Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • ギア
  • 【新春ワイド特集2024】ゼクシオは国内より海外のほうが売れていた!? クラブ&アパレルの“世界進出”

【新春ワイド特集2024】ゼクシオは国内より海外のほうが売れていた!? クラブ&アパレルの“世界進出”

ここ最近の海外進出の流れは、ツアーだけでなくギアやアパレル業界でも起こっていた。

PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa、Yasuhiro JJ Tanabe、Blue Sky Photos、Getty Images

ゼクシオの販売比率は海外56%、国内44%と発表された。海外市場では、米国と韓国が大半を占めているという。今後も海外進出は加速していくのだろう

●CONTENTS●
1. 女子ツアーからは新たに3人が世界進出
2. 男子ツアーの新王道「欧州ルート」
3. 下部ツアー経由の過酷な「北回りルート」
4. 「大学ルート」「LIVルート」も
5. ギア&アパレルの世界進出

ゼクシオは国内より
海外のほうが売れている?

12月に販売をスタートさせた13代目となる「ゼクシオ13」。ゼクシオといえば、日本を代表するクラブ。当然、国内での販売がメインかと思いきや、新製品発表会で語られたのは、海外での販売比率が初めて国内を超えたということだ。

では、他のクラブメーカーはどうなのか? 調べてみると海外市場に力を入れているブランドは多い。オノフを展開するグローブライドの広報担当者によると、

「国内と海外の販売比率は半々くらいです。東南アジア、スイス、米国、インドネシア、マレーシアなどで、いちばんシェアが高いのが韓国です。22年は韓国経済が好調で販売数も大きく伸びました。当社は釣り具のダイワから始まっていますので、釣り具の販路を活用できたのも大きいです」


<オノフ>
国内と海外の販売比率はほぼ半々

02年にダイワ精工から誕生したオノフ。ブランド立ち上げ当初から海外進出できたのは、釣り具の世界的トップメーカー「ダイワ」が持つ販路があったからだという

韓国で人気を集めるのが本間ゴルフとマジェスティゴルフだ。マジェスティゴルフの担当者は、

「ソウル市内に直営店もあり、ブランドとしての認知は高いと感じています。ユーザーは富裕層がほとんどですが、マジェスティを持つのが一種のステータスになっている部分もあると聞いています」

本間ゴルフはクラブのコスメを3星、4星、5星と変化させることで消費を促進させている。韓国のほか、中国、米国、欧州、東南アジア、中東など、世界規模で販路を拡大しているという。

<本間ゴルフ><マジェスティゴルフ>
韓国では有名。販売シェアも高い

本間ゴルフもマジェスティゴルフも韓国での販売シェアが高い。本間ゴルフの担当者によると「日本の販売比率は33%です。海外シェアでは韓国が1番でしたが、直近では中国が伸びています」

世界進出に力を入れているのはクラブメーカーだけではない。国内のアパレルメーカーも海外市場に向けた動きを加速させている。

「マーク&ロナ」を展開するキューブの広報担当者に聞いた。

「23年1月、PGAマーチャンダイズショーに初出展しました。海外進出を強化していくのが狙いで、24年はイタリアでの展示会も予定しています。これはゴルフではないのですが、ファッションブランドとして出展する予定です。海外向けに展開している『Tライン』コレクションはゴルフというより、タウンユースを意識したデザイン重視のものです。普段着として使えて、なおかつゴルフウェアとしての機能性も高い。米国だけでなく、東南アジア、中東、ドバイなどの人たちにもゴルフに興味を持ってもらえるようなデザインに仕上がっています。24年には台湾での出店も予定しており、今後も展示会などを通して海外販売を強化していきます」

<マーク&ロナ>
昨年PGAショーに初出展。海外進出に力を注ぐ

海外向けに開発された「Tライン」コレクション。モノトーン主体で普段着として着用できる。海外セレブにマッチするスポーティさが魅力。ゴルフウェアとしての機能性も高い

パーリーゲイツ、マスターバニーエディションなどのブランドを持つTSIは23年6月、米国のハワイで初めて「パーリーゲイツ」の展示会を開催した。同ブランドの広報担当者に話を聞いた。

「米国だけでなく、タイや東南アジアなども含め、海外での展開を考えています。いま現地のゴルフ場やショップで販売できるように進めているところです。今後も海外市場への販路拡大は、大きなテーマになるといえます」

<パーリーゲイツ>
ハワイで展示会を初開催、アジアにも進出予定

藤田寛之も着用するパーリーゲイツは、おしゃれなゴルフウェアとして人気が高い。今後、海外でも着用者が増えていくかもしれない

訪日外国人客は11月までで6カ月連続200万人を超えている。円安の日本では、韓国や中国の人たちにとってクラブやアパレルが安く手に入る。一方、輸出で考えれば、大きなチャンスになる。日本のゴルフ市場だけでは成長は望めない。ゴルフ界を発展させるには選手たちの活躍だけでなく、クラブやアパレルにおいても世界に目を向けることが必要なのだろう。

週刊ゴルフダイジェスト2024年1月9・16日合併号より