Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • コース・プレー
  • 【競技ゴルフのススメ】<後編>競技デビュー完全ガイド! 最低限押さえておきたいルールから必要な準備まで

【競技ゴルフのススメ】<後編>競技デビュー完全ガイド! 最低限押さえておきたいルールから必要な準備まで

初めて競技ゴルフに挑戦するなら、何から始めればいいのか迷うもの。ここでは、競技ゴルフデビューのために押さえておきたいステップや、初心者におすすめの大会形式を具体的にご紹介!

>>前編はこちら

「練習も大切ですが
まずはルールを復習しましょう」

解説/堀越良和

ギアに精通しあらゆるギアをテストする“キング・オブ・試打”。初級者から上級者まで分かりやすいレッスンにも定評がある。クレアゴルフフィールド所属

競技デビューするにあたって押さえておきたいポイントを堀越良和プロに聞いた。

「競技ゴルフに出る前に、まずは一通りルールを学んでおきましょう。特にペナルティーエリアの処置は競技でも遭遇しやすい状況です。競技の場合、自身のプレーのためにもそうですが、同伴プレーヤーのマーカーにもなるので、その点はしっかり認識しておきましょう。また、アンプレヤブルの対処や人工物の救済に関しても、しっかり事前に確認しておくことです」

さらに、競技ゴルファーとして心得ておくべき点があると堀越プロは言う。

「ゴルファーとして当たり前のマナーは必ず守るべきです。フェアウェイの目土やグリーンのピッチマークの補修は必ずやってください。また、競技中同伴者も自分も不明な複雑なケースに遭遇することもあります。競技委員が来られない場合もあるので、キャディバッグにルールブックを携帯しましょう。ボールも同伴者に捜してもらう可能性が高いので、識別できるようにしておくことが大切ですね」

競技デビューのゴルファーに陥りがちな落とし穴があるという。

「当たり前ですが、仲間内でのラウンドとは違ってOKがないです。事前にショートパットは入念にやっておいたほうがいいです。また、競技デビューのゴルファーはクラブを14本以上入れている場合、絶対に事前に抜いてください。ごくたまにプロでもやるミスですが、緊張している競技初心者は特に要注意です。また、初めて試合に出る人は大会独自の受付に寄らずロッカーに行く人がいます。必ずコースのフロントと大会の受付の両方でチェックインをしてください。競技に出ると緊張などで普段通りの自分ではなくなることがあります。競技は場慣れが重要なので、継続して参加することをおすすめします」

ペナルティーエリアの処置

ペナルティーエリアには、イエローペナルティーエリアとレッドペナルティーエリアの2つがある。イエローでは、元の位置に戻って打ち直すか、ボールが横切った地点の後方にドロップして1罰打で打てる。レッドペナルティーエリアはそれに加えて、ボールが横切った地点から2クラブ以内でホールに近づかない場所にドロップする「ラテラル救済」も可能

アンプレヤブル

木や茂みなどの影響で打つのが困難な状態では、ペナルティーエリア同様に元の位置から打ち直すか、ボールの位置からピンに近づかない範囲の2クラブ以内でドロップ、または、ピンとボールを結んだ後方線上にドロップして、1罰打を加算してプレーすることができる

人工物からの救済

レーキなど動かせる物は動かして、無罰でプレー可能。プレーが困難なカート道などの場合は、ニヤレストポイントを決定する。そこからピンに近づかない1クラブ以内にドロップ。ボールが範囲内に止まらない場合は、2回目のドロップでボールが落下した地点にプレースする

目土

競技に限ったことではないが、目土袋を携帯し、ディボット跡に目土をする習慣をつけよう。芝生の保護の観点でも目土を迅速にすれば、早期に修復ができる。競技の時だけでなく普段から必ずやろう

ピッチマークを直す

こちらも競技に限ったことでないが、グリーンのコンディションを保つためにピッチマークは必ず直すようにしよう。補修を怠ると芝が枯れてしまい、ボールの転がりに影響が出る。みんなが気持ちよくゴルフするために、率先して修復しよう

ルールブックを携帯

競技中、自身もマーカーも対処がわからないケースがある。加えて、競技委員もすぐに来られない場合に、ルールブックが手元にあれば安心。コンパクトなタイプを1冊買ってキャディバッグに入れておこう

>>おすすめルールブックはこちら

ボールの銘柄を揃える

ボールの銘柄がバラバラだと、ボールが林に入った際などに自分がどのボールを使っていたか分からなくなってしまうことがある。1ラウンドを通じて同じ銘柄のボールを使用するのが望ましい。暫定球のときのために、ボールナンバーが異なるものを用意しておくか、カラーペンで色違いの目印をつけておこう。同伴者と銘柄がかぶったときのために印をつけておくことも忘れずに

「OK」はない!
ショートパットの練習をしておこう

日頃のラウンドだと当たり前のようにOKが採用されるが、競技では最後までストロークしなければならない。日頃OKがもらえる距離は実はいやらしい距離だったりする。もったいない1打を減らす意味でも、重点的にショートパットを練習する必要がある

競技デビューには
“スクランブル”がオススメ!

競技デビューにおいて、果たしてどの競技からスタートするべきか迷うはず。もし、個人戦やダブルスでハードルが高いと感じるならば、スクランブルなら気軽に参加しやすい。その理由を、神奈川県ゴルフ協会専任理事で神奈川県の国体の監督を務める関口洋一さんに教えてもらった。

「特有の張り詰めた緊張感が競技ゴルフの醍醐味だったりしますが、一定の実力がないと出られない個人戦が多いのも事実です。腕に自信がない人や個人戦のハードルが高く感じる人はスクランブルからデビューするのがいいでしょう。4人ないし2人で1チームとして、ラウンドします。1人がミスをしてしまっても、仲間がそのミスを取り返せばスコアに影響が出ないので、ミスを引きずることなく、楽しくプレーできます。腕前に自信がなかったり、初心者のゴルファーでものびのび競技を楽しめる点はスクランブルのいいところで、気軽にエントリーしやすい理由です」

●ミスを仲間でカバーし合える
スクランブルの場合、1つのミスがチームのスコアに大きく影響することが少ない。仲間同士で持ちつ持たれつ楽しくプレーができるので、初心者やゴルフの腕前に自信がない人でも参加しやすいのが特徴
プレッシャーが少なくのびのびできる
個人戦やダブルスでは、緊張感があるなかでのプレーのため、一打一打がプレッシャーになってくるケースがあるが、スクランブルの場合、同伴者は仲間。張り詰めた空気での競技でないため、参加しやすい

では、スクランブルゴルフはいったいどういう競技なのか。

「スクランブルゴルフは4人もしくは2人1チームで開催する場合が多いです。特色として、各プレーヤーにティーショット採用のノルマがあります。4人の場合、1人4ホールが多く、2人の場合、6ホールや7ホールといったところです。このティーショット採用のノルマが、よりスクランブルを面白くしてくれます。普段のラウンドではマネジメントを考えるようなティーショットも、スクランブルではのびのび振れることが多いです。

続いて、各ショットでベストボールを採用して次打のショット場所が決まります。これもスクランブルを面白くする醍醐味の一つで、基本的にはチームでベストポジションのボールを採用し続けてプレーします。なので、いいスコアを出しやすく、優勝争いをするツアープロのスコアくらいでラウンドできることもあり、やはり気持ちいいものですよね。ただ、単純にいい位置からのボールを採用し続けるということでもなく、とくにティーショットはノルマとの兼ね合いがあり、スクランブル特有のチームマネジメントが存在するので、これもまた面白いところです。

前述したように、初心者でも気兼ねなく楽しめるというのは、他の個人戦やダブルスなどにはない、スクランブル特有の魅力になります。加えて、上級者やゴルフに行き詰まっている人などもスクランブルは普段のゴルフとは違った観点からゴルフを楽しめるので、新たな気付きがあったりなど、一度出てみると本当に有意義です。例えば、パターが苦手な人が、スクランブルの場合、気兼ねなく入れにいけることによって、苦手を克服したり、普段縮こまったティーショットを打ってる人が、スクランブルでのびのび打てて飛ばしに開眼したりなど、新たな一面に出合える可能性も秘めています。本当に奥が深い競技です」

ティーショットのノルマがある

スクランブルを象徴するルールのひとつ。1人あたりのティーショットの採用回数のノルマがある。なお、ノルマがクリアできなければ2罰打が加算されてしまう

いいスコアが出やすい

各ショットで4人の中の一番状況がいいボールを選択できるので、自然とスコアが良くなる傾向がある。普段ではなかなか出せないようなスコアもスクランブルなら出せる

ベストボール方式

ティーショットの回数ノルマ同様にスクランブルを面白くするルール。チーム内でベストボールを選択し、30センチ以内にリプレースし、全員がショットする

初心者も上級者も楽しめる

腕に自信がない初心者も腕自慢の上級者もみんなが参加しやすいのが他のゴルフの競技にはないスクランブルの魅力。形式も多様化され、年々参加しやすくなっている

10月31日からスタート!
ゴルフダイジェストのスクランブル大会

10月末からスタートするゴルフダイジェスト・スクランブルゴルフ。今年も決勝の舞台は宮崎県のフェニックスCC。全国各地で予選を開催する。フェニックスCCを目指して参加してみてはいかがだろう

週刊ゴルフダイジェスト2025年9月30日号より