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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.903「同伴者の所作や視線を見てどんな球を打つのか予測していました(笑)」

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

TEXT/M.Matsumoto

>>前回のお話はこちら


サッカーでは守備をする際、相手の目玉の動きを見て攻撃を予測しろと言われていました。ゴルフでも目の使い方は大切だと思いますが、目玉の動き方、目線の向け方などについてどのようにお考えでしょうか。(匿名希望・40歳)


同じ球技でも、ゴルフとほかの競技とではプレーヤーの動き方がまったく違います。

最大の違いは、野球やサッカー、バスケットボールなどは、常に動きながらボールを追わなければならないという点でしょう。

動くボールを正確にとらえ自分との距離感やタイミングを測るために目から入る情報を使いますが、ゴルフは地面に静止状態のボールを打つことで始まります。

ボールと自分との間にある距離も打つタイミングも自分で決められるのがゴルフ。

それでも毎回安定してナイスショットできないのは不思議ですよね(笑)。これは、さまざまな条件に微妙な変化があるため毎回ナイスショットできないと考えざるを得ません。

だからなのでしょうか、昔からボールをよく見ろ、ヘッドアップはミスショットの根源と言われます。

打球の行方が気になるあまり顔を上げ、上体が早く起き上がってしまうのはよく見られる動きで、顔を上げると目が動くと言えるでしょう。


つまりゴルフは可能な限り目は動かさないほうがいいということです。

このとき、ボールのどこを見るべきかが問題になることがあります。

ボールとフェースが当たるときのボールのディンプル数を数えられるくらい見たほうがいい、反対側の赤道あたりを凝視するほうがいい、あるいはボール全体をぼんやり見たほうがいい……と十人十色ですが、わたしは特に意識したことはありません。

ちなみに私は、インパクトの瞬間ボールが大きくひしゃげて形を変え、その後、元の形に戻りながら空中に飛び出してゆく、そんなハイスピードカメラでとらえた超スローモーション映像が見えることがあります。

さらに、その瞬間ボールとフェースの間に数枚の芝の葉先が挟まっているシーンまでが、ありありと見えている場合もありました。

これはおそらく、極度の集中状態がもたらす現象で、打つ前にイメージした映像が現実と変わらないほどリアルに脳内で再現されていたのではないかと思います。

ウソみたいな話ですが、こんなことが起こるのもスポーツの不思議なところかもしれませんね。 打つときの目線の話で言えば、利き目で見るというのもありますが、結論からいえばこれは意識しすぎないほうがいいと思います。

わたしが意識していたのは、打つときにどこを見ているかということではなく、どうすればスウィングの軸がブレないかでした。

自分の視線がどこを向いているかということに関心はありませんでした。

ラウンドしているとき、むしろ気になったのは、同伴競技者の視線の行方でした 相手がどこに目を向け、次にどういうショットを打とうと考えているか。

それが打ちたい方向なのか、打ってはいけないと考えている方向か、それを予測するのが面白かったし刺激にもなりました。

実際に相手が想像した通りの攻め方をしたときは、やっぱりねと思ったり、その人の持っている技術に興味を覚え、自分も真似をしてみようと心にメモをしてみました。

その積み重ねが、わたしを成長させる学習効果を生んだのかもしれません。

そういう意味でプレーヤーの目線や視点は重要なのかもしれませんね。ただ、どこを見つめるか、どこに視線を向けるべきかは、人によって意味も価値も違ってくると思います。

あなたのスウィングにとって目線をどう保つのが最適か、自分なりの視点を探すべきなのだと思います。

「上を向いて空を見て。特にため息したいときは(笑)」(PHOTO by AYAKO OKAMOTO)

週刊ゴルフダイジェスト2026年4月14日号より