【名物ホールでいつかバーディ】Vol.4 松の上の海風が曲者「浜松シーサイドGC」8番パー3
かつてチョイス誌の編集長も務めたゴルフコースのスペシャリストが日本全国の名物ホールをレポート。今回紹介するのは、浜松シーサイドGCの8番ホール。
【名物ホールFile 4】
浜松シーサイドGC 8番ホール
172Y PAR3
池、松林、そして海風。
グリーンへの入り口は極めて狭い
ゴルフ場に適した土地を求めて各地を検分した創業者の福田富市は、遠州灘の海岸に接する大きな鮫島池を見た瞬間、理想の地に巡り合えたと喜びを隠せなかった。平坦な砂防林がコースに最適だったからだ。
7万平米という広大な鮫島池をぐるりと巡るように3番(437ヤード)、7番(382ヤード)、そして池越えの8番ホールがレイアウトされている。8番の距離はレギュラーティーから155ヤード。距離的にはそれほど長くないのだが、池越えと海風が重なることから、まったく油断できないホールだ。
遠州灘からの強い風が絶えず吹き付けるこのコースでは、クラブ選択に悩むシーンが多い。少しでも曲げたら球は松林の中に転がり込んだり、池の餌食になってしまう。
話を8番に戻そう。グリーン左手前には高い松の木が連なり、上空にハザードを作っている。高弾道の球が必須だ。強風時は、グリーンセンター狙いでは間違いなく左から右へと球は流されてしまう。結果、ホールの入口が狭く、難易度が高い。
「今日は風があまりないな」と思っても球が右に流されていく。松よりも高いところには絶えずそれなりの風が吹いているのだ。池、松、風、これらを巧みにかいくぐってはじめて「ナイスオン!」の声に浴することができる。
さて、浜松シーサイドといったらキャメロンミュージアム。プレーが終わったら覗いて帰ることにしよう。
あの選手がメジャーで使ったパターも展示
スコッティ・キャメロンミュージアムには最新のモデルをはじめ、ここでしか手に入らないレアなグッズも多く用意されている。パターのフィッティングができるのも嬉しい
浜松シーサイドゴルフクラブ
静岡県磐田市鮫島4119-1
18H・7648Y・P72 コース設計/福田富市
文/吉川丈雄
特別編集委員。1970年代からアジア、欧州、北米などのコースを取材。チョイス誌編集長も務めたコースのスペシャリスト。現在、チョイス誌ベスト100選考委員、日本ゴルフコース設計者協会名誉協力会員としても活動
月刊ゴルフダイジェスト2021年8月号より