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【名物ホールでいつかバーディ】Vol.5 眼前に広がるウェイストバンカーの波「廣野GC」18番パー4

かつてチョイス誌の編集長も務めたゴルフコースのスペシャリストが日本全国の名物ホールをレポート。今回紹介するのは、廣野GCの18番ホール。

【名物ホールFile 5】

廣野GC 18番ホール
456Y PAR4

「原点回帰」でさらに評価を高めた
一度は回りたいクラシックコース

世界で最も評価が高い日本のコース、廣野GC。1932年の完成時から注目を集め、翌年の米ゴルフ誌では「パインバレーの趣がある」と紹介された。

パインバレーの監修をしたのがアリソンの師匠ハリー・コルトで、1918年からはアリソンが引き継ぎ、22年に完成させた。この頃からアリソンのコース設計に変化が表れ、バンカーが特徴的になり難易度が増したとされる。廣野GCが「パインバレーのよう」と評されたのはそのような背景からだ。

改造前に数度回っていたが、「原点回帰」をテーマに改造された直後にもプレーする機会に浴した。印象はやはり「パインバレーの趣」そのもの。まず強いインパクトを受けたのはウェイストバンカーで、目の前に広がる現実の景観に圧倒されてしまった。ウェイストバンカーに打ちこみ脱出に3回もかかってしまったホールがあったが、キャディさんの「そこはソールできますよ」の声で我に返ったほど浮足立っていたのを鮮明に覚えている。

廣野GCの名物ホールに、池越えの13番パー3を挙げる人は多いが、こことはいつも相性が良いので、個人的には18番ホールを選びたい。ドライバーを構えると、広大なウェイストバンカーが視界に入る。ミスしてそこに打ち込めば、スタンスが不安定なうえに、残り距離はまだたっぷりとある。18番に来るまでさんざん打ちのめされてきた……。「よし!」と気合を入れてみたものの、確かな技術がなければ廣野GCの攻略は難しいのだ。

庶民派メニューこそ廣野の伝統的な味

廣野の朝は名物のタマゴサンドトーストがいい。ランチはカレーかやきめしがベストで、いたって庶民的なメニューが並ぶ

廣野ゴルフ倶楽部

兵庫県三木市志染町広野7-3
18H・7297Y・P72 
コース設計/チャールズ・H・アリソン
改造/マーティン・イーバート


文/吉川丈雄

特別編集委員。1970年代からアジア、欧州、北米などのコースを取材。チョイス誌編集長も務めたコースのスペシャリスト。現在、チョイス誌ベスト100選考委員、日本ゴルフコース設計者協会名誉協力会員としても活動


月刊ゴルフダイジェスト2021年9月号より