【ゴルフ初物語】Vol.75 アマの国別対抗戦「アイゼンハワートロフィ」。日本初開催となった1962年大会の会場は?
今年8月、4年ぶりに開催される世界アマチュアゴルフチーム選手権(アイゼンハワートロフィ)。日本では、2014年の9月に軽井沢で第29回大会が開催されたが、60年前の1962年、第3回大会が川奈で開催されていた。
日米対抗から世界大会に発展
1957年に日本でアマチュアによる日米対抗のチーム戦の構想が持ち上がった。だが日本から打診を受けた全米ゴルフ協会には、他の国からも同じようなオファーがあり、日米対抗の代わりに世界チーム選手権を提案。そこにR&Aも加わり、58年5月、35カ国により世界アマチュアカウンシル(現・国際ゴルフ連盟/IGF)が設立。大会の趣旨に賛同した当時の米国大統領D・アイゼンハワーが優勝杯を寄贈したことから「アイゼンハワートロフィ」と呼ばれ、同年10月に第1回世界アマチュアゴルフチーム選手権がセントアンドリュース・オールドコースで開かれ、プレーオフの末オーストラリアが勝利した。大会は隔年で行われることになり、2年後の60年にはアメリカのメリオンで開催されジャック・ニクラスを擁した米国選抜が優勝。そして62年の第3回大会は日本で開催された。
当初、開催予定コースには東京GCと霞ヶ関CCの名が挙がっていたが、選ばれたのは川奈ホテルGC富士コース。川奈ホテルは当時207人の収容力を持ち、参加42カ国、168人の選手と関係者を同時に収容することができ、友好と国際親善が深められると評価されたためだ。日本はキャプテン石本喜義、中部銀次郎、鍋島直要、広瀬義兼という当時の日本アマチュア界を代表する4人が出場して5位の成績を収めた。
84年に香港で開かれた第14回大会では、キャプテン中部銀次郎率いる日本チームが初制覇、阪田哲男が個人優勝を果たす快挙を達成。2014年には52年ぶりに日本の軽井沢72ゴルフ東コースで行われている。20年大会は中止となり、今年4年ぶりに開催される世界アマチーム戦。18年ライダーカップの舞台となったフランスのル・ゴルフ・ナショナルで8月に開催される。
第3回大会を制した米国チーム。左からラブロン・ハリスJr.、リチャード・サイクス、ジョン・エイムズ(ノンプレーイング・キャプテン)、ビリー・ジョー・パットン、ディーン・ビーマン
週刊ゴルフダイジェスト2022年2月22日号より
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