。女子プロの岸部桃子を指導している

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  • ウェッジを買い替えると、なんだか前よりスピンがかかっているように感じるが、実際使っているとスピンの効きは悪くなってくるものなのか。まずはプロのウェッジ交換事情を探ってみた。 TEXT/Toshiaki Muraki PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/CLUB HOUSE プロは1~2カ月に1回 真新しいウェッジを……

使い古したウェッジと
未使用品でスピンはどう変わる?

それでは実際のところ、使い古したウェッジと未使用品では、スピン量にどれくらいの差が出るのだろうか。

使い古しのほうは、10年前のモデルを編集Jが1年半前に中古ショップで購入したもので(ロフト52度)、以降は月平均7回ほど、練習場で1回あたり20球打ち、コースでも80ラウンドほどしている。

2014年発売の「クリーブランド588 RTX2.0」の新品と中古で比較


まずは、ピンまで60ヤードの距離から横田栄治プロに新旧ウェッジで10球ずつ打ってもらった。スピン量は両者6000回転台で大差は出ず。中古のほうが500回転程度少なかったものの、「誤差の範囲内」という結果になった。

続いて10ヤードの距離でも新旧を打ち比べたが、どちらも2000回転前半でほぼ変わらなかった。

この結果は予想通りだと横田プロは言う。

「52度なのであまり大きな差がでなかったのかもしれません。56度や58度であれば、打球の挙動を見て、ちょっとスピンの効きが悪くなってきたら年に2回くらいのペースで替えます。あるプロは3試合に1本のペースで替えていたと聞いたことがあります。その理由は『1試合目は溝の角が立ちすぎているから、イメージよりも(スピンが入って)戻りすぎる。3試合目に溝がちょっと減ってピークが来るからいい』だそうです」

プロの交換ペースが速いのは、単に打つ回数が多いからではない。

「プロが使う56度や58度の溝が摩耗するのは、バンカー練習をするからです。ショットやアプローチの練習で、芝の上にあるボールを打つと、フェースの間に砂などが入って削れます」

基本的にバンカーでは使わない52度の場合、砂を直接打つ58度とは溝のすり減り具合が大きく異なるというわけだ。

とはいえ、52度でも60Yでは500回転ほどの差は出た。アマチュアにとっては大きな差ではないかもしれないが、シビアな状況で狙い通りにスピンをコントロールしたいプロにとっては看過できない差といえるだろう。

もちろんアマチュアも、ウェッジは定期的に替えたほうがいいという。

「最近はクラブも進化しています。そして、それはウェッジにも言えることですので、1~2年に1回、最新のモデルに替えることをオススメします。その場合、52度と58度で違うメーカーのものを使うと、バウンスやライ角、ロフトの感じや形状が違ってしまうので、基本はその2本は同じモデルを使うようにしましょう」

週刊ゴルフダイジェスト2024年11月19日号より