【ギア選びのウソホント】Vol.207 HS30m/sでも上級者向けのアイアンが合うことも
「キング・オブ・試打」としてお馴染みの堀越良和プロが、長年の知見から、ギア選びの際に重視すべきポイントや注意点をわかりやすく解説!
クラブフィッティングを受けると、自分では思いもよらなかった結果になることがよくあります。
先日、アイアンのフィッティングを受けた女性の生徒さん。ドライバーのHSは30m/sくらいで、10年くらい前のやさしいキャビティモデルを使っていました。そのクラブでの7Iの弾道データは、スピン量がよくて4000回転くらい、ボールの落下角度も33度くらいというもの。ところが、フィッティングのなかでロフトの寝た上級者向けの“プロキャビ”を打ってみたところ、同じボール初速でも、スピン量が5000回転くらいに上がり、キャリーもしっかり出て、落下角も40度くらいという結果に。グリーンで球を止められるアイアン本来の役割を果たせるモデルが見つかったのです。シャフトはその女性に合うものにフィッティングしましたが、ショップの店先だったら、絶対に手を出さないような上級者モデルが自分に合うという事実に、本人も驚いていました。
また別の男性は「15度のFWは難しそうだから、16.5度が欲しい」とフィッティングを受けた結果、少しフケ球になる16.5度よりも、ロフトを寝かしてフェースが左を向いた15度のほうがつかまって、弾道データも良いものに。「自分に合うクラブを選び」に、フィッティングは本当に欠かせないものだと思います。
堀越良和
ほりこしよしかず。週刊ゴルフダイジェストで試打レビューを続けて約四半世紀の「キング・オブ・試打」
週刊ゴルフダイジェスト2024年11月12日号より