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【ゴルフ初物語】Vol.63 日本初の「ゴルフ場ガイド」は80年以上前に誕生した

今やゴルフ場の検索、予約はネットでするのが当たり前だが、10年ほど前までは分厚い「ゴルフ場ガイド」が重宝されていた。その元祖ともいえる冊子が84年前の昭和12年に登場した。

当時のゴルフ場を網羅していた

2011年小社発行の「ゴルフ場ガイド」は東・西に分冊され、全国2322コースを収録していたが、日本初のゴルフ場ガイドといえるのは1934年の「GOLF IN JAPAN」。全国50コースの住所、電話番号、アクセスなどが英語で紹介されていた。この冊子は現在の日本政府観光局の前身である戦前の財団法人国際観光局が、外国からの観光客誘致を目的に発行したもので、外国人ゴルファーがプレーするのに必要な情報が写真やコースレイアウトとともに掲載されていた。

日本人向けの最初のゴルフ場ガイドは、3年後の1937年、日本初のゴルフ雑誌「日本ゴルフドム」昭和12年新年号の付録として作られた「全国ゴルフ場案内」。全国61コースの住所やアクセス、プレーフィーなどのコース情報を網羅。さらには設立中のコース、練習場だけでなく、台湾や満州など外地のコースまで合計93カ所のほか、ゴルフ用具店などの連絡先も収録。クラブやボール、ホテルに車の広告も掲載された全108ページの冊子だった。

コース情報を見ていくと、ビジターフィーがいちばん高いのは廣野ゴルフ倶楽部で日祭日15円、朝霞の東京ゴルフ倶楽部、鳴尾ゴルフ倶楽部猪名川コースが日祭日10円で続く。この年の公務員の初任給が75円、かけそば1杯10銭だったことを考えると、いかに高額だったかわかるだろう。宿泊案内が載っているコースもあり、廣野GCでは倶楽部附属宿舎が4円50銭、明石海岸に面した錦江ホテルが2円以上となっている。現在では残っていないコースも多数掲載され、戦前の日本のゴルフ事情を知ることができる貴重な資料だが、国立国会図書館デジタルコレクションにてインターネット公開されており誰でも閲覧することができる。

各コースの住所、連絡先、ヤーデージ、アクセス方法やプレーフィーだけでなく、縮小されたスコアカードまで掲載されていた

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月23日号より