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【パター分析】マレットヘッドはなぜやさしい? スパイダー、キャメロン、ストラボ、シグマ、最新モデルの実力診断

GDライブラリ
2019.09.27

長い間ピン型が主流だったパター。しかし最近はアマチュアだけでなくプロたちもマレット型を使うようになり、今や主流派となった。最新のマレットパターを集めて、改めてその性能をチェック。テストはキング・オブ・試打こと堀越良和プロ。

パーシモンからメタル、そして大型チタンヘッドとドライバーは目まぐるしく進化した。一方で、パターにおいてもL字やキャッシュインからピン型に主流が移り、現在はマレット型を使用するゴルファーが増えている。アマチュアだけではなく、プロの間でもすっかりマレット型が定着している。

マレット型の最大のメリットは、ドライバーの大型ヘッドと同様に慣性モーメントが大きくなることで、ストロークのブレ、ミスヒット時のヘッドのブレを抑えられることだ。

R・マキロイ(左)とD・ジョンソンは「スパイダーX」を使用

入るか、入らないか、その1打がスコアに直結するパッティングはプレッシャーがかかりやすく、プロもやさしいモデルを選択するようになったということだろう。

ただし、パッティングには繊細なタッチも必要とされる。最新のマレットはそのあたりをどう解決しているのか。最新モデルでチェックしてみよう。

今回試打した最新4モデル

テストしたパター(左から)
●スコッティキャメロン「PHANTOM X 12」
●オデッセイ「ストロークラボ 2M」
●テーラーメイド「スパイダーX」
●ピン「シグマ2 ヴァラー400」

【試打・解説】堀越良和プロ
毎年発売される新製品を軒並み試打する試打キング。クラブに対する造詣の深さは群を抜く

多くのトッププロが使用。ピン型からの移行者が多い
スパイダーX(テーラーメイド)

最初に試打したのはテーラーメイドの「スパイダーX」。ローリー・マキロイやダスティン・ジョンソン、セルヒオ・ガルシア、ジェイソン・デイなど多くのトッププロが使用するモデルだ。

「このスモールスラントは絶妙ですね」というのは、テスターの堀越良和プロ。スパイダーXには、シングルベンドとスモールスラントの2タイプのネックがあるが、今回は多くのプロが使用するスモールスラントを試打した。

堀越 ピン型に多いクランクネックはボールを包みこむイメージがでますが、引っかけやすいと感じる人もいます。一方、ストレートネックは右にプッシュしやすいと感じる人がいる。このスモールスラントはどちらのミスが出る人にも違和感なく構えられる絶妙なネック形状ですね。

ヘッドを吊るすとフェース面がやや傾く。「重心角がフェースバランスになっていないので、フェースを開閉させるタイプのゴルファーにも使いやすい」(堀鯉)

堀越 一般的にストレートネックは真っすぐ引いて真っすぐ出すタイプ、クランクネックはヘッドを開閉して円弧を描くタイプに向いていると言われます。ピン型を使用する人は後者のタイプが多いですが、スモールスラントならどちらのタイプにも違和感がない。フェースバランスにもなっていないので、ピン型から移行しやすいマレットと言えます。このあたりがプロの間で人気になっている要因だと思います。

Point.1
ソリッド感がマイルドな「フェースインサート」

サーリンのフェースインサートは従来よりもやや厚めに。

堀越 適度なソリッド感があります。でも硬いという感じはなく、今回試打したなかでは、打感はいちばん軟らかかった。マイルドなソリッドという感じ。

Point.2
構えやすさ抜群の「スモールスラント」

「引っかける人もプッシュする人もどちらも違和感なく構えられる絶妙なネック&ヘッド形状です」(堀越)

Point.3
慣性モーメントを高める「複合素材ヘッド」

320グラムと重量のあるスチールフレームと、15グラムと軽量なカーボンコンポジッドソールを組み合わせることで高い慣性モーメントを実現。「ミスに対する許容度は明らかに大きくなっている。多少芯を外しても大丈夫ですね」

マルチマテリアルヘッドで高慣性モーメント
PHANTOM X 12(スコッティ キャメロン)

続いて試打したのは、パター界の大御所、スコッティ キャメロンの新作「PHANTOM X」シリーズ。ハイテク感満載の見た目どおり、比重の違うアルミニウムとステンレスを使用した複合素材ヘッドによって、深い重心深度と高い慣性モーメントを実現したモデルだ。

「完全なフェースバランス。打感は少し硬めの印象ですが、打感とボールの転がりが一致するので距離感が出しやすい」

堀越 見えないところに空洞があったりと随所に工夫をこらしていて、こだわりを感じる。ミスヒットに強く、慣性モーメントの高さが実感できます。

堀越 打感はちょっと硬めでソリッド感がありますが、その印象どおりに転がりがいい。打感と転がりが見事に一致しています。実はこれが距離感を出す重要なポイント。つまり、ハイテク感と同時に感性の面でも満足度の高いモデルになっています。

Point.1
細部までこだわって重心設定。打感どおり転がる

軽量なアルミニウムをフェースとボディ一体で削り出し、サイドのウィング部はステンレス。細部にいたるまでこだわった工夫がみられる。これが打感どおりの転がりを生む。

Point.2
シングルベンドは「懐が大きい」

堀越 シングルミッドベンドのネック形状は、入射角に対する許容度が大きくなるのでやさしく打てます。プレーヤーを選ばない懐の大きさも魅力です」

カーボンとスチールの複合シャフト
ストロークラボ 2M(オデッセイ)

プロにも人気で市場でもスパイダーXと人気を争うオデッセイの「ストロークラボ」シリーズ。。今回は9月20日に発売したばかりの「2M」を試打した。

「複合シャフトによってヘッドを感じやすく、自然にフォローがでる。太めのグリップの効果もあり無意識にパンチが入るようなことがありません」(堀越)

堀越 カーボンとスチールの複合シャフトが装着されていて、これによりフォローで自然にヘッドが出てます。手が悪さをしなくなりますね。

Point.1
複合シャフトでヘッドの挙動が安定

手元側にはカーボン、ヘッド側にはスチールを採用した複合シャフト。これによりシャフトを75グラムまで軽量化している。

堀越 ヘッド側に重量があるのでヘッド挙動が抜群に安定します。

Point.2
突起のあるインサートは適度なソリッド感

フェース面に爪状のヒンジが浮き出たインサートを採用。

堀越 軟らかすぎず適度なソリッド感があることで、打点を感じやすくタッチも出しやすい。距離感が合わせやすくなります。

2インチ長くしたカウンターバランスモデル
シグマ2 ヴァラー400

従来モデルより2インチ長い36インチの「カウンターバランス」パター。グリップエンド側に配された重量の効果で、ストロークが自然に振り子になる

最後に試打したのが、パターの老舗ピンが9月に追加したばかりの「シグマ2 ヴァラー400」。従来モデルより2インチ長くしたカウンターバランスモデルとなっている。

堀越 グリップエンド側の重量によって、自然にストロークが振り子になります。ゆっくり振れるので打ち急ぐタイプの人には最適です。

Point.1
カウンターバランスを生かすには短く握る

堀越 従来モデルより2インチ長くなっていますが、それには理由があります。カウンターバランスを生かすために、グリップエンドを2インチ余らせて握ると性能が発揮させるんです。グリップにもガイドラインが入っていて握りやすいのもいいですね。

Point.2
ゆっくり振れるので打ち急ぐ人に最適

堀越 ストロークが自然と振り子になるので、ゆっくり静かにパットできます。ロングパットの距離感が出しやすいですね。ショートパットも安心して打てます。

最新マレットは、プラスアルファの個性がある

堀越 マレットはミスヒットに強いのが最大の特徴ですが、最新モデルはさらにプラスアルファの特徴があり、それが個性になっている。今回の試打を参考に、ショップで実際に手にとり、自分に合うものをチョイスしましょう。