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世界ランク1位も使う“7番ウッド”。僕らが使わない理由はない! 13モデルを徹底試打

PHOTO/ Tadashi Anezaki THANKS/ゴルファーレ高田馬場

世界ランク1位のダスティン・ジョンソンが使用していることで注目されている7番ウッド。男性ゴルファーの場合、FWは5番までで、その下はUTやロングアイアンという人も少なくないが、果たして7Wを入れるメリットとは? 入れるならどんなモデルがいい? 最新モデルを試打し、その実力を徹底分析した。

試打・解説/永井延宏
06年レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。スウィング理論に関する豊富な知識に裏付けられた明解なレッスンに定評がある。試打経験も豊富でギアにも造詣が深い

ショートウッド(7Wや9W)というとシニアや女性向けのクラブと思われがち。しかしギアに詳しい永井延宏コーチによると、「D・ジョンソンが使用していることからもわかりますが、最近のショートウッドはプロや上級者が“使える”クラブなんです。重心の深さ、飛距離、弾道、スピン量、そして操作性など、どの面をとっても、ピンを正確に狙うのに適した性能を備えています」という。

とくに弾道に関しては「7WはUTより圧倒的にボールが上がりやすいので、アマチュアにはおすすめです。FWやUTが苦手なゴルファーは球が上がらないのが主な原因。3Wや5W、UTで球が上がらずに悩んでいる人は、ぜひ7Wを試してみてもらいたいですね」

UTは「ラインを出す」
FWは「上げて止める」

UTは浅重心のため低スピンで弾道が強く、アイアンのようにラフからでも打ちやすい。一方、FWは深重心のため打ち出しが高くなりやすく、スピンと高さでボールを止められるのが魅力だ

気になる最新モデル
「エピック」と「シム2」の7Wを比較

「『エピックマックス』と『シム2マックスD』はアマチュアを意識したつかまり重視のやさしいモデル。『エピックスピード』と『シム2マックス』は上級者をイメージした仕上がりで、メーカーの意図が明確に表れています」(永井)

「エピックマックス」と「シム2マックスD」は
つまかりがよく球がラクに上がる

キャロウェイ
エピックマックス

●ロフト/21度
●ヘッド体積/132cc
●長さ/41インチ
●価格/4万1580円~

高さとスピンで止められる
ドライバーで話題を集めた最新技術AI設計の2本の柱とFLASHフェースが特徴で高初速エリアが大幅に拡大。「打った第一印象はボールが上がりやすいということ。シャローフェースで重心も深いため、簡単にボールを拾ってくれます。スピン量も多く、高さとスピンで止められます。飛距離性能も高いです」

テーラーメイド
シム2マックスD

●ロフト/22度
●ヘッド体積/165cc
●長さ/41.75インチ
●価格/4万4000円

球がつかまらない人に最適
ヒールウェイトによるつかまりの向上とVスチールソールの抜けの良さが魅力。「構えた感じはややフックフェースでつかまり重視のデザインです。簡単にボールをつかまえてくれるので打ち出しも高くなりやすいです。球がつかまらない、上がらないと悩むアマチュアには最適でしょう」

「エピックスピード」と「シム2マックス」は
操作性が高く中上級者向け

キャロウェイ
エピックスピード

●ロフト/21度
●ヘッド体積/144cc
●長さ/42インチ
●価格/4万1580円~

さまざまなライに対応できる
低スピンによる飛距離アップを実現したモデル。「マックスよりネックが長く、浅重心に設計され、フェースの高さもあります。これはさまざまなライへの対応力につながります。アイアンのように球の高低や曲がりも操れます。ただ、ヘッドスピードは少し必要でしょう」

テーラーメイド
シム2マックス

●ロフト/21度
●ヘッド体積/160cc
●長さ/41.75インチ
●価格/4万4000円~

適正なスピンで操りやすい
前モデルより低重心化。独自のツイストフェースがより高い再現性と直進性を実現。「ボールのつかまり、上がりやすさは申し分なく、スピン量も適正で強い球で飛距離を伸ばせます。アゴが出ているのであらゆるライでボールをとらえやすく、さまざまな状況で使えそうです」

やさしさ重視だが男子プロも使用

テーラーメイド
シムグローレ

●ロフト/21度
●ヘッド体積/161cc
●長さ/42.25インチ
●価格/4万8510円~

ヘッドが仕事をしてくれる
ツイストフェース、スピードポケットなどシムのテクノロジーを継承して作られた日本モデル。「池田勇太選手(3W)など、男子プロも使うモデル。ヘッドが仕事をしてくれるので何もしなくても簡単に飛ばせます。弾き感のある打感も心地いい。予想以上に飛距離が出ます」

最新の7Wは個性型とバランス型に分かれる

最新7Wを試打した永井コーチは、どう分析したのか?

「ほとんどのモデルはミスの寛容性が高く、ボールをラクに上げられる、バランス型でした。その要因は重心の深さにあるといえます。シャフトもしなるタイプが多く、ゆったり振ることでヘッドが仕事をしてくれます。ホンマの『GS』やスリクソン『ZX』、プロギア『RS5』は非常に完成度が高く、幅広いゴルファーが使える仕上がりです」

一方で、タイトリスト『TSi2』、ピン『G425マックス』、ヤマハ『インプレスUD+2』は性能が明確。「とくに『TSi2』はフェースの高さがあり、深いラフでも球をとらえてくれるでしょう」と永井コーチ。

「ショートウッドは自分が持っているFW、UTとのつながりも重要です。構えやすさ、上がりやすさ、飛距離、ライへの対応力など、キーワードを決めて選ぶと、自分に合うモデルが見つけやすいはずです」

突出した性能を持った「個性型」3モデル

タイトリスト
TSi2

●ロフト/21度
●ヘッド体積/-
●長さ/41.5インチ
●価格/4万9500円

ライを選ばず弾道を操れる
弾道調整機能付き。「ツアーモデルらしい小ぶりヘッドで打感が厚く、ボールがつぶれる感触があります。芯がしっかりあるため、トウ側やヒール側を使うことで弾道も操れます。ライを選ばず、弾道をコントロールしたい上級者やアスリート派におすすめ」

ピン
G425マックス

●ロフト/20.5度
●ヘッド体積/152cc
●長さ/42インチ
●価格/4万7300円

FWよりUTに近いフィーリング
メーカー史上最大の慣性モーメントを実現したブレないモデル。「先端剛性が高いのでFWよりもUTに近いフィーリング。深重心のため、ディボット跡やバンカーからでもラクにボールを上げてくれます」

ヤマハ
インプレスUD+2

●ロフト/19度
●ヘッド体積/150cc
●長さ/42.25インチ
●価格/5万600円

試打した中で飛距離性能は1番
クラウンとソールに設けたスピードポケット構造でボール初速を最大化。「インパクト時の弾き感があり、230Y以上は軽く出ます。つかまりもよく、飛ばしたいゴルファーにぴったり」

幅広い層が使える「バランス型」5モデル

本間ゴルフ
ツアーワールドGS

●ロフト/21度
●ヘッド体積/158cc
●長さ/42インチ
●価格/ 3万8500円~

イメージどおりの球が出る
ソールに設けた「クランクスリット」が反発性能を高め、トウ&ヒールヒットでもギア効果を発揮。「とても打ちやすく、このまますぐに使えそう。操作性が高く、ライン出しのように打っても飛距離が出るのはびっくり。ほどよいヘッドサイズでスクエア感もあり、自分のイメージしたボールが打てます。非常に完成度が高いです」

プロギア
RS5

●ロフト/21度
●ヘッド体積/ 157cc
●長さ/42インチ
●価格/4万9500円

インパクトが分厚く初速が高い
ソール前部に搭載した「スラッシュグルーブ」のたわみで高初速、高弾道を実現。「ソールの溝の効果か、インパクトが厚く、ボール初速が速いです。シャフトとの相性がよく、ヘッド挙動が安定していて直進性も高い。プロ好みの逃げ顔ですが、ボールも上がりやすく、幅広いゴルファーが使えるでしょう」

スリクソン
ZX

●ロフト/21度
●ヘッド体積/126cc
●長さ/42インチ
●価格/4万4000円

プロ好みの顔だが打つとやさしい
シャローヘッド化による低重心設計で高弾道と大きなキャリーを可能に。「ツアーモデルですが、実際に打つと厳しさはなく、やさしいです。スピン量は少なめですが、打ち出しが高いので高さで止められます。軟らかい打感が心地よく、飛距離を稼ぐ、グリーンを狙うなど、幅広く活躍してくれそうです」

ピン
G425 SFT

●ロフト/22度
●ヘッド体積/168cc
●長さ/42インチ
●価格/4万7300円

安心感のある顔で球も上がりやすい
ヒール寄りの重心設計でつかまりが向上、右へのミスを軽減するドロー設計ヘッド。「ウッドらしいヘッド挙動で、ゆったり振るほど、クラブが仕事をしてくれます。『G425マックス』より投影面積が大きく、安心感があり、ボールも上がりやすいです。オートマチックなヘッドはアマチュアに最適」

ダンロップ
ゼクシオプライム

●ロフト/21度 
●ヘッド体積/156cc
●長さ/41.25インチ
●価格/8万2500円

クラブが勝手に飛ばしてくれる
「フラットカップフェース」搭載でフェース全面の反発性能が向上。「ラクにつかまり、ラクに上がります。トウ、ヒールヒットの許容性も高く、ゴルファーが何かしなくてもクラブが飛ばしてくれます。弾き感のある打感、打音はゼクシオらしく、心地いいです」

週刊ゴルフダイジェスト2021年3月2日号より