【大人ゴルフの歩き方】Vol.10「メンバーさんいらっしゃ~い」
スコアだけがゴルフじゃない! コラムニスト・木村和久が独自の視点から現代の正しいゴルフの在り方を指南。
ILLUST/Shinichi Hoshi
第10講 メンバーさんいらっしゃ~い
(1)一度はメンバーになってみたいな
(2)メンバーはいいなと言われたい
メンバーになるメリットとは
ゴルフをやるからには100を切れ。それは、前回やりました。次は、いっぱしのアマチュアゴルファーになったからには、メンバーになってみよう。今回はこれがテーマ。題してメンバーさんいらっしゃ~い、なのだ。
まずメンバーになって何が良いのか。友の会やひとり予約全盛の今、違いをなかなか見いだせません。メンバーになって一番良かったと思うことは、自分の居場所を見つけたことだ、としみじみ思います。同じような年収に、同じような生活スタイル、同じプレー環境、そんな同じ匂いのするメンバーと一緒にラウンドするのは、妙な心地良さがあります。
メンバーデーにひとりで赴き、メンバーロッカーやメンバーラウンジを使う。メンバー定食食べて、メンマーつまんでって、そこは違うか。
それにクラブ競技に出られることが、何より嬉しいです。月例をはじめ、理事長杯、スクラッチ選手権、クラブ選手権など、ちょっとした緊張感のもとに試合が進められる。怖がらずハンディを取って出ましょう。案外、みんな下手なのに驚きますから。逆に競技に参加しなかったら、メンバーになる必要性はさほどないかもしれませんよ。
●同じ匂い
オーデコロンのような匂いじゃないよ。同じ生活水準ということ
●メンバー定食
昔、食べたけど安いだけ。ほかメンバータグを貰い、キャディバッグに付けるのが嬉しい。メンバーボードに名前が張られるのもね
●みんな下手
競技と聞くと強者の集まりと思うが、ハンディ20以上も結構いる。むしろ入賞の可能性が大
●違いを
友の会でも予約、料金割引、ハンディ取得、親睦コンペ、ひとり予約などできる。メンバーは正式競技に出られる。そしてメンバーであること、そのものに価値がある
どうやってメンバーになるのか
それではメンバーになってみましょうか。理想は友達がどこぞのメンバーで、そこに行きつつ、紹介されてメンバーになる。これがベストです。コース選びをする手間が省けるし、入会の段取りも簡単だからです。
キャバクラでも案内所の紹介とはいえ、知らない店に入るのは勇気がいるでしょ。友達が通っている店なら安心、それと同じことですね。
とはいえ身近にそんな友達がいない方は、ゴルフ会員権屋さんに行くのがよろしいでしょう。そこで希望コースを語り、推奨コースも聞きつつ、相談しましょう。理想は大手の有名業者がオススメです。GD社もやってますよ。大手は在庫が豊富で、視察プレーが容易ですから。
過去に何度か行ったコースでも、改めて視察プレーすることは大事です。チェックポイントは多岐に渡ります。コース、練習場、ロッカー、服装、食事、風呂、客層、雰囲気など気になる点を調べましょう。あとコースの距離が長いのもね。年を取ると飛ばないので100叩きばかりになります。良いスコアが出る、距離が程々のコースを薦めます。多くの競技はバックティーかブルーティーだし。そこで打つと、マジ気持ちが萎えます。
気に入ったら会員権屋さんにオーダーですが、会員権は取り引きの世界。定価じゃないのです。相場が300万円なら250万円の買いでオーダーを出すのがよろしい。突然至急売りが出ることもあるので、それを買えば良いのです。焦って相場通りで買いを指示すると、高く買うことに。希望の金額で買えたら面接です。審査が通ればクラブハウスの掲示板に、入会申請書が張りだされ、何事もなければ晴れてメンバーに。いよいよメンバーライフ開始。友達の紹介組は仲良しラインに乗り、すぐ和気あいあいに。単身乗り込み組は、圧の強いメンバーが多いので、そこは様子見して、誰がキーマンか見定めましょう。メンバーライフは思い描いているほど、平等や博愛に満ち溢れていませんよ。あしからず。
●ゴルフ会員権屋
入会金は現金払いが多いが、会員権そのものはローンを組んでくれる。メンバーの紹介もしてくれるし、会員権業者は凄く便利
●チェックポイント
トイレの温水シャワー洗浄器の水圧、コース内のトイレ数、風呂場のバスタオルの薄さ、風呂の温度、宅配便の業者は、フロントに看板娘はいるか? どうでもいいことが気になる
●至急売り
いろいろ事情があって売らねばならない。そういう至急売りは安い
●張りだされ
約ひと月の公開処刑。知り合いの某せんせいは、エッチな雑誌に寄稿していると難癖をつけられて、1年入会を延期させられた
●友達
本来はメンバーに連れられて、通いまくってメンバーの推薦、これが王道。会員権屋さんの紹介で入るのは、転校生みたいなもの。人見知りの人はしんどいかもね
今月のまとめ
メンバーになったら友達呼んで、食事をおごる。
地主と呼ばれて、いい気分だ。
誉めてほしくてメンバーになるのよ。
さあ自分のコースに酔いしれよう
教える人/木村和久
ゴルフ歴32年のコラムニスト。ベストスコア75、2001年鶴舞CCキャプテン杯優勝。『89ビジョン』など新しいゴルフの楽しみ方を様々提案する自称「ゴルフ生活評論家」
月刊ゴルフダイジェスト2022年1月号より