【ぴったりパターの選び方】<前編>“重心角”が自分のストロークと合っているかを見極めよう
パターはゴルフクラブのなかでも形状のバリエーションが圧倒的に豊富。選択肢が多いからこそ、良し悪しがわからずあれこれと買い替えている人は多いはず。そんな悩める「パター難民」に贈る、自分に合ったパターの探し方講座。
TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Tsukasa Kobayashi、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa THANKS/FOXY GOLF
解説/渡邊 康
トーナメントプロとしての経験を生かし指導者の道へ。パッティングの指導を得意とする。FOXY GOLFコーチ
>>後編はこちら
- 悩める「パター難民」に贈る、自分に合ったパターの選び方を指南。後編では、ヘッド形状を選ぶ基準について教えてもらった。 TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Tsukasa Kobayashi、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa THANKS/FOXY GOLF >>前編はこちら ヘッ……
自分のストロークと
マッチする“重心角”を探そう
世の中には多種多様なパターがあふれていて、プロだってみんな違うものを使っている。パターになんとなく「好み」はあっても、果たしてそれが本当に自分に合っているのかわからないという人は多いはず。そこでパッティングの指導が得意という渡邊康プロに、コーチの視点から選び方のコツを教わった。
「パッティングの精度を上げるためには、道具として『自分のイメージどおりに動かしやすい』パターを選ぶことが大事だと私は考えています。そのために最初に考えてほしいのが自分のストロークとパターの重心角をマッチさせることです。パターも、ライ角が90度でない以上、ストロークは完全に真っすぐにはならず、多少のフェース開閉を伴ったアーク(弧)軌道になるのが自然です。このアークのカーブの強さは個人差があるので、自分のカーブにマッチしたパターを使うことが重要なんです」
重心角とは、フェースの開きやすさの目安となるスペックで、パターを水平に保持したときにヘッドのトウ側がどのくらい下がるかで判断できる。重心距離の長いものほど大きくなりやすく、ネックの形状の影響を大きく受ける。L字やクランクネックは大きくなり、ベントネックやセンターシャフトなどはほぼ0度で、これはフェースが真上を向くことからフェースバランスと呼ばれる。
重心角とは……
パターを置いたときにトウ側がどれだけ下がるか。この角度が大きいほどフェースが開きやすいことを示し、フェース開閉量が大きいストロークに合う
パターの重心角は、ネック形状に大きく左右される。シャフトがヘッドのヒール側に直線的に付いているL字やショートスラントネックは重心角が大きくなり、センターシャフトや、シャフト軸の延長線がヘッドセンターを指すベントネックなどは重心角が極めて小さく、フェースバランスになるものも多い
渡邊プロによれば、ストロークのカーブが強く、フェース開閉量が多い人ほど重心角が大きい=フェースを開きやすいパターが合うとのこと。つまり、ネック形状が自分のストロークに合ったものを選ぶことがパター選びの第一歩というわけだ。
「軌道は完全な真っすぐにはならないと言いましたが、イメージとして真っすぐを目指したい人、アーク軌道やフェースの開閉をイメージできない人もいます。そういう人は、重心角のないフェースバランスのパターがおすすめです。自分の軌道をチェックするには、下の線に合わせてバックスウィングしてみてください。太い線が平均的なアークなので、それよりカーブが強めか弱めかで、重心角大きめがいいか小さめがいいかの目安になると思います」
>>後編はこちら
月刊ゴルフダイジェスト2024年9月号より