【ゴルフせんとや生まれけむ】佐藤拓也<後編>「ラウンドの予定は飲み屋で決まります」
ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続きミュージシャンの佐藤拓也氏。
ゴルフを始めたことで、これまで自分とは縁のなかった時間や場所に“遭遇”することができました。それは突然、新しい世界に放り込まれたような感じです。
例えば昨夏ハマった、早朝スルー。「普段はちょっとお高めのコースが気軽に回れるよ」と誘われ、その時は何も知らずに二つ返事でOKしたのですが、まさか真夜中に出発するとは思いませんでした(笑)。大好きなお酒でも飲んでいなければ絶対に起きていないような時間帯にみんなでモゾモゾと集まり、夜明けとともにティーショット。18ホール回りきってもまだ正午という時間の使い方は、なんともいえない“トクした感”がありました。
僕が「ゴルフを始めた」と言うと、ラウンドに誘ってくれたり、技術的なことを教えてくれたり、ときにはクラブをくれる人もいます。近所にある行きつけの飲み屋のゴルファー率の高さといったら、それはもう行けば誰か一人は前回のラウンドの話をしてる感じ。今までは耳にも入ってこなかった言葉に敏感になっている自分がいます。「んん? 今、テークバックがどうって話してました?」みたいな。そこの常連さん同士で回ることも多くて、いろんなコースに行って経験値をためていきたい僕にとってはありがたいお誘いばかり。日中一緒に練習場に行ったりもするんですよ。「拓ちゃん、次の水曜空いてる?」って。ゴルフは個人でやるスポーツなのに、こんなに人の輪が広がるなんて思っていませんでした。
ラウンドに誘ってくれる人もいろいろタイプがあって、自分のメンバーコースに連れて行ってくれる人、トリッキーなレイアウトが好きな人、ベストスコア狙いでコースを選ぶ人。早朝スルーに誘ってくれたのも飲み屋の常連さんでした。たまに自分の知らないうちにスケジュールが決められてて「行けるよね?」みたいなこともあります(笑)。
音楽関係では、シンガーソングライターのKさんとご一緒させてもらい、すごく上手くてカッコよかったです! スタッフの方とよく回るみたいで、この前のツアーでは3ラウンドしたとおっしゃっていました。andropで全国ツアーをして、各地のゴルフ場を回るなんて夢ですね。
実は僕、旅行も趣味でして(笑)。それが高じて飛行機に乗りまくり、念願かなって飛行機会社のかなり上位のステータスをゲット。その特典をよく見ると、家から空港までキャディバッグを無料で送れるなど、ゴルファー向けのサービスが多いんですよね。冊子やサイトで紹介されている海外のコースも回ってみたいです。やっぱり憧れはハワイ。それまでにはボールをしっかりコントロールできるようになり、風景や空気感などの雰囲気を楽しめるようにしておきたいですね。
今回、週刊ゴルフダイジェストに出させてもらったことで、僕がゴルフにハマっているということを知り、また新しいお誘いが増えることをひそかに楽しみにしているんです。「ハマってるなら、早く言ってよ!」なんて誘われるの、待ってます(笑)。
佐藤拓也
さとうたくや。愛知県岡崎市出身。4人組バンドandropのギター担当。2009年にCDデビューし、これまでに11枚のアルバムをリリース。2014年代々木第一体育館で単独公演を実施。ドラマ「グッドドクター」など数多くのドラマ、映画、CM等の楽曲を手がける。昨年12月、約4年ぶりとなるフルアルバム「effector」をリリース。ベストスコア99
週刊ゴルフダイジェスト2022年2月22日号より