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「ゴルフ場の蕎麦」の域を超えている! コースで味わえる職人こだわりの蕎麦4選

秋といえば、やっぱり食欲の秋。とくに、これからの時期は、収穫されたばかりの蕎麦の実で打たれる「新蕎麦」が登場する。今回は、コースで職人によるこだわりの蕎麦が味わえる北関東の4コースをご紹介!

PHOTO/Takanori Miki、Akira Kato、Tsukasa Kobayashi、Kenji Kobayashi、ARAKISHIN

「一筋縄にいかないからこそ楽しい。
蕎麦打ちもゴルフも」

サラリーマンをしながら、家業の農家と民宿「やまぐち屋」を営んできた渡部清人さん。蕎麦の栽培から手打ちまで、自ら手掛けた蕎麦が評判を呼び、近くのボナリ高原GCでも、たちまち名物となった。東日本大震災を機に民宿は廃業したが、その後も、蕎麦栽培と評判だった蕎麦打ちは続けてきた。

「もうすぐ今年の蕎麦の実がとれるので、それを使って新蕎麦を打ちます。育つ環境で蕎麦の味はがらりと違うし、蕎麦粉も毎朝の湿度や気温で水の量や練り方も変わってくる。畳み方、切り方で長さや太さを考えながら、その日に合った蕎麦を打っています。ゴルフで『このライや距離なら9番かな』と考えるのと似ていますね。あとこれだけ毎日打っていても、思い通りにならないのもゴルフと一緒です(笑)」(渡部さん)

今年でサラリーマンは定年になったというが、いつまでも美味しい蕎麦を打ち続けてほしい。

ボナリ高原GC(福島県)
ボナリ高原そば 1790円

2000年の開場時から、当時の支配人が渡部さんの打った蕎麦を出したいと直談判し、提供するように。以来、ゴルフ場の名物に定着し、毎朝60食ほど届けられる。ハモの天ぷらや卵焼きなどもついており、見た目にも豪華。今年は11月22日で冬季クローズ。その前に秋蕎麦を味わいたい。

作っている人●渡部清人さん

蕎麦の実の中心だけを贅沢に5分挽きにして使用する渡部さんの蕎麦は白くつややか。すすりやすくするため、通常よりも細く仕上げている。心地いいのど越しと弾力が楽しめる

レイクランドCC(栃木県)
ざる蕎麦 1250円

和食で腕を磨いた荒井正料理長特製の鰹が効いたつゆで頂く。古賀志山の地下水で打った蕎麦は歯切れのいい食感で美味。隣接するログハウス「古賀志山荘」の夜の和食コースでは、自慢の蕎麦の創作料理も提供している。

作っている人●北條麵工房・北條孝男さん

定年退職後、趣味として始め徐々に評判に。蕎麦粉を粗めに挽いた二八蕎麦で、プチッとした食感に仕上げている。朝、打ち立ての蕎麦を配達に行くついでに、そのままラウンドすることもあるというゴルフ好き

烏山城CC(栃木県)
頑固職人の手打ちそば 1700円

総支配人がほれ込み、コースでも提供。蕎麦にうるさいメンバーも納得させる味わい。鰹の効いた特製蕎麦つゆはしっかりと味わいがありながら、蕎麦の香りを邪魔せず、食べた満足感が高い逸品。

作っている人●すずめん・鈴木公二さん

矢板産の玄蕎麦のみを使用し、製粉から自社で行う。歩留まりを6割と低めに抑えることでもちもち感やのど越しが良くなるという。それを圧力をかけながら打つことで、独特な食感が生まれる

郡山熱海CC(福島県)
天ざるそば 1793円

以前は従業員の実家で手打ちしていたが、退職に伴い蕎麦を提供するのが難しくなりメニューから外すことに。しかし、「それはもったいない」と、元プロ野球選手の岩村明憲さんから紹介され、今年からゴルフ場で提供。味がしっかりあり風味豊かな蕎麦は秀逸。

作っている人●加藤そば道場・加藤康明さん

親子3代続く蕎麦名人の3代目。自分で育てた蕎麦の実を使って蕎麦を打つ。白い更科そばの製法を開発したのは康明さんの祖父というが、現在作っているのはあめ色の「近代蕎麦」。モチモチした食感と強いコシが特徴の十割蕎麦だ

まだまだあるぞ!
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