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山と温泉に囲まれた群馬県最古のコース「伊香保CC」

名設計家R.T.ジョーンズJr.は日本を「ヤマランド」と呼び、日本のゴルフは山麓でプレーするものと言った。そんな日本の素晴らしいコースを再発見していく連載「ヤマランドニッポン」。今回は温泉地としても有名な群馬県の「伊香保CC」をご紹介。

PHOTO/Hiroyuki Okazawa TEXT/Mika Kawano

17番・173Y・Par3
打ち下ろしで池越えのパー3。右に外すとピンが見えないくらいの高低差があるので注意が必要。グリーンは標高634m地点にある

群馬県で最も歴史のあるゴルフ場

開場1959年、群馬県で最も古い歴史を持つコースが伊香保カントリークラブである。明治時代まで皇室御料林だった水沢山と離山山麓に広がる丘陵ホールは、ホールをセパレートする杉やヒノキが樹齢を感じさせ威風堂々たる趣を醸す。

秦名山、赤城山、谷川岳を間近に望む絶景コースだが、国道を隔てればすぐ伊香保の温泉街という立地も面白い。周囲に名山揃いのヤマランドはこの時季雪化粧した谷川岳がとりわけ美しい。打ち下ろしの17番パー3は2つの池の青と谷川岳の白のコントラストが絶妙のハーモニーを奏でる。

設計はクラシックコースの名手・下山忠廉。重機は使わず手作業で造成が行われたといい、アウトコースはアップダウンがありインコースはドッグレッグホールが多いのが特徴、フェアウェイは広いが2打目は傾斜地から打たされる状況が多々。マネジメント力が試される。

一昨年、開場60周年を迎えるにあたり樹木の伐採や植栽、バンカーの増設、ティーイングエリアの改修などさまざまな改造が行われ生まれ変わった。18年と19年には各ホールの2グリーンすべてを転がりの良い新品種芝ピュアディスティンクションとトリプルセブンに改修。群馬最古のコースは日々進化を続けている。


伊香保CC
18H・7077Y・P72

2021年2月9日号週刊ゴルフダイジェストより