【ゴルフせんとや生まれけむ】池谷敏郎<後編>「目標はエージシュート! 医師ならではの秘策があります」
ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続き医師の池谷敏郎氏。
40歳で約10年ぶりにゴルフを再開し、今度こそは綺麗なスウィングでレベルアップしたいとの思いが強くなりました。そんな時出会ったのが「GENTEN」でした。このスクールのプログラムは画期的で、午前中にドライビングレンジでのレッスン、午後からは最終組の後にハーフだけラウンドレッスンを受けるというもの。頻繁に通って上達しようと意気込みましたが、壁は妻でした(笑)。「ゴルフに行ってくる」と言うと「忙しいのにゴルフばっかり」と小言をもらっちゃいますし「コンペで優勝したよ」と言っても「ふーん」といったふうで(笑)。そこで僕は考えました。これはもう妻を巻き込むしかない、と。最初は渋々参加していた妻でしたが、そのうちすっかりハマり、やがてレッスンで頻繁に通った埼玉の高坂カントリーにほれ込み、今では夫婦でメンバー。もちろん妻の小言は激減し、作戦大成功です(笑)。
そして2017年、僕のゴルフ人生に“奇跡”が起きました。大学病院の恩師の紹介で、あの霞ヶ関カンツリー倶楽部の会員になることができたのです。霞ヶ関といえば去年の東京オリンピックの舞台にもなった名コースです。入会の審査がかなり厳しいと聞いていましたので、どうかなと思っていたのですが、何とか入れていただくことができました。倶楽部では、さまざまな慣例や規則があり、服装についてもかなりシビア。初ラウンドの際、紺色ベースに小さな水玉の柄が入ったポロシャツを着てプレーしました。僕のなかでは、かなり地味なウェアのつもりでしたが、メンバーの方から「それがギリギリ」と言われて「そうなのか!」と。さらにプレーファストなどいろいろと気を使うところもありますが、ここでプレーできればマナーやルールはどこに行っても通用します。その意味でも霞ヶ関の会員になれたこと、そして、ハンディキャップ付きの正式競技であるキャプテン杯で優勝し、小さいながらもクラブハウスのトロフィのボードに名前が刻まれたことは、僕にとって大きな誇りでもあります。
スコアについて。ベストは80です。これまで80は何回も出しているのにあと1打、70台が出せないのです。原因はメンタルだと思っています。「今日は70台で回れそうだ」と思った途端、突然OBが出たり、ショートパットを外してしまったり。なかなか思うようにいかないのがゴルフの面白さではありますが、何とかメンタルを整えて早く70台を出したいですね。
そして最後に僕のゴルフの夢を。これは「一度でいいからエージシュートを達成したい」です。今のスコアでは難しいのはよくわかっていますが、僕には“秘策”があります。健康寿命を1年でも長く延ばして、80歳を超えても元気でプレーするということです。エージシュートは年齢以下のスコアで回ればいいのですから、スコアが80でも80歳ならエージシュート。ならば、スコアと健康寿命の両面作戦です。僕は健康寿命を延ばすことに関しては曲がりなりにもプロなので、そちらには自信があります(笑)。あとは、日々練習を重ね、いぶし銀の技術を身につけたいと思っています。
池谷敏郎
1962年東京都生まれ(都立国立高校が1980年に甲子園出場を果たした際に3年生で在学)の医師。血管、心臓などの循環器系の専門家として著作も多く、テレビ、ラジオ、講演会などにも引っ張りだこ。ベストスコア80
週刊ゴルフダイジェスト2022年11月29日号より