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【ドライバー分析】RMXの大逆襲。海外ブランドに一泡ふかせる超巨大慣性モーメント

海外ブランドが幅をきかせる現在のドライバー勢力図。その理由は単純明快。真っすぐ遠くへ飛ぶからだ。そんな中、国産の雄・ヤマハがどこよりも大胆に舵を切ってきた。初速を上げる新たなテクノロジーと極大慣性モーメントを兼ね備えた新「RMX」で世界に挑む。

(左)RMX120 (右)RMX220

前作と10Y違う。このドライバーなら米ツアーでも武器になる

今平周吾プロが手にしているのは、新RMX 120ドライバー

試打データでも遂に世界に追いついた
ドライバーにとって飛距離アップは最大の命題。しかし、同時に顔の良さや打感は決して犠牲にしない、これが国産メーカーの良さとされてきた。しかし、ヤマハはここにメスを入れた。

とにかく飛距離。海外ブランドに真っ向勝負を挑むための大転換である。

その陰には藤田寛之プロや今平周吾プロといったツアー現場の声があった。

藤田 アイアンの距離は同じなのに、ドライバーで20~30ヤード置いていかれる。この違いはここ数年感じていました。

今平 海外に出る機会が多くなって感じるのは、2打目の距離の残り方。ドライバーで飛距離を稼げれば、もっと戦えると思うんです。

その声を受けて新RMXは見た目にも大きく変わった。初速性能の向上、そして慣性モーメントの極大化を図った結果だ。

開発に密接に開発に携わった藤田、今平は早速実戦投入。両者とも約10ヤード飛距離が伸びている。

藤田 今の時代、試打データで性能が丸裸になる。ごまかしのきかない中で、今度のRMXは遂に世界に追いついた。それを実感しています。

今平周吾プロの300Yドライバーショット

スピンが減って明らかに飛ぶ。
あとはこの直進性に慣れるだけ(藤田)

藤田 明らかに球が強くなりました。データ的にもスピンが減って、初速もアップしています。それに大慣性モーメントの効果で直進性が高い。ただ僕は今まで打球をコントロールしてきたので、これには慣れる必要がある。ただ感覚が掴めれば真っすぐ遠くへ飛ばして、スコアにつながる。そんなゴルフができると期待しています

「球が確実に強くなったね」(藤田寛之プロ)

飛びの相乗効果
真っすぐ動くヘッドを、真後ろから押し込む

性能最優先の設計に、ヤマハの覚悟がにじむ

ドライバーの先進派を目指し、新RMXで採用したのは「ブーストリング」というテクノロジーと「大慣性モーメント(MOI)」だ。

叩けるRMX120で5180g㎠、よりやさしいRMX220に至っては5760g㎠と、現行モデルでは最大級のMOIを誇る。

MOIが極大ということは、ヘッドの直進性が高く、芯を外したときにブレにくいということ。

それに加え、「ブーストリング」というフェース近くのリブによって、ヘッドのたわみすぎを抑え、エネルギーロスを防いでくれる。これにより初速がアップするわけだ。

ブーストリング

リブとホーゼルでフェース近くががっちり固められている

極大のMOIで真っすぐ進むヘッドをブーストリングで真後ろから押し出すような形になり、真っすぐ、遠くへと高次元で実現している。

大きく変化した形状に違和感を覚える向きもあるかもしれない。だが、なりふり構わず性能を求めた新RMXからはヤマハの覚悟を感じられるだろう。

RMX 220 Driver

RMX 220

ヘッド後方が低く、いかにもやさしいシャローバック形状。重心深度が深く、芯が広くボールが上がりやすい。

左右MOIはルール上限に肉薄する5760g㎠。ヘッドがかなり後方にストレッチされた、MOIを最優先にした個性的な形状だ。

フェースはシャロー。ボールがセンターより上に当たりやすく高打ち出し・低スピンになりやすい。

RMX 120 Driver

RMX 120

全モデルから大きく変わった1シリーズ。220同様シャローバックでやさしい印象。

前モデルよりもかなりやさしさが増したが、ヤマハらしい顔の良さ、構えやすさは継承されている。左右MOIは5180g㎠と他のドライバーと比較してもかなり高い数値(前作118は4300g㎠)。120でも十二分に直進性の高さを感じる。

球が上がりやすい安心感のあるヘッドの高さ。120はスコアラインが入り、中・上級者も構えやすい

4タイプのシャフトで飛びの可能性が広がる

写真上から
TMX-420D(オリジナル)
Speeder 569 EVOLUTION VI
Diamana ZF50
TOUR AD XC-5

シャフトの選択肢が豊富なRMXの特徴は今回も継続。オリジナルのRとSRは40グラム台と軽量。自分の球筋や弾道の高さに応じて幅広いラインアップから選択できる。もちろんこの他にも数多くのカスタムシャフトが揃っている。

月刊GD2019年11月号より