【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.268「音の大事さをデフゴルフから再認識」
奥田靖己「ゴルフはつづくよどこまでも」
高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。
PHOTO/Tadashi Anezaki
>>前回のお話はこちら
- 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Tadashi Anezaki >>前回のお話はこちら 少し前に、ツアーに出始めた頃に、かっこいいプロやなと思っていた鈴村久さんと昨年の11月に、同じ名古屋のプロの桑原克典くんの計らいで初めて……
ちょっと前にミラノ・コルティナ冬季パラリンピックが終わりましたが、冬季はもちろん夏季大会でもゴルフはパラリンピックの競技種目には入っていません。ただ障害の種別に応じたスポーツ大会はいろいろ開催されていて、ゴルフが競技種目になっている大会もあるようです。
ISPSの半田さんがやられている視覚障害の人のブラインドゴルフの大会で僕も何回か一緒に回ったことがありますが、見ておると打つ前にナビゲーターの人にボールにクラブを合わせてもらって打つんです。皆さんよいスコアで回ってきます。
ゴルフは目から入る情報によってプレッシャーを感じることが多く、それにどう対処するかが一番のポイントでもあるんですが、ブラインドゴルフの場合はそれが少ないぶん、ナビゲーターとのコンビネーションと感覚の鋭敏さが重要になってくると感じました。
たとえば真っ暗な部屋で電灯のスイッチを探すときに、暗闇を進む足の指先やスイッチを探す手の指先のセンサーが鋭敏になりますよね。それと一緒で、一つの感覚が失われたら他の感覚がそれをカバーする。その感覚の鋭敏さが極限に高い人が、選手としてこういう大会に出てくるんやと思います。
昨年の11月には東京の若洲でデフリンピック(聴覚障害者の国際大会)のゴルフ競技が開催されました。僕自身、聴覚で不自由したことはないけれど、ただ、冬場のラウンドで耳当てしてゴルフしとったらその不自由さをちょっと感じることがあります。 普段のラウンドで、アイアンが芝生を擦った音やインパクトの音、ボールがグリーンに落ちたときのコンコンいう音、こういった音から僕らはいろんな状況の情報を得ておるわけです。
それほど聴覚はゴルフに影響があるいうことです。たとえば、ヒロ松本さんが作った軟らかい削り出しのパターがあったんやけど、精巧で軟らかいからインパクトで音がしないんです。
慣れればそれでもいけたけれど、やっぱりインパクトの音があると打った気になるんです。これが大事で、自分が打った感覚によってインパクトの強さから距離感、ミスヒットまでを感じ取り、次のショットにつなげておる。ゴルフでは、音ってそれほど大事です。

「我々はありがたいことに音でインパクトの強さやら距離感、ミスヒットまでを感じ取ってるんやね」

奥田靖己
おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する
週刊ゴルフダイジェスト2026年4月7日号より


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