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奄美大島のゴルフ場に絶滅危惧種! その正体は「日本一美しいカエル」?

白いツバメや白いカモシカがゴルフ場に居ついたというニュースは当欄で既報したが、今度はカエルの話題だ。

日本で一番美しいといわれるアマミイシカワガエル。その蛙が奄美大島CC内にある練習場近くの擁壁(ようへき)の水抜き穴に住みついているという。「日本一美しい」といわれるだけあって明るく濃い緑色の背中に金紫の斑文で、非常に鮮やかな体色・模様を持つ。

同カエルは鹿児島県の天然記念物で、森林伐採や道路建設などによる生息地の破壊、および水質汚濁、交通事故、人為的に移入されたハブの天敵であるフイリマングースの捕食などにより生息数は激減。16年には国内希少野生動植物に指定され、環境省レッドリストには絶滅危惧IB類(EN)に載っている。

「そんなに珍しいですかね? コースのあちこちで見たというお客さんもいますよ。マングースやハブから捕食されるのを保護せよという人もいますが、これも自然のままでいいと思っています」(奄美大島CC・支配人)

昔、ゴルフ場は生態系を破壊する“権化”のようにいわれたが、今や逆に生態系を守るといってもよさそうだ。

「農薬や肥料自体も進化し、農水省に登録された安全なものしかゴルフ場では使ってはいけないようになっています。昔とは事情が全然変わってきました」(朝日造園社長・武田光男氏)

そういえば絶滅し、人の手で復活させ、自然に返した朱鷺(トキ)がゴルフ場に住みついたという話もあった。確実にゴルフ場は“自然”に近づいているようだ。

ゴルフ場は生き物にとっても決して悪い環境ではないようだ(PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2022年10月25日号より