「冬季クローズ」でもオープン!? 雪国コースの冬ビジネス「スノーゴルフ」に注目
冬のクローズは雪国コースの宿命だが、その雪を利用して、冬季でも営業を続けているゴルフ場がある。
北海道にあるゴルフ5カントリー美唄コースがそれで、日本では初となるスノーゴルフの営業を始めた。同コースはピート&ペリー・ダイ親子の設計。女子ツアー「ゴルフ5レディス」の舞台でも知られる。スノーゴルフはフランスが発祥で、グリーンランドでは定期的に試合が行われていて、世界大会もあるという。
スノーゴルフのいちばんの“キモ”は、雪が踏み固められていることにある。フカフカの雪だとボールが埋もれてしまうからだ。同コースの経営母体はアルペングループで、傘下に岐阜のスキー場もあり、そこの圧雪車を借りてきたことで可能になった。
打ちっ放しの練習場のほか、4ホールにピンを立て、料金は2900円(8ホール4400円)、カラーボールを含むレンタルセットも用意されている。注意すべきは防寒対策で、ゴルフシューズは足の先が冷たくなるので暖かいブーツがベストという。営業期間は2月末(土・日・祝)まで。
このプロジェクトを始めた動機を同コース支配人、小水隆史氏は次のように話す。「クローズの期間、ゴルフ場の広さを楽しんでもらいたいのが第一。それに従業員に通年勤務してもらうことで、雇用の確保もあります。コロナ禍の前まではインバウンドのお客さまが1300人ほど入場されていたんですが……。まだ投資額は回収できてはいませんが、期待しています」
北国でゴルフ場がクローズすると、従業員は一時解雇となり、その期間は失業保険でまかない、春再開すると再雇用となる。通年雇用ならば、従業員も不安から解放されるはずだ。
雪上で遊んだあとはクラブハウスでの温かい鍋がおすすめだ。ゴルフ場という広大なスケールとインフラがあればこそのプロジェクトといえるだろう。
週刊ゴルフダイジェスト2022年3月1日号より
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