【只今コージ中!】Vol.75 これぞ日本が誇る世界最安ゴルフドライブカー! トヨタ「GR86」
ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第55回はトヨタ「GR86」の実力をチェック!
PHOTO/Hirohiko Mochizuki MODEL/Rei Himesaki(GOLULU) THANKS/加茂CC
不肖小沢、改めて思いました。これぞ日本が誇るゴルフドライブカーであり、それこそタイガー・ウッズや松山英樹選手にも乗ってほしいメイド・イン・ジャパンだと。それはトヨタが生んだ新型GR86であり、兄弟車スバルBRZです。
え? 単なる大衆スポーツカーなのになぜと言うなかれ。このスポーツカー冬の時代、300万円台で買えるピュアスポーツカーは世界的にレアです。今やスポーツカーと言えば700万円以上のポルシェや3000万円級のフェラーリ、ランボルギーニぐらい。少数生産のお金持ち向けとしてしか生き残れません。
結局スポーツカーは台数が出ないのです。同じ300万円でひと2人が乗れるスポーツカーと5人と荷物が積めるSUVだったら後者が売れます。また、かつては実用車の上屋だけ替えて作れた大衆スポーツですが、今や安全基準が厳しく、費用がかさむ衝突実験もやり直さなければならず昔ほど安く作れないのです。
そんななか、300万円前後で買えるスポーツカーといえば先日フルモデルチェンジした新型GR86&スバルBRZの兄弟車とマツダ・ロードスターぐらいのもの。日本ブランドは、利益の少なさにもめげず世界的に頑張って大衆スポーツカー文化を絶やさずにいるのです。特にキャディバッグが2つ以上積めるのは86&BRZのみ。ゴルフに2人で行ける大衆スポーツカーは新型86と兄弟車BRZだけなのです。まさに世界最安のゴルフ向けスポーツカー。これをゴルフ&クルマ好きとして誇らずにいられましょうか!
しかも新型86は価格をさほど上げずに性能を上げています。自慢の水平対向4気筒エンジンは排気量が2リッターから2.4リッターに増えてピークパワー&トルクが235ps&250Nmにアップ。ボディも骨格は流用しながら新世代プラットフォーム技術で開発したインナーフレーム構造を初採用。結果、ねじり剛性は従来比で50%もアップ。同時にボンネット、ルーフ、フロントフェンダーをアルミ化、重心を下げると共に車重をほぼキープ。走りの爽快感は上がっています。
肝心のラゲッジ容量ですが、リアシートを倒せばキャディバッグを2本どころか楽勝で3本積載。まさに日本が生んだ世界最安ゴルフ向けスポーツカー。ゴルフだけでなく、行き帰りのドライブまで楽しめるわけでまさに一石二鳥なのです。
(左)荷室リアシートの背もたれを倒すとキャディバッグ3本はラクラク積載できる。しっかり詰めれば4本も可能/(右上)ブラック×レッドのインテリアは「RZ」でしか選べないカラーリング/(右下)ベルトラインから水平に通ったフェンダートップがFRスポーツらしさを強調している
トヨタ
GR86 RZ(FR/6AT)
全長×全幅×全高/4265×1775×1310mm
メーカー希望小売価格/351万2000円~
週刊ゴルフダイジェスト2022年2月15日号より