Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • コラム
  • これはさすがに打てないかも! そんなときの救済法「アンプレヤブル」の正しい処置をおさらい 【これだけゴルフルール】

これはさすがに打てないかも! そんなときの救済法「アンプレヤブル」の正しい処置をおさらい 【これだけゴルフルール】

2019年のルール大改正でやさしくなったとはいえ、まだまだ複雑なゴルフルール。すべてを頭に入れておくのは大変だが、ゴルフを楽しむうえで、最低限のルールは覚えておきたい。今回は、知っておくと役に立つ「アンプレヤブル」のルールをご紹介!

ケガを最小限に食い止められる

球が木の根元に止まってしまったり、ブッシュの中に入ってしまい、その場所からは打てない、または打ちたくない場合がある。そんなときは1罰打での救済処置「アンプレヤブル」を使おう。難しそうな名前だが「un-play-able」、すなわち「プレーすることができない」という意味で、救済処置は(1)ストロークと距離の救済、(2)後方線上の救済、(3)ラテラル救済の3つから選ぶことができる。

(1)の「ストロークと距離の救済」とは、ゴルフ特有の表現で非常に分かりにくいが、簡単にいえば元の場所に戻って打ち直すということ。たとえば2打目として打ったボールが打てないところに行ってしまい、この「ストロークと距離の救済」を選択する場合、2打目を打った地点に戻って1罰打を付加し、次が4打目となる。アンプレヤブルの3つの処置のなかで最も損する可能性が高く、実際にはこの処置を取る人は少ないだろう。

(2)の「後方線上の救済」は、球とホール(ピン)を結んだ線上で、その球よりも後方にドロップするというもの。この処置のポイントは、後方であればどれだけ遠ざかっても良いということ。たとえばピンまで50ヤードと中途半端な距離で、かつ池越えになるような場所でアンプレヤブルを宣言する場合は、あえてピンから遠ざかってでも、フルショットで打てる得意な距離(100Y地点など)にドロップしたほうが結果がいいケースもある。状況によってはこの選択肢もアリだ。

(3)の「ラテラル救済」は、アンプレヤブルの処置で最も一般的。ラテラルは「横の」という意味で、ホールから遠ざかりたくない場合はこの救済を選ぶのがベター。元の球から2クラブレングス(最も長いクラブ2本分)の範囲で、ホールに近づかない位置にドロップすることができるというものだ。

どの処置も1罰打がついてしまうので、痛いことは痛いが、アンプレヤブルを使わずに無理してそのまま打つと、もっと恐ろしい事態になる可能性もあるので、1打ではとても脱出できないと思ったら積極的にアンプレヤブルを宣言しよう。

バンカー恐怖症の人に朗報!?

バンカー内でも、球がバンカーのアゴに食い込んでしまったり、打つのが困難な状態のときに、アンプレヤブルを宣言することで救済を受けることができる。それなら、バンカーが苦手なら、バンカーに球が入った瞬間アンプレヤブルを宣言して、1罰打でバンカーの外に出してしまえばいい、と考える人もいるかもしれないが、そうは問屋が卸さない。

バンカー内でも、前述のアンプレヤブルの3つの処置を選ぶことはできるのだが、(2)と(3)を選んだ場合、“同じバンカー内”にドロップしなければならないという制約がある。どうしてもバンカーから出たければ、(1)の処置を選択して前打位置に戻るしかない。

ところが、2019年のルール大改正で、バンカー内のアンプレヤブルに新たな選択肢が加わった。それが(4)2罰打でバンカーの外(後方線上)に出せる、というものだ。バンカーの外に出せるとはいえ、2罰打であることと、後方線上ということで、ミスすると再度同じバンカーに入れてしまう可能性もあるが、バンカーだけが異常に苦手で、入ると必ず2打、3打を費やしてしまうという人は、思い切ってこの(4)の処置を選択するのも手だ。

ゴルフの大原則に、「あるがままにプレー」というものがあるが、たった1打(ないし2打)のペナルティを払うだけで、この原則を回避できる抜け道があるということを覚えておこう。

Myゴルフダイジェスト有料会員になると
スマホでいつでもルールが確認できる!

『2021-2022 GOLF DIGEST ゴルフルール早わかり集』

Myゴルフダイジェスト有料会員は電子版をご覧いただけます