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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.896「創意工夫を持ち続け練習すれば成長した自分が必ず待っています」

KEYWORD 岡本綾子

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

TEXT/M.Matsumoto

>>前回のお話はこちら


始めて3年で70台が出ましたが、先日初めてレッスンを受け自分のゴルフIQが低いことを実感して改めて考えました。スウィングや練習、ゴルフとはそもそもなんなのでしょうか。(匿名希望・42歳)


年齢を問わずみなさんはゴルフと出合い、ゴルフに魅力を感じ、自分なりに目標を立てそのための練習に取り組んでいると思います。

その努力のなかに身を置いていれば、日々思うことに工夫やアイデアが生まれると思いますし、わたし自身がそう考えています。

ところが最近、そうした独創的な疑問や目からウロコの斬新な意見が少なくなってきたように感じます。

自分で考えるってことに疲れちゃっているのか、分からないことはすべてAIに頼るようになったからでしょうか!?

「そもそもゴルフとは?」の質問の意図がよく理解できません。どこまで上達してもゴルフの難しさ、魅力や謎は深まるばかりで、レベルアップを望むゴルファーなら誰もが身を引き締めているはずです。

以前にわたしは「そもそも」という言葉が好きではないとお話ししたことがあります。議論の際など、焦点になっている主題の本来の意義や話し合いの発端を指摘するような場合に使われるこの言葉。


原点に立ち戻ることで冷静さを促す便利な言葉ともされますが、多用してしまうと話が前に進まなくなる言葉でもあると思っています。

日常会話でこのセリフをよく口にする人は、固定観念が強く視野が狭いタイプじゃないかしらと個人的にそう見ています。

いま問題になっている話は、元々こういうところから出てきたのであって、それを分かっていないと言わんばかりの上から目線。

だからというわけではありませんが、自分のゴルフIQが低いことを実感した点にも引っ掛かりを感じます。

何をもってゴルフIQであると考え、どんな能力があることをゴルフIQが高い状態だと思っているのでしょうか。

あなたの考えるゴルフIQはティーイングエリアに立ってホール全体を見渡したときに地形を把握する能力、コース攻略法を組み立てる能力などが含まれるとするなら、その能力は生まれつき身に備わったものなどではありません。

それはコーチや先輩から教わった知識とは別に、経験を積み醸成されるものです。自分のゴルフIQについて浮かれたり悲観したりしても意味はありません。

たとえゴルフIQが高くても技術が伴わなければスコアはついてきません。練習を積めば技術が身に付き、ラウンドを重ねて経験知を得ればあなたの言うゴルフIQも徐々にレベルアップしていく、それがゴルファーが成長していく正しい姿なのだと思います。

焙煎法や淹れ方にこだわってきたコーヒー愛飲家だって、ある時ふと「コーヒーって、そもそも美味しいのか?」と疑問に思うことがあるかもしれません。

ゴルフにも同じようなことがあるのかもしれせんが、幸か不幸かわたしにはまだその経験がありません。

では、その時どうすればいいか? わたしならいったん、その対象から離れてみます。「そもそも」というのは最初に戻る、原点に返って出直してみる時に使う言葉。

ゴルフから離れて別のものを試してみることで、固定観念にとらわれマンネリに陥っていた考え方が転換され、新しい視野が大きく開けるのではないでしょうか。

ですから、いままでのプロセスを改めて振り返ってみてはどうでしょうか。

こういう質問をされる方は、ゴルフに慣れすぎて気が抜けてしまっている可能性も無きにしもあらず。以前に確かにあった、あの時のアツい気持ちを取り戻す必要があるのかもしれませんね!

「悩む時間があるなら前に進め!」

週刊ゴルフダイジェスト2026年2月17日号より