【当たるも八卦当たらぬも八卦】Vol.64 気象予報士とプロゴルファー、どっちが難しい?
イラスト/マタキサキコ
ゴルフを愛する気象予報士・森田正光氏による気象コラム「当たるも八卦 当たらぬも八卦」。気象予報士になるのは難しいと言われるが、プロゴルファーになるとのとどっちが難しい?
合格するには
約1000時間必要
お天気キャスターに注目が集まっています。また、気象予報士への関心も高く、気象予報士講座クリアの講師をしている斎藤義雄氏によると、気象予報士講座への問い合わせも増えているとのことでした。ただ、予報士試験は結構難しくて合格率は現在5%くらいですから、100人受けて5人しか受かりません。
講座を受けても合格するためには約1000時間、期間にして1〜3年くらいはかかるといいます。そうしてみると、NHK朝ドラの主人公・モネは、勉強してわずか1年半、三度目の挑戦で合格しましたから、立派な成績だったわけです。
その難しい試験に合格したあとの業務はどうなるのでしょう。斎藤氏によると21年夏現在、全国の気象予報士数はおよそ1万人。そのうち約千人が民間気象会社、さらに千人が、鉄道・航空・船舶・マスコミ・自治体・自衛隊などで職業的に業務をしています。
これを聞くと資格に対して就業者が少ないように見えますが、そもそも国家資格というのは資格者数に対して就業者数が少ないのは当たり前。医師のように合格者のほとんどが就業するのが例外だと、斎藤氏は言います。なるほどそういえば「おかえりモネ」の中で、林業に携わる人たちが、各種運転免許証や管理者証を出して、互いに自慢し合うシーンがありました。林業は業務中の事故が多い分野なので、各種資格を設けることによって業務中の安全を図ろうということなのです。
ところで予報士になるのは難しいと書きましたが、プロゴルファーになるのはどれくらい大変なのでしょう。
プロテストなどに合格するのが最短です。現在、プロゴルファーは約5000人。ゴルファーは500万人と言われていますから、ファン人数で割ると、プロは1000人に1人。気象予報士どころではない狭き門です。どの分野もプロになるのは大変ですね。
森田正光
TBS報道番組「Nスタ」でお馴染み。監修した書籍『空の手帳』が人気。ツイッターは@wm_moritaで検索
月刊ゴルフダイジェスト2021年9月号より