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【当たるも八卦当たらぬも八卦】Vol.71「サクラの花の色、北と南でどっちが濃い?」

KEYWORD 森田光正

ゴルフを愛する気象予報士・森田正光氏による気象コラム「当たるも八卦 当たらぬも八卦」。第71回は「サクラ」にまつわるお話。

ILLUST/Sakiko Makita

桜の花は北国ほどピンクが濃い

桜(ソメイヨシノ)の季節になると時々、「今年の桜は色が薄いのでは?」とか「桜の色が、昔に比べて薄くなっているのでは?」との疑問をいただきます。二十年くらい前、ラジオで森本毅郎さんからも同様のご質問を受けて、そのときは「錯覚ではないか」と答えました。

色の感じ方は人によって違いますし、年齢によって見え方も変わったりしますから、錯覚ということも十分考えられます。そもそも桜の花びらの色素は薄いので、ピンクよりは白に近いのです。しかし、我々の頭の中は「桜はピンク」と記憶されていますから、昔はもっと色が濃かったはずだと錯覚するわけです。


とはいっても、毎年桜の色がまったく同じかというと、最近の研究ではそうでもないらしいのです。桜の淡い色の正体はアントシアニンと呼ばれる植物色素です。野菜や果物の赤い色も同じ色素で、植物が紫外線などから身(実)を守るために、こうした色素を出すと考えられています。

おもしろいのは、このアントシアニンは、開花直前の気温や光によって、生成の量が異なることです。つぼみのときに太陽の光を浴び、また気温が低いほどアントシアニンの量が多くなるのです。

どうしてそれが言えるかというと、観賞用に“ソメイヨシノ”の切り枝を室内(蛍光灯)で開花させると、どうやっても花は白色になってピンクにはなりません。そこから太陽の光がアントシアニンの生成に不可欠だと分かったのです。

これは、桜の色が場所によって違うことを示唆しています。関東から西では、桜の開花は大体3月中旬から下旬です。一方、北日本では4月下旬から5月の上旬に開花します。

つまり、開花時期の遅い北日本のほうが太陽光が強いので、アントシアニンの生成が盛んになります。したがって桜は、開花の遅い北国のほうが花びらのピンクは濃いと言えるのです。

森田正光

TBS報道番組「Nスタ」でお馴染み。監修した書籍『空の手帳』が人気。ツイッターは@wm_moritaで検索

月刊ゴルフダイジェスト2022年4月号より