ドライバーは分かるけど…アイアンの「ロフト角」把握してますか?【ゴルフの数字】
4人1組、1ラウンド18ホール、パー72……ゴルフにまつわるいろいろな数字。知らなくてもゴルフはできるけど、知っていればゴルフがもっと楽しくなる! 今回のテーマはクラブの“ロフト角”について。
ゴルフクラブのフェースには、「ロフト」と呼ばれる傾きがつけられている。垂直な状態から何度傾いているかを表す数値が「ロフト角」だ。
パターを除くクラブのなかで、最もロフトが立っている(ロフト角が小さい)のがドライバーで、その角度は10度前後。フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアン…と短い番手になるにしたがってロフトが寝て(ロフト角が大きくなって)いき、最も大きいウェッジで50~60度ほどとなる。
ロフトが立っているクラブほど、当たったときにボールが前に進む力が強くなるので、より遠くへ飛ばすことができる。一方、ロフトが寝ているクラブは、前に飛ぶ力は弱くなるが、そのぶん高く上がって止まりやすくなる。
またロフトはバックスピン量とも関係し、ロフトが立っていればスピン量は少なく、ロフトが寝ていればスピン量は多くなる。ヘッドスピードの速いプロがロフトの大きなアイアンやウェッジで打つと、落ちたボールが戻ってくるほどの強烈なバックスピンがかかる。
スピン量は少なすぎると浮力が足りずに球が上がらず、多すぎると吹き上がる(途中でホップする)ような球筋になり、どちらも飛距離が稼げない。少しでも遠くに飛ばしたいドライバーは、打ち出しの角度とスピン量が最適になるようなスペックを選びたい。
一般的に、ヘッドスピードが速い人ほど、スピン量が多くなりやすいので、ロフトが立ったクラブが合いやすい。8度や9度といったロフトの立ったドライバーで、わずかなアッパー軌道でボールをとらえることで、十分な打ち出し角度を得つつ、スピン量を抑えることができ、よりボールを遠くに飛ばすことができる。
逆にヘッドスピードが低くて球が上がりにくいという人は、11度や12度など、ロフトが寝たドライバーを使うことで、打ち出しを上げキャリーを稼ぎやすくなる。
今はネック部分についた弾道調整機能により、ロフト角を変えられるモデルも多いので、最初はロフトを大きめに設定しておいて、慣れてきてヘッドスピードが上がってきたらロフトを立てるようにする方法もある。
自分のアイアンのロフト角
パッと言えますか?
ドライバーやフェアウェイウッドと違って、アイアンはクラブに「ロフト角」が表示されていない。そのため、自分の使っているアイアンのそれぞれの番手が、何度のロフト角かを把握している人はあまり多くないだろう。
少し前までは、7番アイアンのロフトが34度ぐらいが一般的だったが、近年ストロングロフト化が進み、7番アイアンで30度前後が一般的となっている。“飛び系”と呼ばれるアイアンでは、7番アイアンのロフトが25度というようなものまであり、同じ7番アイアンでもモデルによって1~2番手分ロフト角が違うことになる。
自分のアイアンのロフトが分からない人は、ウェブ上のカタログなどでチェックしておくと良いだろう。たとえばアイアンセットのPWが120ヤード飛ぶのに、その下の単品買いした52度のAWが90ヤードしか飛ばないとしたら、PWとAWの間が30ヤードも空くことになる。仮にPWのロフトが43度だと分かったら、52度のAWとの間にもう1本、48度のウェッジを入れることで、ロフトピッチを調整でき、きれいな“飛距離の階段”を作ることができる。