竹田麗央と尾関彩美悠のアイアンに穴! その狙いとは…?
竹田麗央と尾関彩美悠のバッグを覗くと、2人ともなぜか1本のアイアンだけ穴が開いていた。いったいなぜ?
PHOTO/Tadashi Anezaki、Osamu Nakamura
アイアンに鉛をべったりと貼っているのは見かけるが、近年、女子プロの間ではむしろヘッドに穴を開けるという選手が出てきている。そのひとり、現在絶好調の竹田麗央に話を聞いてみた。
「私の場合は9IとPWの飛距離差を埋めるためにPWだけ穴を開けました。穴を開けることでヘッドを軽量化でき、その分シャフトを伸ばすことができるんです。結果、PWの飛距離が伸び、飛距離の階段が整いました」
竹田麗央
「PWの距離を伸ばすためにシャフトを長くしたかったんです」
たけだりお。プロ3年目の今季、すでに3勝を挙げブレイク。平均飛距離260Yを超える飛距離を武器に年間女王を目指す。メルセデスランク1位
トウ&ヒールに穴を開けヘッド重量を軽くした
ヘッド全体の重量を軽くするため、バックフェースのソール側に穴を2つ開けた。トウ・ヒールにバランスよく穴を開けることで重心距離も変わりにくくなる
9IとPWの長さが0.5インチ差だったときはPWの距離が出ず、飛距離の階段が適正に作れていなかった。ヘッドを軽くし、シャフトを0.25インチ伸ばすことで飛距離の階段が整った
尾関彩美悠
「ヘッドの開閉がしやすくなりました」
尾関彩美悠
おぜきあみゆ。22年住友生命Vitalityレディスで初優勝。今季もパナソニックで2位に入るなど3度のトップ10入り
トウ側に穴を開け重心距離を短くした
バックフェースのトウ側に穴を開けることで重心がヒール寄りに移動。重心距離が短くなったことでヘッドの開閉がしやすくなった
8番アイアンだけつかまり具合が弱いように感じたため、穴を開けて重心距離を短くした。「ヘッドが返る感覚が出て操作もしやすくなりました」(尾関)
「その日の調子で鉛をつけることもあります」(尾関)
「穴開けパターンはあと2つあります」
堀口宜篤
最新理論から最新ギアまでゴルフのあらゆる面に精通するプロコーチ。PGSTを主宰しレッスンやフィッティングを行う
【ヒール側】
重心距離を長くしてヘッドの挙動を抑える
ヒール側に穴を開けることで重心距離が長くなる。結果、ヘッドは返りにくくなり、左へのミスを低減させる。左右のミスが多い人や、ハンドファーストが強い人におすすめ
【トウ&ヒール(トップブレード側)】
低重心化で球の高さを出せる
トップブレード側に穴を開けることで重心が低くなる。球が上がりやすくスピンも入りやすい。球の高さが出ない人や、スピン量が足りない人におすすめ
月刊ゴルフダイジェスト2024年7月号より